【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「やめるんだ、2人とも……もう終わりだ!キミ達は観客に当てられすぎた!!」
オールマイトの乱入、その腕を広げ2人に手を出してストップを掛け、観客の歓声も、2人もぴたりと止まった。
「この体育祭、様々な理由や授業の一環ではあるが、試合であって殺し合いをしているわけでは断じてない!!これからヒーローになろうとしている君たちが、この場で命を散らすなぞ意味が無いだろう!!」
オールマイトの叱責に、観客達はハッとさせられた。あまりにも……2人の戦いの熱に当てられて、おかしくなっていた事に気付かされた。
「……すいません、オールマイト」
最初に謝ったのは轟だった、余程疲れたらしいので軽い会釈だったが、やりすぎた事を理解しているようだ。
「緑谷少年、キミもーー」
キミはどうなんだとオールマイトが振り返った刹那、ドサリと嫌な音が聞こえた。
うつ伏せに……まるで糸を切られた操り人形の様に、緑谷出久は倒れ……見えない顔面から血溜まりが広がっていく。オールマイトも、轟も、一気に肝を冷やした。
「緑谷少年!?」
「緑谷!!」
すぐに駆け寄る2人、会場がざわつき出す、見入ってしまって主審としての仕事を放棄してしまっていたミッドナイトも、この事態にやっと我を取り戻した。
「救護班!!すぐに来て!!それからすぐ病院に連絡を!!」
その異常事態を観客席から察して……。
「み…………みどりやぁあああああああああーーーーーー!!」
爆豪勝己が叫びを上げた。
ああ……楽しいな……子供の頃から1人で、遊ぶのも1人だった。やってみたかったんだよ……ヒーローごっこ。仲間外れにされて、みんな逃げて、怪人役でも喜んでやったのに皆僕を仲間外れにするんだ。
幼稚園の先生もキミはしかたないと言うから、部屋で人形ばかり、その両手でぶつけ合って楽しんでた。
ヒーローにあこがれて、それからは鍛え続けて、皆になれるわけないと否定されて、腐って当たり散らして……憧れから手を差し伸べられた。
僕、ヒーローになっていいんだね。
ここに来い、そして学べ。そう言われて友達もできて……。
ああ……死んでもいいくらい、幸せーー。
「緑谷くん!!」
声がしたから……思わず目を開けた。
「あ、あれ……僕……え?何で、寝て、飯田くん……?」
「よ……よかった、目を覚まして……というか、回復すごいなキミ……」
さっきまで……轟くんとヒーローごっこしてたはずだったのになと、緑谷は身体を起こし、ここが指を治して貰ったリカバリーガールの救急室のベッドであると理解した。
「全く……目や鼻から血ぃ流して、両腕は火傷……まぁ焦るのも仕方ないさね」
「えっと……試合は……」
試合がどうなったのか尋ねた緑谷に、今聞くのかバカ者とリカバリーガールが呆れながら言った。
「負けだよ、あんたの、で、救急に運ばれる前にここで応急処置したら……酷い見た目の割に軽傷で皆胸を撫で下ろしたのさ……あんた、バカスカ個性使い過ぎて脳みそに限界来たんだよ」
自分でも自覚はあった、缶を引っ張るだけで鼻血が出たのだから。その癖背骨をイメージしたら負担が一気に減るあたり、どうしても脊髄からは離れられないらしい。
「…………そうですか……はぁ、やっぱり二週間じゃあ、使える時間は少ないなぁ……」
がっくし肩を落とす緑谷に、飯田は厳しく言う。
「僕も、あまりに君たちの戦いに興奮してて言えた立場では無い、けど……無理はしたらダメだ、キミは多分……その辺りから知らないといけないんだ」
「………ごめん」
付け焼き刃で挑んだのが間違いだったなと、此度の試合の結末、起こるべくして起きたのだとため息を吐いた。
「かっちゃんとは、戦えなかったなぁ」
緑谷出久……二回戦敗退……。