※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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383話 ヨロイムシャ、その個性の秘密 下

 個性『見切り』

 

 自身が目視した、敵意ある者が次に起こす行動を『視る』ことができる個性。ヨロイムシャ本人が言うには、敵意を向けて襲い来る相手の攻撃が、全て分かるらしい。

 

 所謂攻撃に対して限定された『未来視』とでも言うべきか、緑谷達の世代、さらにはその後の『第六世代』と呼称される子ども達に比べると、単純かつ強力とは呼べない個性だった。

 

「若い頃のヨロイムシャは、その個性を鍛え上げながら、ヒーロー制度がまだ無かった時代の日本でヴィジランテとして活躍、数々の伝説をこの京都で残し、ヒーロー制度が定まると正式にヒーローとなってトップヒーローとして名を刻んだ」

 

 緑谷は、ヨロイムシャ解説と共にスマホを弄ると、画像を切島達3人に向けて見せた。

 

「うわ!カッケー!!これ、若い頃のヨロイムシャ!?」

「そ、制度が始まりヒーローとして活動を始めた時代のね」

 

 画面に映る若き頃のヨロイムシャに、切島は唸った。所謂『男が惚れる男』というタイプで、若々しさと覇気を醸し出す姿がそこにあった。

 

「美形というか、精悍な顔つきだ……」

「そうだね……ところで、何か気付かない?3人とも」

「え?何が?」

 

 確かに若いが、緑谷が言いたいのはそうじゃ無いと言う。何が言いたいのかと尋ねる葉隠に、緑谷は一度画面を戻して今の、老齢のヨロイムシャの写真を見せた。

 

「年齢もそうだけど、違いがあるんだよね、明確な……」

「え?鎧が違うけど……」

「そう、鎧が違う……」

 

 若いヨロイムシャと、最近までのヨロイムシャ、年齢以外に違う物がありそれは『鎧』である……年代も変わればヒーロースーツも変わるだろと当たり前な事を言う緑谷に、芦戸が首を傾げると……違和感に切島が気付いた。

 

「あれ……いや……おかしくねぇか?若い頃のヨロイムシャの鎧……軽装じゃね?」

「お、気付いたね切島くん」

 

 若いヨロイムシャと、引退直前のヨロイムシャ。どちらもヒーロースーツの鎧を着ているが、その鎧は『若い頃』は軽装かつ動きやすさが見て取れた。

 

 しかし、引退直前の方がより重厚な作りとなっていて、切島は『普通逆じゃないか?』と、首を傾げた。

 

「普通なら……老いたら力も弱くなって軽い鎧にするんじゃないのかな」

 

 若い頃より重厚な鎧を着ている引退直前のヨロイムシャに、何故時代を重ねるとより重い鎧になっているのか、その疑問を葉隠が呟けばこれも緑谷が答えた。

 

「逆だよ、せざるを得なかった……何故なら、個性に対して老いた体が追いつかなくなって、避ける事が出来なくなっていったからだ」

 

 緑谷は語る。何故、ヨロイムシャの鎧が歳を経る事に重装になっていったかを……また、若い頃のヨロイムシャの画像に切り替え、テーブルに置き、皆に見える様にしながら語り出した。

 

「そもそも、若い頃のヨロイムシャの戦闘スタイルは、相手の攻撃を個性で見切りつつ、カウンターで斬りかかると言うスタイルだったんだ、回避に特化してしかもカウンターだから防ぎようがない……話でしか聞いた事ないけどそれは鋭く、流麗な剣術だったらしい」

 

 戦い方からまず、若いヨロイムシャは違ったのだと緑谷は語る。所謂回避からの反撃、カウンター特化の剣術、だからこそ身動きを取りやすい軽装の鎧を着ていたのだと。

 

「ヨロイムシャが、今の今まで第一線で活躍できた理由がそれ、回避と防御特化の立ち回りは、大怪我無く負傷も少なく……それだけダメージも無いからあの群訝まで戦えてこれた」

 

 その戦い方が、長期のヒーロー活動を支えた。負傷がなければ、ダメージ蓄積も無く、後遺症も無ければ前線で活躍できる期間も長かった。中年にさしかかったヒーローが衰え、傷の治りの遅さから引退をする中で、ヨロイムシャは戦い方で長い活躍の場を得ていたのだ。

 

「しかし、年齢による肉体の衰えはどうしても来る、目で見えていても身体の回避が間に合わないと気付いたヨロイムシャは……防御からの反撃というスタイルの為、より重厚な作りの鎧を作らせ、考え……今の姿になった……会見さ、僕も後で見返したけど……大怪我してなかったよね、あのギガントマキアの通過した場所に居ながら」

 

 今の姿は、本来の全盛期の戦い方から変えていった果てにたどり着いた姿であり、その研ぎ澄まして来た個性、経験があったが故に、あの群訝の戦いとギガントマキアに巻き込まれながら、怪我も無い姿で引退していたのを緑谷に説明され、3人は確かにと納得した。

 

「恐ろしいのはさ……衰えてなお強かったんだヨロイムシャは……全盛期なんて想像できない、たった一人で京都を守り抜いた、守り抜けてしまうほどヨロイムシャは強かったんだ……それが個性由来じゃない剣術、いや、武芸百般と言うのか、過去のヨロイムシャは様々な武器術に精通した、現代に蘇った武士とまで言われていた」

 

 引退直後ですら、過去からの人気含めてチャート10位内に入る実力をキープしていたヨロイムシャ、その全盛期はたった一人でこの京都を『守り抜けてしまう』ほど強かったらしい、オールマイトが『日本の平和の象徴』ならば、ヨロイムシャは正しく『京都の守護神』だと伝えられたと聞くと、緑谷は語った。

 

「その強さを語る上で、外せない伝説は……やはり"清水の決闘"だろうね」

「清水の決闘……」

「一体どんな伝説なんだ、緑谷」

「教えてよ、緑谷!」

 

 その全盛期ヨロイムシャの強さを語る上で外せない伝説に、葉隠、切島、芦戸がが気になると、疲れも忘れテーブルを前のめりに越えそうになりながら興味を示した。

 

「なら、語ろう……かつての具足ヒーローヨロイムシャ、いや!剣術ヒーローヨロイムシャの伝説を!」

 

 そうして緑谷はヒーロースーツを翻せば、床に何やら机が置かれて和装に瞬時に早替わりして、扇子でパンパン!と机を叩いたのだった。

 

「これは!講釈師!大流米亭緑谷だ!!」

 

 緑谷七変化が一つ『講釈師、大流米亭緑谷』となり、その姿に切島が興奮した。一体どこから衣装や机は出したのかは秘密である。

 

 緑谷はさぁさぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃいと、3人に傾聴促すや、語り始めたのであった。

 

「今は数十年前……未だ個性が異能と呼ばれた、超常黎明期の話でぇございます」




・講釈師 大流米亭緑谷

緑谷七変化の一人、読み方は(おおるまいていみどりや)、様々なヒーローたちの伝説を講釈する真打講釈師である!



セキアカオリジナルヒーローファイル!!

『軟体ヒーロー ジェリーグルー』
本名 滑野久次(なめのひさつぐ)
年齢 24歳
cv 土田大
ヒーロービルボードチャート328位

 青髪の少しばかり老けた顔な、落ち着きある男性ヒーロー。元ヨロイムシャサイドキックであり『ヨロイムシャ四剣士』の一人。引退までヨロイムシャのサイドキックであったが、彼自身も独立できるくらいには副業で稼いでいて、どちらにしてもやっていけたヒーローだったりする。

 個性は『ジェルボディ』肉体がさながら『ジェルを閉じ込めた袋』の様な柔らかさを持つ特異体質な個性で、打撃や衝撃を吸収する。それ故に軟体で、人の稼働の域を超えた動きや体勢が可能。ただし、斬撃は通る。

 この自身の個性を解析し、作り上げた物質が、日本の建築における耐震素材として売れており、その特許料が入ってくる為羽振りがいい。その為『副業ヒーロー』を自称していたりする。

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