※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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380話 意思を継ぐ者達

ヨロイムシャ邸を出た緑谷達は、ひとまず切島と芦戸の方はどうなったのか確認を取る事にした。緑谷が切島の携帯に電話をかけ、すぐに繋がる。

 

『はい、切島です』

「もしもし切島くん、こっちは終わったよ、そっちはどう?」

『ああ緑谷か、こっちも話してくれたよ、驚いてた、コウシロウさんが斬られたことも知らなかったらしくて……』

 

 切島と芦戸は二人で、南区で活動している同じ『元ヨロイムシャ四剣士』の一人である、滑野久次から話を伺っていた。京都全てのヒーローが桂駐屯地を拠点としている訳ではなく、独自にヒーロー活動を行なっているヒーローも居る。

 

 滑野久次もまた、その一人で南区と伏見区の辺りで活動しているヒーローであった。

 

『くわしく話が聞きたいからジュウモンジさんと合流したいってよ、予定通り一旦桂駐屯地に戻るよ』

「分かったよ、じゃあ桂駐屯地で」

 

 スマホの通話を切る緑谷、ヒーロー同士の連絡も脆弱だ、同じ京都でここまで情報伝達ができてない事態に、緑谷は少しだけ面倒だなとため息を吐き、ジュウモンジに伝えた。

 

「滑野さん、切島くん達と一緒に桂駐屯地まで来て合流して詳しい話を聞きたいと」

「分かった、じゃあ今すぐーー」

 

 桂駐屯地に戻り、合流しよう。そう決めたと同時であったーー全員のスマホよりブザーが鳴り響き、アナウンスが響き渡った。

 

『桂駐屯地にヴィラン襲撃!!繰り返す!!桂駐屯地にヴィラン襲撃!!ヒーローは至急応援を願います!!』

 

「は?」

「なっ!」

「ええっ!?」

 

 ヴィラン警報が発令された。

 

 しかも……場所はヒーロー達が拠点とし物資輸送の中心たる桂駐屯地。まさかの本拠地への襲撃に、一同に緊張が走った。

 

「ヒーローが詰めてる本拠地に襲撃!?いや!やるか!?救援物資輸送のタイミングを狙われた!!」

 

 公僕の、しかもヒーローが詰所として利用する駐屯地に襲撃するかと、気が狂った様な話だがやりかねないとジュウモンジが叫んだ。昼間の救援物資を運ぶタイミングで手薄な時間を狙ったのだろう、散開したヒーローが救援に来るまでに物資を奪う気だと理解する。

 

「ジュウモンジさん!葉隠さん捕まって!!僕が飛んで行きます!!」

 

 現場が手薄な以上、一人で先に行くより全員一気に運んで人員を増やさねばと緑谷は、鎖苦無を取り出して自らに巻きつけ取っ手代わりにして、葉隠とジュウモンジに捕まる様に言う。

 

「離したらダメですよ、一気に跳びます!!」

 

 そして、空を引き寄せるイメージで右手を鷲掴み、引き寄せる所作と共に、緑谷とジュウモンジ、葉隠は上空に射出された。

 

「どわぁああああああーーー!?」

「きゃあああああああーー!!」

「あ!?」

 

 と、ここで緑谷痛恨のミス!!自身が普段射出するスピードと、二人が想像したスピードの差異により、耐えきれず離してしまい宙に吹っ飛んでしまったのであった!

 

「あああ!?ごめぇええん!!」

 

 即座に緑谷が引き寄せの所作で二人を引き寄せ、両腕に抱え込んで事なきを得る。葉隠に至ってはグローブやブーツが無ければ見失って落としていたと、胸を撫で下ろした。

 

「ウェップ……凄い速度だな……胃腸揺れた」

「吐かないでくださいよ、ゲロの雨なんてーー」

 

 急激なGに吐き気を催すジュウモンジに、自分が加減知らずなのが悪いのだが吐くなとは呟いた最中ーー左手に抱えた葉隠が叫んだ!

 

「きゃあ!?緑谷くんもっと下!変なとこ触ってる!!セクハラ!!」

「えぇ!?ごめん!!」

「帰ったら尾白くんに言いつけるからね!!」

 

 どうやら、やらかしてしまったらしい。しかし何故尾白くんなんだろう……そのあたりを察することはできず緑谷は左手を注文通り動かし、空を引き寄せ桂駐屯地へ急いだ。

 

 

 

 桂駐屯地では、ヒーロー達の数が手薄となった時間を見計らい、鴉天狗衆による襲撃が行われていた。自衛隊員と警察、そして待機ヒーローがその迎撃にあたっていたが……。

 

「くそ!!こいつらどこから出てきた!?」

「数が多い、なんなんだこいつら!!」

「こいつらだ、鴉天狗衆!!暴れ回ってる強盗ヴィラン組織だ!!」

 

 黒い服で統一した集団が、続々と駐屯地に入り込もうとして波状攻撃を仕掛けている。ヒーローと自衛隊、警官が一丸となって堰き止めているが、崩れるのも時間の問題であった。

 

「はは!ヒーロー減ってヨロイムシャも居ねぇからやりたい放題だわ!おらぁ!」

「がはっ!」

 

 この破壊と暴動を楽しむかの様に、一人の黒装束の輩が警官を殴り抜いて、我先にと駐屯地へ乗り込みにかかる。

 

「おら続けぇ!!中入ってある物全部奪ってやれ!!」

 

 その一人に続け続けと嬉々として流れ込む輩達……。均衡は崩れ蹂躙されるだけとなりかけたその時ーー。

 

「あーー?」

 

 先陣を切った鴉天狗衆の輩が、影が自らにかかるのをみて……目の前を遮る巨大な人影に止まりーー。

 

「ふんぬぁあああああーーらぁあああああ!!」

「「「ぎゃあああああーーー!!?」」」

 

 人影が、咆哮を上げるや否や吹き飛ばされて宙を舞った。それどころか、戦線が一気に押し上がり、黒装束の輩達が吹き飛ばされていく!!

 

「おお!!貴女は!!」

 

 打ちひしがれた自衛隊員や警官、ヒーロー達も、彼女が現れた事により安堵し、鼓舞された。

 

 馬の耳を生やした、黒い長髪。そして纏うは大鎧……一歩踏み込む度に大地を揺らしかねない勇壮で重たい歩みと見事な足。鍛えた自衛隊員の成人男性を軽々超える、巨躯なる肉体の大和撫子が、長巻を振るいながら最前列に立ち声を上げる!!

 

「皆さん!怯んではダメです!!必ずここを守り抜きましょう!!散らばったヒーロー達が必ず戻ってきます!そして……私がついています!!」

「「「マインハーツちゃあああん!!!」」」

「京都の守護神!戦乙女のマインちゃんが来てくれたぞ!!」

 

 この場を必ず守り斬らんと現れたヒーロー……彼女の名前は。

 

『守護神ヒーロー マインハーツ』

 

 京都を守るヒーローの一人であり、そして……ヨロイムシャから剣……ではなく特注の『長巻』を贈られた『元ヨロイムシャ四剣士』の一人であった。

 

 そんな戦乙女の出現に、鴉天狗衆もたじろいだ。一薙で風が起こる膂力の前に、鴉天狗衆の進軍も止まり、彼女は声を上げる!

 

「参れ!!」

 

 勇壮なる姿に鼓舞され、ヒーローと、自衛隊員達の士気が上がる。だがしかし、少したじろいだ鴉天狗衆だったが、構わず突貫を始めた。

 

「怯んでんじゃあねぇ!!所詮強えのが一人増えただけだ!!」

「数で押し切れ!!俺らにゃ頭が居る!!そのまま突っ込めェエ!!」

 

 死柄木も、AFOもいなくなったこの日本。その京都は桂駐屯地で……大戦と遜色ない規模の戦闘が今起ころうとしていた。




『守護神ヒーロー マインハート』
本名 橇曳心(そりひきこころ)
年齢 24歳
cv.川澄綾子
ヒーロービルボードチャート556位

身長2mを超える、巨大かつグラマーな大和撫子。ヨロイムシャ事務所のサイドキックにして『元ヨロイムシャ四剣士』の一人……なのだが、ヨロイムシャから与えられたのは刀では無く『長巻』で、それを愛用に大鎧甲冑を纏って戦う女性ヒーロー!!豪快奔放のパワータイプで高潔なる戦乙女で、地元のアイドルの様に慕われている。

個性は『馬(重馬種:ペルシュロン)』その肉体に重馬種由来のパワーと、それに見合った巨大な肉体を操り、ヴィラン達を粉砕し、人々を守る盾となる正しく守護神だ!!

名前の元ネタはばんえい競馬の名馬『オレノココロ』である(あちらは牡馬、オスであるが……)
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