【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
『イーヴル・ヒーロー、イズク』
それが、自らのヒーロー名。悪の個性を抱えて、それでも正義を成すと、ヒーローになると決意を込めた名前だと、緑谷出久はそう刻み込んだ。
そして……職場体験の話に戻る。先の体育祭のドラフト指名により、職場体験先も、うちに来てくれと個別指名が届いていた。一番多かったのが轟、次に爆豪……緑谷は活躍した筈なのに指名が0だったらしいが……様々な事情があるんだろう。
『お前の名誉と、背後の安全のため、やましい所の指名はカウントしてない、なにせ大半が、主に新宿2丁目からだがーー』
相澤先生から告げられた一言で、納得してしまった。あるのかよ、あそこにヒーロー事務所。いやあるか、犯罪の巣窟だし逆に……。とりあえず、無指名のため学校が用意した受け入れ先のヒーロー事務所を選ぶ事になった緑谷は、リストを眺めた。
「あ、そうだ緑谷」
「はい?」
そしてすぐに、相澤は緑谷を呼んで、リモコンを操作するや、壁に保管されてある緑谷のヒーロースーツがある所を開いた。
「放課後にヒーロースーツを持って、体育館γに来い」
「え?」
「二度は言わん」
「あ、はい!」
「待ってるわよ、イーヴル・ヒーロー?」
「はい!……うん?」
何故、ミッドナイト先生まで待つと言ったのか尋ねる前に2人は教室から出て行ってしまった。
「不穏だね、何かするのかな緑谷くんに」
「わざわざヒーロースーツまで出して居残りって、どうしたんだろうな?」
唐突な居残り指示、しかもヒーロースーツまで出して来た事に麗日と峰田が疑問を感じる中、兎にも角にも取り出しておかないととスライドされ開いた保管庫から、緑谷はヒーロースーツのケースを取り出した。
雨上がりの道を歩いて、体育館γへ向かう緑谷は、ふと誰かに見られてるようなと辺りを見まわした。誰もいない、気配もない、ただ視線は感じて違和感が酷いと、謎を抱えたまま相澤の指示通り体育館γに到着した。
「えっと……来ました」
入り口を遮るように、相澤先生は立っていた。まるで……通さないと、行かせはしないと言いたげだ。
「あの……」
「今なら……帰れるぞ、帰っても誰も言わない、それで内申が落ちたりはしない」
最後通告だ、雰囲気でわかる、それだけの事がこの先にあると言いたげだ……緑谷は気を引き締めて相澤先生に言った。
「行きます、その先に」
「分かった……地獄を見るぞ」
体育館γの入り口が開かれ、足を踏み入れる。
そこには……校長を含めた雄英高校に所属するヒーロー教師陣が並んでいた。