【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
『キミには約束をしてもらう、このオールマイトとの約束だ!破った場合は……キミのヒーローへの道を閉ざして……私も死ぬ!!』
『えぇぇえええええ!?』
『何故ならキミを見出したのは私だ!そのキミが雄英の受験まで11ヶ月!約束の一つも破るような男を見出してしまった腐った目など必要無し!いいな!』
それは、緑谷出久が憧れのヒーローと交わした約束を守り通す10ヶ月の話……さながらそれは、十字架を担ぎ石を投げられながらもゴルゴダの丘を上がる救世主の如き日々であった。
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「「「緑谷が出所したぁああああああ!?」」」
「「「嘘だと言ってくれぇぇえええ」」」
折寺中学校に激震奔る!!捕まった筈の犯罪者にして世界最年少ヴィラン、緑谷出久が出所したと連絡があったのだ。無論逮捕されちゃいないし、事件は報道規制されたのもあり、ついに公権力すら緑谷は屈服させたのかとクラスメイトは絶望一色に彩られた。
先日、生首脊髄オブジェ刑に処されたクラスメイト達は彼の帰還を皆が恐怖した。今度こそ殺される、学校の生徒と教師全員殺されると。
「み、皆さん慌てずに、何も今日から出席するとはーー」
「おはようございます、先生」
「ぎぃぇええええーーー!!」
引き戸が開いて、緑谷が出席したのを理解して担任は腰を抜かした。クラスメイト達も、これからまた惨殺極刑が行われると理解して、涙を流し祈ったーーが。
「何をしてるんですか先生、さっさとホームルームしましょうよ」
緑谷はそのまま着席した、さっさとホームルームを始めようと促す。いつもなら……まず誰か1人はその個性でオブジェにされるか、からかった羽目にオブジェにした他クラスの生首脊髄オブジェをゴミ箱に投げ入れるのがルーティーンだったにも関わらず、出久はそのまま席に座ったのである。
「え……?」
「は?」
「し、しますします!ほ、ホームルームを始めます!!」
異様!あまりにも異常なる、まさに非日常が起きていた!担任もあまりの事に驚愕するが、ホームルームをしなければ自分がオブジェになると恐怖から、ホームルームが始まった。
クラスメイト達も皆、静かに、何もしない緑谷の姿をむしろ恐怖に感じて、静かにホームルームは進んでいく。
「受験まで、如何なる理由があろうと反撃禁止……か……」
オールマイトと交わした約束を反芻し、緑谷出久はただ静かに学業を全うする。
ーーー
『反撃禁止だ、いかなる理由があろうとも……例え相手に十割過失の理不尽があろうと、キミは絶対に反撃をしてはならない!』
『な……』
『そもそも、個性の使用は禁止でしょうが!全く……まずこの10ヶ月でキミには忍耐と精神を鍛えてもらう!!』
オールマイトと交わした約束、それは『やり返す事をやめる事』であった。今の今まで、緑谷は暴言や陰口にすら極刑とばかりに脊髄ぶっこ抜きを持って黙らせて来た、それをまず止めるように諭された。さらに……いかに相手が過失があろうと、それでも許して反撃もするなと言うのだ。
『もしも……君が仮にヒーローになれたとしよう』
幾ら何でも理不尽だと感じた、それを察したのかオールマイトは語り出した。
『は、はい……』
『ある日キミは、最強のヴィランと対峙し、民衆を守り勝利した……がしかし!!1人だけ……たった1人だけ守れなかった』
『1人だけ……』
『悲しい事故だ、細心の注意も払った、決して油断もしなかった!が、民衆からはこう声が上がる……どうして助けれなかった、ふざけるな、この子を返してよと』
『そ、そんな、そんな事』
『ありえるのさ、民衆はヒーローの失敗には容赦が無い……何よりそれだけの期待をプロは受けている!!その悪意ある言葉を受けたキミはどうする?』
堪えてみせるなんて、嘘は言えなかった。今の自分がそんな場所に居たら……民衆全員を脊髄オブジェにしていてもおかしく無い。
『例え民衆から悪意のむしろにされようと、罵詈雑言を浴びせられようと……その全てを献身し、悪を打ち倒し民衆を助ける、ヒーローとはそう言った職業なのだ……故に君は耐えなければならない!この10ヶ月、理不尽と容赦無い悪意に耐えて尚反撃に転じなかった時!キミはヒーローへの一歩を踏み出す!!』
『……っつ……わかりました、オールマイト……約束します、僕は耐えて見せます!』
確かに、緑谷はその日憧れに決意を見せた。なにしろ破る事は即ち、オールマイトを、憧れを殺す事になるのだから。
だから耐える、というわけではない。自分が憧れのヒーローになるために、今まで積み上げたマイナスを0に戻す為に、真っ当になる為に耐えるのだと言い聞かせた。
雄英高校受験まで、残り10ヶ月ーー。