【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
ヒーローズチップ!!
それは、このヒーロー社会を生きる子ども達、特に男子ならば買わなかったことは無いだろう不動の人気を持つお菓子!小さな袋のポテトチップスの中に一枚!ヒーローのカードがオマケで入ったお菓子である!
ヒーロー達にとっては、このヒーローズチップの『おまけカード』に採用される事は一種のステータスとなっている!ヒーロー社会崩壊前ならば『ノーマルカードとして採用される事すら難しい』と言われていた!
そのパッケージは、オールマイトがNo.1ヒーローとなってから引退した現在も、オールマイトがじゃがいもを持ったパッケージとして変わらずそのままである!
余談だが……全国で通常販売されている物だけでなく『ご当地ヒーロー』をピックアップしたご当地ヒーローズチップも存在し、かつてのミッドナイト(ネイキッド)のように、廃盤プレミア付きカードまで存在するため……フルコンプリートは実質『不可能』とまで言われているコレクターアイテムだったりするのだ!(説明:プレゼント・マイク)
「雄英高校だけではありません、この大戦で関わり戦ったヒーロー科の学生達にですね、少しでも労う事ができればと、今回は世界に一枚だけのヒーローカードをお作りさせていただき、皆様にお渡しさせていただきたく思います」
大戦を戦い抜いた学徒達への労い、皆が皆最大の危機へ立ち向かったヒーロー達への活躍に応えたいと幌尻さんは語った。
「やっべー!!しっかりカッコよく撮ってもらわねぇと!!」
「どんな感じにしてもらおう!?」
いずれ大人になれば、ヒーローとして活躍したらあり得たかもしれない未来の先取りをここで!A組は流石に興奮が収まらず、相澤先生もここは流石に、言葉を荒げなかった。
「まぁ気持ちは分かるが、そろそろ静かにしようか?」
諭すように言われては、A組は統率が取れた様子で一気に静粛した。
「では各自、ヒーロースーツに着替えた後幌尻さんの指示の下撮影に移る、迅速にな」
こうして、一時の平穏である撮影会が始まった。
ヒーローズチップのカードは、意外にもシンプルだ。
ポージングしたヒーローを中心に、上に名を、下にはヒーローの異名とレアカードランクが刻まれる。そして裏面にはそのヒーローの名前や本名、個性、そして説明文が記されるのだ。
「今回はメモリアルカード、豪勢にキミらの活躍する姿、躍動感、ありたい姿に応えたいと思う!校長先生からグラウンドβの使用許可を頂いた!派手なアクションが望みなら是非ともやってみて欲しい!」
メモリアルカードとなる以上、君たちの思い描く一枚のカードを作りたい!幌尻さんの熱意にヒーロースーツへ着替えた皆は、思い描くカードの為のポージング、シチュエーションを考えた。
緑谷も、さてどうしようかと京都の事変を超えてから初の、しかも課外授業にわくつかない訳もなく……どんなカードを作るのか思い描く。
「じゃあオイラから行かせてもらうぜ!」
そして早速、峰田が草案を描いたらしい紙を掲げて幌尻さんに持って行き出した。それを幌尻さんに見せた瞬間ーー。幌尻さんは少し難しい顔をした。
「う、うーん……確かに要望に応えたいのだけど、これヒーローカードだよ?」
この反応を見るからに、またやったなとなった緑谷は……。
「蛙吹さん」
「ケロ、この流れ久しぶりね緑谷ちゃんいつ以来かしら」
緑谷は蛙吹を呼び、峰田の背後へ共に近づくのだった。
「じゃあこれで撮影お願いするわ」
「んー!!んーー!?」
「えーっと……殺害の現場?」
グラウンドβ内に再現された、廃品加工業者、その中の油圧プレス機に、口を猿轡で封じられ手足を拘束された峰田が放り込まれ、泣きながら呻いていた。
「草案見たけどさぁ、キミヒーローの自覚ある峰田くん、今回はもう校舎から離れたからミンチマシーン無いから油圧プレスがあってよかったよ!」
峰田くんは、かつての寮の部屋、そして文化祭の『学内ソープ』以来久々のやらかしにより、蛙吹と緑谷から制裁を受ける羽目になった。
「いやぁ……この流れ、A組の日常が戻ってきたのを感じるなぁ」
「こんな物騒な事が日常であるのか!?」
上鳴はしみじみと、日常が戻ってきたと頷くが、心操からしたらこんな日常があってたまるかとツッコミを入れざるを得なかった。
とはいえ流石に殺害の現場をカードにする訳にはいかず……峰田はいい感じに躍動的な写真をカードとする事になった。提案はした草案に関しては、いつも通り『見せる事すら、カードにする事すら憚れる』構図だった為、轟により焼却された。
さて、各々が好きなポージング、シチュエーションを撮り始めた中で、まだ緑谷は悩んでいた。
僕らしい構図か、オールマイトみたいにグッドサインは似合わないなと、皆が幌尻さんに撮られていく中、どうしたものかと考える。
「悩んでるの?緑谷くん」
悩む様を気取ったらしい、早いとこ決まって撮影は済んだ口田が緑谷に声をかけてきた。
「口田くん……いざ言われても中々決まらないものだね、何しろ……ヒーローカードに自分がなる事なんて、夢のまた夢と思ってたからさ」
「夢のまま……?」
「うん……雄英入学から、まだ夢を見てんじゃないかとね」
緑谷は頭を掻きながら口田に恥ずかしげに語る、自分がヒーローカードになるなどないと思っていた、妄想で終わると思っていたからだと。もう一年少し雄英に通い、仮免ヒーローになり、死戦すら抜けたこれらが夢景色じゃなかろうかと時に思うのだと。
「夢じゃないよ緑谷くん、僕らは雄英に入って、色々超えてきて、今ここに居るよ……」
口田は優しく笑いながら緑谷に、夢ではないと語った。
「そう言ってくれると助かる……しかし思いつかないや、口田くん……何かいい案は無いかな?」
「ええっ?唐突だなぁ……」
夢ではないと言ってくれた安堵に感謝する緑谷は、口田に尋ねてみた。いい構図やポージング、シチュエーションは無いかと……唐突に振られた口田だったが……あ、と彼は思いついたらしい緑谷に提案した。
「緑谷くん……背中を撮ってもらったら?」
「背中?」
口田の案に、緑谷は首を傾げた。
「その、僕もヒーローカード買ってたんだけど、大概のヒーローは真正面から姿を撮るんだ、アピールも兼ねて……けど、オールマイトやエンデヴァー……トップヒーロー達って、背中を見たら分かるし、観衆はその背中を見て安堵するって……その背中を見ただけで、そのヒーローが居る、来てくれたってなるって」
口田から理由を言われた緑谷は、それだ!!と目を見開いた。
「ありがとう口田くん、構図が一気に決まったよ!早速幌尻さんに撮影して貰うよ!」
緑谷は口田に礼を言い、幌尻の元へ向かった。
そして、構図を聞かれた幌尻は、顔が映らなくていいのかと確認したが、緑谷は構わず背中からの撮影をお願いした。
緑谷が選んだシチュエーションは、路地裏。
そこで一人背中を見せ佇むというシンプルな一枚で、煌びやかさも派手さもなかった。
だが……その背中が見せる威圧感、何より存在感は……ここに彼が居ると思わせる一枚だったと、撮影後の幌尻は語った。
以後、緑谷出久こと『イーヴルヒーロー イズク』は、プロとなってからヒーローズチップスのカードに採用された後も、必ず背中を見せ顔を見せない構図で撮影する事に自然となっていたのだった。
次回予告!!
大戦の地獄を超え、一時の安寧を得た僕たちの前に積み上げられた『必修科目』という現実。約3ヶ月の、高校二年で習うべき事。それは雄英高校だけでなく他の学校も同じだった。ヴィラン連合に備えた圧縮訓練と同様に、此度の夏開かれるのは『全国ヒーロー科合同勉強訓練合宿』という、ヒーロー科を集めての勉強訓練合宿!
そこで始まるのは新たな出会い?それとも災難?まさかまた、ヴィラン連合みたいな奴らが襲撃に……何だ?何で……『あいつの気配』がするんだ!?何でまた、僕の腰回りに『あのアザ』が浮かんでいるんだ!?
次回!!僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア二年生編
『合同訓練合宿と、新たなる"敵"』編
さらに向こうへ!プルス ウルトラ!!