【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
『もう一度未来を見て欲しい?』
第二次決戦前の事である……オールマイトは、かつてのサイドキックである、サー・ナイトアイにある事を頼んでいた。
『頼めないか、サー』
それは、自身の未来を見て欲しいというものだった。過去、サイドキックとして組んでいた時代、AFOとの戦いで深傷を負ったオールマイトの未来をナイトアイは見た。
いつかは分からない、しかし凄惨な死に方をするとナイトアイは告げて、それがサイドキック解消の原因ともなった。次代を、OFA継承の為に引退すべきという意見に、オールマイトは引退によるヴィラン活性を恐れ平和の象徴としてあり続ける為に戦った。
ナイトアイの個性『予知』は、的中率100%"だった"。
過去一度たりとも、彼が見た未来は決して変わらなかった。足掻いても、その足掻きを埋め合わせる力が働き結果は決して変わらない。だからナイトアイの個性である『予知』は、最後の詰めで確信をダメ押しする為に使うようにしていた。
その未来を、変える者が居た。
いや、変えるどころかの話だった。
『いつか言ったよな、見た未来は変わらない……けど、緑谷少年を見た時、未来が変わっていたと』
オールマイトの言葉に、サー・ナイトアイはため息を吐きながらずれそうになったメガネを指で直した。
ナイトアイは、緑谷出久の未来を『二度』見た。
その身にオールマイトの個性の欠片が分たれた時と、彼をインターンで預かった時に。仮にもオールマイトの個性を宿してしまったのだ、細心の注意と警戒を払い対処する為にナイトアイは、彼に個性を使った。
『……オールマイト、私は……彼の未来を見て、よりこの個性を未確定の事に使う事を止めるようにしたんだ』
『ナイトアイ……』
そして、より一層彼は個性使用を気をつける事になった
『こんな事は初めてだった、1度目と2度目で、全く違う未来を見た……だが、私が直面した結末もまた、全く違う結果となった……』
こんな事は初めてだったと、ナイトアイは語る。『未来が書き変わる』なんてと。緑谷出久の未来を見たナイトアイは、一度目と二度目で全く違う未来を見た。
だが、その二つの未来と違う結末が、死穢八斎會事件で見せつけられた。
ナイトアイからすれば、今まで的中してきた個性の力を逸脱した存在で、自信すら失ってしまう程に。
だが同時に……希望も芽生えた。
『自身が見た運命は、不確定で塗り替えられる』
それを彼は示してくれた事になる。6年……今なら7年前、大怪我を負ったオールマイトから見てしまった未来も、凄惨な死も、変わるのではと。
『……だめだ、オールマイト……私にはできない……すまない……』
しかし、ナイトアイは拒んだ。仮に見てしまって、また死を突きつけられたらと思うと足がすくんだ。一度目は自分が勝手に見ておきながら、いざ本人から頼まれて拒んで謝るしかできなかった。
『そうか、無理を言って申し訳ないな、サー』
それでも、オールマイトは自分に非があったと笑って謝った。
雨に打たれながら、オールマイトは考えた。
仮にもしも、あの時のサーの予知がまだ残っているとしたら?凄惨な死に方をするというのは、恐らくこの場面だろうと。
目前に迫る、空を舞う宿敵は、かつての姿ではない青年となっている。
自身が掬い上げ、悪に堕ちようとした弟子であり教え子は、友の予知を跳ね除けた世界を示してみせた。
ならば、師である私も示さねばならないと笑う。
『運命は、ねじ伏せる事ができる』と。
悪の血統と定めを踏み越え、ヒーローの道を行く彼に、今度は私が示さねばならないと、彼は声を張り上げる。
「私が……来た!!」
弟子の父親より託された変身道具『マイトプリズム』を掲げ、光が放たれる。
光の粒子が降り注ぎ、腕から体へ、足へ首へ、胴体に現れる漆黒の装甲がオールマイトを包み込んだ。
そして……漆黒の装甲に色が浮かび上がり、かつての『黄金期(ゴールデンエイジ)』のヒーロースーツの模様と色を浮かび上がらせた!
「顔面(ツラ)は、見せないとなぁ!」
かつての師である先代OFA継承者、志村菜奈が言っていた。左右の指で口を吊り上げて見せながら言っていた事を思い出す。
『世の中、笑顔のやつが一番強いからな』
そうしていつも、自分は笑顔を見せてきた。どんな時も、ピンチの時も。窮地の時こそ笑って見せろと。
かつての姿を象る、装甲を纏ったヒーローの名は!!
「アーマード……オールマイト!!」
今再び、平和の象徴が鎧を纏い、戦場に降り立った!!