【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
日本国内13ヵ所、文部科学省所轄の『国立青少年交流の家』と呼ばれる施設は『体験活動を通した青少年の自立』による、様々な体験活動を行うための団体宿泊訓練施設である。
その中でも、此度用意された『国立中央青少年交流の家 富士のさと』は、日本で初めて開かれた歴史ある交流の家である。富士山の麓に建てられたこの施設では、いわゆる体験学習や……大学サークルの合宿等にも使用されており、幅広い利用に対応している。
その交流の家、他にも同様の施設を全国で利用して、ヒーロー科が合同勉強、訓練合宿を行う事になった。
なお、これはあくまで『授業停止で遅れた範囲を、合宿で取り戻す方向で決めた全国ヒーロー科を要する高校が合致した』からできた事であり、一般的な学校の方針は授業補填で卒業を先延ばしにしたのが大半である。
先急ぐ理由としては、かつてのヒーロー飽和社会から一転したヒーロー不足だろう。
大戦を超えて、後ろ指を刺されようと再びスーツを纏い復活したヒーローも居るが、それでも数はまだ少なく……早急に人員を増やしたいヒーロー公安委員会の現会長、ホークスの判断という事になる。
何しろ、辞めたヒーローもだが……群訝山荘以降、大戦を超えてから……ヒーローへ憧れを持つ者達が著しく減ったのも事実。しばらくはヒーロー科が定員割れなんてあるだろうし、聞けば授業停止中に一浪を承知で辞退してまでヒーロー科入学を諦めた、辞めさせられた子も居るらしい。
そんな最中、新たなヒーローの早期育成、投入を急ぐためにこのプロジェクトを決めたという事だ。
雄英高校二年団は、遠出とまではならない県内にはなるが、交流の家までバスによって向かう事となった。なお、相澤先生からーー。
『1ヶ月以上の長期合宿の為、各自万全の準備で臨む事、特に上鳴や八百万の個性に頼る等無いよう、各自準備を怠らないように』と告げられた。
夏休みが始まる7月20日……各自準備をしっかり済ませて、雄英高校から出発ーー。一ヶ月の、他校ヒーロー科との共同訓練勉強合宿が幕を開いた。
「おい見ろよ瀬呂!あれ富士山だよな!?雪かかってねぇのは初めて見たかもしれねぇ!」
「本当だ……てか、白い部分まだあるけど……あれまさか雪なのか?」
「いやいや、今夏っしょ?雪なんかある訳なくね?雲とか……白い地層的な奴じゃね?」
バスから降りて荷物を荷台から取りながら、切島が入り口の門の前から見える、日本人ならば知らない者は居ないその山を見て、指差し驚いた。
所謂夏富士、雪のかからない富士山が、この入り口から見えるとは、景色もいいなと語る中、ふとまだ白い部分があり、夏にまだ雪が残るのかと瀬呂が首を傾げ、上鳴がそんなまさかと笑った。
「富士の雪が溶けるのは9月終わりだ、この夏でも標高が高ぇから、雪が残んのは不思議でもねぇよ」
が、ここで意外な人物が、雪は残ると3人に言い放つ。爆豪勝己であった……しかし彼がその答えを出せた理由もしっかり存在していた。
「おぉ!そう言や爆豪って登山が趣味って言ってたよな!て事は富士山ももう登頂済みか!?」
「2回登ったわ、だいたいこの時期が1番登りやすい」
爆豪は登山を趣味としていたのだ、その理由がまさか『有象無象を見下ろす感覚がたまらない』からと、捻じ曲がった理由だとは知らない。
「緑谷も確か富士山に登ったと、去年言ってなかったか?」
荷物を下ろした障子が、切島達の話を聞いたらしい、近くに居た緑谷に富士山を登った話をしてなかったかと思い出し尋ねた。
「いや違うよ障子くん、僕は富士樹海で山籠りしたってだけで登山はしてないよ……自衛隊の訓練と鉢合わせした時はびっくりしたなぁ」
爆豪は登山、僕は山籠り、山頂までは登っていないと緑谷は訂正した。さて、そんな登山や山籠り、という話を聞いてから峰田がある事を想像してしまって口に出した。
「待てよ、確か合同勉強"訓練"合宿だったよな……」
「それがどうしたんだ……?」
一体何に気付いたんだ峰田、砂藤の問いに峰田が声を上げた
「オイラ達まさか、勉強の合間に富士登山とか訓練でやらされんのか!?」
それを聞いた雄英二年A組が、ああ、あり得るやもという面々、そしてマジかよと唖然とする面々で別れた。
「んなわけあるか、いくらヒーロー科の訓練でもそんなのやらせたら管理責任問われるわ、せいぜいハイキングコースを行軍だわ、山舐めとんのかブドウ頭」
ここも爆豪、冷静に口悪く否定した。登山経験も装備も無い学生をいきなり富士山に登らせるとかいくら個性持ちヒーロー科でも責任問われるわと。山を知る彼がいうから全員ほっとした。
「何してる、荷物持ったらさっさと行け、私語をする暇があるのか?」
流石に長々と話しすぎた、相澤先生から非効率的だと指摘されて、雄英二年A組はさっさと青少年の家の門をくぐった。