【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
清水の舞台にて、かつての伝説をなぞるように、イズクと二代目ホウガンが激突する!床を踏みだし駆け出す緑谷に、鞍馬は羽根を羽ばたかせ、風邪を起こし、切れ味鋭い羽根を緑谷に放った!
「っらぁああ!!」
アームブレードを振り抜き、それらを弾き、跳躍した緑谷!猛獣のように飛びかかって伸ばす手に、離れようとした鞍馬であったがーー。
「くっ!?」
首元から引き寄せられ、その手に並ならぬ殺気と、この少年の持つ『個性』から戦慄してーー刀を思い切り振り上げ斬りかかる!
その首を、頭を掴めば、問答無用に殺害せしめる個性『脊髄ぶっこ抜き』!知らない鞍馬では無い!切り上げられた刀を、宙でアームブレードにて弾きながら、二人はそのまま清水の舞台に落下した!
刹那、互いが互いの体を蹴り、舞台の床を滑るやそのまま立ち上がり、即座にまた踏み込む!
「しゃあっつ!」
「応っっ!!」
月照らす清水の舞台で、鳴り響く金属のぶつかり合い、擦れる音。そして明滅する火花、鞍馬の授かった刀、そして緑谷のアームブレードが打ち合いとなった。
「しゅぁあ!」
「くっ!?」
弾くや否や、鞍馬が身体を駒のように回して横へ振り抜けば、緑谷の顔を薄くも横一文字に斬りつけ!
「はぁあ!」
「ぐぁあ!?ああ!!」
すれ違い様に緑谷の振るったアームブレードが、鞍馬の鴉羽根の左翼に切り傷をつけ、羽が舞い散る!
「Get Over Here!(こっちに来い!)」
背後に回り込んだも束の間、袖口に仕込んだ鎖苦無を投げつけた緑谷!それが鞍馬の刀の刀身、鍔近くに巻き付けばーーギリギリと互いに引き合う形となった!
「それがどうしたぁ!」
だが、即座に鞍馬が踏み込む!自ら鎖を掴みながら踏み込み、緑谷の首に目掛け刀を振り抜く!
「っちぃいい!?」
これには緑谷、袖の留め具を外し鎖苦無を手放し、間合いから逃れた!
打ち合いの中で実感する……個性云々では無い……ただ、この鞍馬天翔の剣術の練度が凄まじい!
様々なヴィランと戦い、超えてきた緑谷……しかし、どのヴィランも強大な個性を全面に押し出す戦い方をしてきた。
しかし、この鞍馬天翔は違う!剣術の、武術の強さと言う、未体験の、また違う力に緑谷は戦慄した。
「すまないが……大人気ない事させてもらうぞ、二代目ホウガン!!」
ヒーロースーツのコートを翻し、懐から緑谷は父から渡された『ヒーローガジェット』を引き抜き、それを向けた!
『ヴィラン・ハント』
中折れ単発式の銃型ガジェット、ワイヤーを発射する機構も備えたグラップルシューターを向けて、流石に鞍馬は目を見開いた!
「それがヒーローのザマかぁ!?」
ここに来て銃を取り出すか、だが!それが通用するかと怒る鞍馬に、緑谷は迷わず引き金を引いた。
放たれた銃弾ーー鞍馬は弾道から避ける事も、羽根で防ぐことも可能だった!しかし、鞍馬もまた若かった、その程度が何だと刀を振りかぶりーーそして、見事に向かって来た弾丸を両断した瞬間。
「うわッ!?」
視界が真っ白に塗りつぶされた!鞍馬が切ったのは、閃光弾だったのである!
「目眩しなど!?」
目をくらませた程度、何になる!足音を聞けばと耳を凝らす鞍馬だったがーーそれすら聞こえない白闇の中、やれる事はと首を守るために顔面に腕を交差した瞬間ーー。
ミチリ、と……背部から、何かが自らの身体より引き剥がされる感覚と音がした。
「しまっーー」
「っだぁらぁぉああああああ!!」
緑谷は、自らを空に引き寄せて、鞍馬の頭上を音も無く飛翔!そしてーー掴んだのは……その鴉の翼!!両翼を鷲掴みにし着地した緑谷は、力任せにそれを引いてーー翼は根本より引きちぎられたのであった!!
「ぐぁぁあぁああああああああ!!」
絶叫する鞍馬天翔こと、二代目ホウガン……背中の翼の根本より血を流し、のたうち回る様を見下ろし、緑谷は引きちぎった翼を、床に投げ捨てた。
「ここまでだ、二代目ホウガン……悪いけど、あなた強いからさ、こうでもしないと勝てなかった」
あのまま正直に戦っていたら、自分が負けていた。そう緑谷は、のたうち回る鞍馬に言い放ち、ヴィラン・ハントを懐にしまった。