【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
何かがおかしい……AFOはこの戦いから度々起こるアクシデントによって、煩わしさを感じていた。
思えば……神野からだと思い返す。
この自分に恐れをなす事無く、立ち向かって来た緑谷出久……名前を思い出したのはぶちのめされて、タルタロスに収監されてやっとだった。
死柄木弔と出会う前、オールマイトに敗北し、殻木によってなんとか逃げ仰せてから。後継者……新たな肉体を『創り出す』事を決めた。
まだまだ世界に、日本に友達は多かったから、少しばかりそのツテで色々やらせた。その過程で『脳無』が生まれ、死柄木弔をその完成形にする計画が定まった。
あれは、緑谷出久は『失敗作』だ。やがて死ぬはずが……生き延びて私の前に現れた。
ヒーローとして、死柄木に立ちはだかった。オールマイトのように……。
決して似ていない真反対の正義。しかし、いくつも用意した道を、悉く打ち砕く様は、同じだった。
そしてーー今それが、この場のヒーロー達にも伝染しているのかと、挑発を受け流し先制攻撃を浴びせたエンデヴァーを前にしてAFOはマスクの下の失っている顔を歪めた。
「バニシング……フィストォオアア!!」
エンデヴァーの両脇に現れた巨大な炎の拳、それがエンデヴァーの拳に凝縮して熱を纏う!不規則に、リズムを変えて!上下左右三次元の空間を回り込みAFOに叩きつけられる!!その豪炎たる拳を、液状の壁の個性でAFOは防御した!
しかし、その打撃を防御して反撃に転じようとすれば!
「おっとぉ!!」
「ちぃい!?」
ホークスがその隙を潰してさせない。二刀流の斬撃をAFOが防ぎ、エンデヴァーの攻撃を止めさせない!
成る程と、素晴らしい連携だなとAFOは讃える。
「しかし……ホークスよ?微妙にタイミングが合ってないな、元早すぎる男よ……」
しかし完璧では無い、綻びは……ホークスにあった。
「荼毘に燃やされた羽はリカバリーガールでも元に戻らず、義羽で補なってやっとそのスピード……足を引っ張ってるのはキミじゃないか?」
「難儀なものっすね、お互い……あんたのマスク(それ)と同じだ!」
無傷なら危うかったが、群訝の対戦時に荼毘との戦いで羽を燃やされたホークスにかつてのスピードは無い、常人ならその差も分からないかもしれないが、その悲しい衰えは一目瞭然だった。
「ホークス続けるぞ!ダメージは入っている!!超再生の類は補給していない!!」
炎と拳を叩き込み、隙を作らせないエンデヴァー。AFOは流石に攻め切られかねないなと……ここで隠し玉を使う事にした。
「ところでエンデヴァー……傑作が失敗作を倒してくれた気分はどうだい?」
「黙れ!!」
「少しは喜んだらどうだ?本当は安心してるんじゃないか!?自分が戦わずに済んだと!向き合わなくて、見なくてよかったと!!」
荼毘こと燈矢を末子に押し付けて、向き合わず、戦わずに済んだ事を安心してるんじゃあ無いかと露悪的に煽るように語るAFO。まだそこを突いてくるか、とホークスは叫ぶ!
「乗るな!!神野のオールマイトを思い出せぇ!!」
挑発に乗ってはいけない!聞こえてるのだろうか、エンデヴァーの攻撃は決して止まらない!そして……AFOが一言、エンデヴァーに言い放った。
「燈矢くんの体……見つからなかっただろ?」
「!!?」
エンデヴァーの……動きが止まった。それを聞いていたホークスも歯を食いしばった、まだそんな最悪のカードを、AFOは持っていたのかと。
償いに生きると、エンデヴァーは決めた。だからこそ割り切る事はできない。罪を前にして、その手は、足は止まってしまう!
「やけん!俺がサポートするんやろがぁ!!」
完璧に乗せられた、間に合え!間に合わせる!!エンデヴァーがここで負けたら全てが覆ると、義羽と自らの羽を動かしエンデヴァーの下に向かうホークス!
「今の貴方の使命は!速やかにAFOを倒す事だぁ!!冷静にーー」
「オール……フォオワァアアアアアン!!」
怒りの灼熱の炎が爆風の如く拡がり、エンデヴァーが叫ぶ!ここだ、隙を晒したなとAFOが笑みをマスクの中で浮かべ、右腕を異形の怪物と化して脇腹を噛みちぎりに行った。
「え?」
だが、爆炎の中にエンデヴァーは居なかった。
呆けた声を上げて、その異形の腕は空を切り……真横に回り込んだエンデヴァーの右脛が、AFOの生命維持マスクに叩き込まれる!
「バニシング……ストラァアアァイク!!」
「ご!がぁああ!?」
AFOが、真横に吹き飛んだ。
エンデヴァーは乗らなかった、挑発に乗らないどころか……乗って、怒りに我を忘れたフリをして、爆炎をフェイントと隠れ蓑にして!カウンターの一撃をお見舞いしてやったのだった!
「貴様に殺されて終われば!償えん!!冷にも……夏雄にも!冬美にも焦凍にも!燈矢にも!!荼毘に燃やされ、俺が起こしたこの国の災禍に晒された人にも!!」
ここで死んで楽になるものか、それこそが、俺の罪で壊された、巻き込まれた人間への責任放棄になる。
「生きて償う、死んで燃やされ灰になるまで……!!俺が全部抱えて、連れて行く!!」
だからこそ、エンデヴァーは決めた。生きて償い続けると、その身が朽ちて焼かれ灰になるまで、罵倒も嘲りも、何もかもを背負って生きて生きて、そして死ぬと、その宣言にホークスは呆気に取られて口を開きっぱなしになり、即座に口を閉じた。
「傲慢な……今すぐ死んでくれって願う被害者も居るだろうにねぇ」
最悪の切り札がこうもカウンターされるとは、しかもエンデヴァーよ……フェイントも、攻撃時の立ち回りも……そして今の『蹴り』も、今まで決して使わなかった手段だなと、ヒビが入ったマスクでAFOはエンデヴァーへ言い放った。