※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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371話 2年A組出動

 ヒーロー飽和社会は、たった数ヶ月で崩壊した。

 

 その始まりは何だ?と聞かれたら、No.1ヒーローエンデヴァーの、個性婚と荼毘というヴィランの存在だろうと、今の民衆の大半は答える。

 

 日本のヒーローの信頼は、この一件で打ち砕かれたと言って過言ではない。

 

 では……ヒーロー達が辞め始めた原因は誰か?となればまた別のヒーローが挙げられる。

 

『具足ヒーロー ヨロイムシャ』

 

 蛇腔の決戦の後、彼が引退するまでは、最高齢の現役プロヒーローではなかったかとまで言われる老獪であり、ヒーロービルボードチャートJPで9位という輝かしき経歴と、見合った実力、そして若者にはない経験を持ったヒーローであった。

 

 その彼が、蛇腔の後一番最初に引退を宣言して立ち去った。

 

 理由は肉体の限界……ビルボードチャート10位圏内のトップヒーローが引退。これにより次々と、ヒーロースーツを脱ぎ去る者達が現れ、事務所閉鎖も相次ぎ、日本のヒーロー飽和社会は崩壊した。

 

 確かに辞めたタイミングを擁護しきれない……だが彼は確かにその日まで、ヒーローであり続け、人々を守ってきたのだ。その終わりがあんな形になるなんて、不憫でならない。

 

 

 

 6月もいよいよ終わりを迎える頃、雄英高校ヒーロー科、2年A組の教室の面々は、既にヒーロースーツを携えて移動していた。

 

「なんつーかさ、やっぱ傷跡がでけぇんだよなぁ……まだ通常授業じゃなくて、復興派遣だぜ?」

 

 そうぼやくのは上鳴電気であった、学校は再開したが、仮免のヒーローとして、復興作業に駆り出される日々に、苦言も漏れてしまった。

 

「しゃーねーだろ、一気にプロヒーローが辞めて地方はまだヴィラン活動が静まってねぇし、猫の手も借りたいってやつだ」

「この一帯だけじゃないもんね……中心地ではあるけど、全国で見たらまだまだヒーローが必要なところはあるから」

 

 その苦言に切島が仕方なしと断じた、芦戸も、確かに復興は進んでいるがそれは戦地となった雄英近辺、静岡県周辺だけで全国の復興は手付かず、むしろこれからようやく復興が本格的に始まると答えた。

 

「ヒーローとして本懐だろう、この活動も……皆!派遣先に迷惑をかけないよう、しっかりとヒーロー活動を頑張ろう」

 

 この場でも委員長、飯田天哉は皆に親指を立てて率先して発破をかけた。

 

 そして、下駄箱で靴に履き替えた雄英高校新生2年A組を迎えたのは……グラウンドに待機する自衛隊の輸送ヘリだった。その前に立ち、プロペラからの風に髪を揺らす担任を続投した相澤が、教え子達に言い放つ。

 

「時間通りだな、ではこれより雄英高校ヒーロー科、自衛隊と合同の地方派遣復興作業に出発する、各自割り当てたチームのヘリに搭乗するように!」

 

 ヘリを前にした2年A組、その一人である緑谷出久もまた、割り当てられた機体に搭乗していくのであった。

 

 

 

 

 死柄木弔、AFO、ヴィラン連合を母体とした超常解放戦線と、ヒーローの戦いは……日本に深い傷跡を残した。

 

 全国の刑務所の襲撃によるヴィランの脱走と、社会不安からの犯罪、ヒーローの信用失墜。日本は今、荒廃からようやく立ち直る準備をしていた。

 

 世界中からヒーロー、救援物資が送り込まれてはいるが、ヒーロー飽和社会から一転して、ヒーローが足りない状況となった日本ではそれでもまだ全国全てに救援や復興が行き渡らず、全国の高校のヒーロー科の仮免許取得者への派遣が決定。緑谷達雄英ヒーロー科だけでなく、様々な学校の仮免学生ヒーロー達が派遣され、復興支援にあたっていた。

 

 大戦の激震地である雄英近辺、静岡県の復興はとりあえずの目処が立った所で、次は地方都市への復興となり、緑谷達はチームを分けて自衛隊と連携して現場へ派遣される事となったのである。

 

 

「しかし、このメンバーで組むのは珍しいな、緑谷とは死穢八斎會以来だよな」

「言われてみれば、確かに……」

 

 ヘリの座席で足を組み、黙していた緑谷に、対面に座っていた切島が声をかけた。こうして同じ現場で活動するのは、死穢八斎會以来で、その通りだと頷く。

 

「で……派遣先、京都は芦戸さんと葉隠さんがヨロイムシャの事務所にインターンでお世話になってたんだよね」

「そう!あっちこっち走り回って大変だった!」

 

 そして、今回派遣される『京都』で活動経験があるクラスメイトが二人、芦戸三奈と葉隠透二人の女子だった。緑谷の質問にその通りの芦戸が元気よく答えたがーー。

 

「そして、青山くんもインターン活動してた場所だよーー」

「「「あ」」」

 

 葉隠が笑ってそう言った瞬間、緑谷、切島、芦戸がそうだったと気付いて……一気に空気が重くなった。

 

「送別会、楽しかった……」

「残って欲しかったよね……」

「惜しい人を亡くした……」

 

 3人全員窓の景色を見ながら、キラキラ輝く青山優雅に想いを馳せる。そんな空の向こうの青山くんが『まるで死んだみたいに思い馳せるのはやめて!緑谷くんに至っては死んだ扱いしてるよ!』と、キラキラしながら叫んでいた。

 

「しっかし京都かぁ、修学旅行以来だな……清水寺とか行ったなぁ」

「金閣寺に銀閣、清水寺……パターンだよね、奈良京都は……」

 

 そんな京都といえば修学旅行の旅行先として大概は行く事になるよねと、切島が頷き葉隠も同意した。

 

「そう言えば……今の京都の大半の寺って、再建造された当時のものじゃなくなってるんだよね」

 

 二人の懐かしむ話に、緑谷がそういえばと、今の京都の寺社仏閣の内情を呟いて、芦戸と切島が驚いた。

 

「え!?そうなの!!」

「ええ!それマジか緑谷!?」

「あれ?え?ガイドさんから聞いたりしなかった?」

 

 二人はそれ知らなかったぞと驚いて、その辺りも修学旅行や授業で習わなかったのかと逆に緑谷は尋ねてしまった。

 

「聞いた事ある、超常黎明期の荒廃で燃えちゃったって!」

 

 葉隠は聞いた事があると、緑谷の話に理解を示した。

 

 騒がしくも、現地の状況や歴史を確認しながら、ヘリは京都へ飛んで行く。

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