※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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350話 ぶっこ抜け!!脊髄!!

 多古場競技場にて、戦況の変化が起ころうとしていた最中、天空の棺では……ベスト・ジーニストが爆轟の蘇生と治療にあたっていた。この子を決して死なせてはならない、この子は次代のヒーローの灯火の一つなのだからと、死柄木に開けられた胸部からファイバーを通し臓器の傷を縫い上げていた。

 

 それでも、爆豪が蘇るかなど分からない、無駄かもしれないと頭によぎっても、ジーニストは足掻く。彼を、職場体験の一週間とは言え指導した者として。

 

 そのジーニストの対面に、よたつく足で一人のヒーローが現れ、見下ろした。

 

「エッジショット……」

「そう……どこでも忍び込む、忍者ヒーロー……人の体なら幾度でも忍び、熟知している!」

 

 何をする気なのか、その言葉だけでジーニストは分かってしまった。止める間もなく、指先から自らを解いて体を糸のようにして、エッジショットは爆豪の体内に入り込む。

 

「諦めて、たまるかぁ……ミルコォ!!足掻けぇ!!首だけになっても!!喰らいつけぇ!!」

 

 そして、今から行う事のために、捕まったままのミルコを焚き付けた。

 

「俺は……受け入れない!今止まった心臓は……我々が決して、失ってはならぬ命だ!まだ間に合う!欠けたものは俺が埋めて、動かす!」

「紙原……戻れなくなる……!」

「だから、あとは頼みます……袴田会長」

 

 ジーニストが、エッジショットの笑みと今から行う事に、待ったをかけようとした。しかしその笑顔と覚悟を、止めれようものかと彼も、覚悟を決めた。

 

「忍法……千枚通し・極!」

 

 身体中全てを解いて、エッジショットは爆豪の体内に入り込んでいく。爆豪を救うために、エッジショットは自ら彼の心臓となる事を決めたのだった。

 

 個性……『紙肢』

 

 体を、薄く、細く、引き伸ばせる。

 

 幾年月の研鑽を重ねた、エッジショットの身体は……さらに細く、流血も止まるほどに引き締まり、さらに薄く!『蜘蛛糸』の如き姿となる!

 

 エッジショットは『洗濯ヒーロー』ウォッシュから貰ったバブルで細くした自らを洗い、消毒して爆豪の臓器を縫合する糸となり体に侵入!

 

 ジーニストのファイバーによる縫合もしてはあるが、それでも数々の臓器が損傷し、血は流れていた。だから、さらに縫い合わせて止血をしつつ……そのまま糸となった身体により、内側から直接臓器を心肺蘇生にかかる!

 

 目を開けて意識もない爆豪の体が、一定のリズムで揺れ出す!足掻け、足掻け!最後まで!

 

 しかし!縫合糸レベルまで自身を細めるという行為は、命懸けの行い!それでも!自身の命を削りながら、願いを込めてエッジショットは心臓をマッサージし続ける!

 

「それはもう、僕が壊したんだよ……」

 

 その足掻きを見ていた死柄木が、無駄なことをと嘲笑った……しかし、取るに足らない放っておこうという雰囲気が、突如変化して青筋を浮かべ、死柄木は怒声をあげた!

 

「それは!俺がもう!壊したんだよ!!」

 

 精神が分裂したかのような、統合失調じみた変わりようから、指の束の波が、ベスト・ジーニストに襲いかかる!

 

「ゔぁあぁあああああーーぁああ!!」

 

 塗り替えるような咆哮が響き渡り、捕まっていたミルコが、自身の力だけで肉の拘束を引き裂いて、死柄木の顔面に蹴りを叩き込んだ。

 

 だが、右腕にまた肉触手が纏わりつき、再度拘束に掛かる!

 

「……そんなに捻り潰されたいか?」

「あぁ!?」

 

 ダメージは皆無と足の甲がめり込みながら、目線だけを向けた死柄木にミルコは唸る……どころか!食いつかれた右腕を、自ら引きちぎって拘束から抜け出した!

 

 蛇腔で左腕と右足を失った!この場で右腕もくれてやった!しかし!!ラビットヒーローミルコの戦意は……死んですらいないたぎり続けていた!

 

「!?な、なんだ?!」

 

 そのミルコの一撃を喰らった死柄木は、直後にふらついた自分に驚愕した!

 

 何故ふらついた!?この肉体が、適応し成長し続け、再生する肉体が!?ダメージは積み重ならないはずだと、ふらついて視界がぼやけたという事実を死柄木は突きつけられた。

 

 そんな事はあり得ないと認めたくないと振り払おうとした矢先、先程爆豪の一撃で顔面を焼かれたのを思い出す。

 

 取るに足らない、OFAを持たない"モブ"の一撃に驚異を感じて、反撃したのだと思い出す。

 

「ミルコォ……!」

 

 死柄木が止まった隙に、ジーニストの炭素ファイバーが、引きちぎったミルコの右腕を縛り上げ圧迫止血した!

 

「何だよおい!優しいなぁ!?大魔王!!」

 

 失った両腕と、片足義足の足で跳ねるように向かうミルコ!それを薙ぎ払いに指の束を振り抜こうとした死柄木だったが……その視界を通形が透過で近づいて手の目隠しで視界を遮った!

 

「どこ見てんだぁ!?人間!死ぬときゃ死ぬけどよぉ!全取りだっつぅならそうするぜ!!」

 

 エッジショットの足掻けという言葉、爆豪を助けようと命懸けの救助、漏れなく全部回収して勝つ気があるならそうすると、失った腕を軸に体を捻り!死柄木の頭部に!自慢の蹴りを叩き込む!!

 

「後悔残してぇ!!死んでらんねぇからなぁあ!!」

 

 義足の足も!構わず!連続で死柄木の肉体に全ての力を込めてミルコの連続蹴りが叩き込まれた!!

 

「満月乱蹴(ルナラァァアアアアアッシュ!!)!!」

 

 仰け反る死柄木の口から、血が吐き散らかされた。効いている、ここまで積み上げたダメージは、決して無駄ではないと、希望が見えた。

 

 壊したはずなのに。

 

 ーーは思った。

 

 壊れてない僕には、誰も手を差し伸べなかったくせに。

 

 *村÷弧は呟いた。

 

 誰も!!僕を見てなかった癖に!!!

 

 

 マスターピース、死柄木弔の肉体は、最適な形を求めて変異する。破壊を求め、膨張した指の塊は、最適のはずだった。『誰も近寄らせず、世界を蹂躙する形』だった。

 

 しかしーーヒーロー達は、その形を超えて来た!

 

『抹消』によって、回復を封じられた『身体』と!『心』のストレスが!彼を蝕み、そして身体は……今、この場により適した答えを導き出した!!

 

 口元を面のように塞ぐ指!胴体を鎧のように包む指!足を保護するように束ねられた指!!左腕の膨らんだ腕は、まるで何者かを取り込んだような頭部が指となって、巨大な握り拳を作り出した!

 

「いい加減にしろぉああぁあ!」

 

 また姿を変えた死柄木に、果敢に突貫したミルコ!しかし!

 

「うぅゔ!?」

「ミルコォ!!」

 

その速さを上回り、無惨にもその巨大な拳にミルコが叩きつけられ吹き飛ばされた!その次の瞬間には!即座に立ち上がった天喰のそばまで近づき腕が振り上げられーー。

 

「ミリオーー」

 

 名前を呼びきった瞬間、無慈悲に天喰も殴り飛ばされた。そしてーー波動エネルギーで拘束にかかったねじれにもーー!

 

「や、やめろぉおーー!!」

 

 ミリオが叫ぶも虚しく、地面を巻き上げた瓦礫に叩きつけられた。近くまで、最早間合いの中にすら来ていた通形に対して、死柄木は言う。

 

「お前に何も無いのはわかっている」

「!!」

 

 そう、通形ミリオは、防御に関しては比類の強さを持つ。しかし、死柄木弔を倒す力は持っていない。鍛えた肉体であろうと、死柄木弔には傷一つつけられない。

 

 だから捨て置かれて、ジーニストと爆豪の下へ悠々と歩き始めた。その背中を、何もできず見るしかできない通形は、歯を食いしばった。自身単体では、もうこの敵を止める事が叶わない!

 

「人が壊した物を直すなよ」

「それが結論か!!」

 

 先程の蹂躙から打って変わっての防御形態、全てを拒絶する姿にジーニストは炭素ファイバーで、エッジショットの蘇生を邪魔させないと捕縛にかかった。

 

 だが、それすらも引きちぎって向かっていく!最早死柄木を止める手立ては、ヒーロー達に残されていなかった。

 

 畜生、これが、こんなのが!結末かと通形は悔しさに苛まれた。自分にもっと力があれば、頼れる後輩のようなパワーがあれば!

 

 百万を救うどころか、仲間も救えないのかよと歯噛みすら最中ーー。

 

『電磁バリアを!!一瞬解除する!!2秒持ち堪えーーえ!?待ってイズクくん!!そのまま行ったらあなたが電磁バリアにーー

 

 マンダレイからのテレパシーが、ベスト・ジーニストと通形に響き渡りーー。

 

「必要……無い!!!」

 

 その声を聞いて、ジーニストも、通形も、そして迫り来る死柄木すらも、上を見た。

 

 ショックウェーブを作りながら、一条の紫色の光が、天空の棺のバリアに高速で向かっていた。

 

「馬鹿め、感電するぞ緑谷いーー」

 

 自滅必死だなと嘲笑う死柄木、しかし……その光は、電磁バリア自体がまるで『意志を持ったかのように』穴を空けて、中へと通り。

 

「ずくーー」

 

 ボォオオン!!

 

 およそ、聞いたこともない音を響かせてーー。

 

 死柄木弔の頭部を、脊髄ごと。

 

 ぶっこ抜いたのだった!!

 

「余裕だな………死柄木弔ぁ!!」

 

 引き摺り出した頭部と脊髄を掲げながら、ようやく奥渡島から到着した、緑谷出久は、死柄木弔にそう言い放った!!

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