※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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※ヒーローの出身校に関しましては、この二次創作オリジナルとなりますので、勘違いなさらない様にお願いいたします。


403話 集いし四校

 国立中央青少年交流の家『富士のさと』その敷地は、東京ドームのおよそ3.8倍だと言う。

 

 その広大な敷地に、宿泊施設があり、さらにはキャンプ体験ができるキャンプ場。研修や授業、会議に使える研修棟から講堂。

 

 さらに、野球ができる敷地、徒競走トラック、テニスコート……グラウンドゴルフやディスクゴルフのコートまで備わっている。あらゆる体験による、青少年の育成から、新入社員の研修にこの施設は使われるのだ。

 

 基本は利用しても1〜2泊程度らしいこの場所を、一ヶ月近くも全国のヒーロー科を集めての勉強合宿に利用を許した文部科学省は、中々太っ腹なのかもしれない。それを全国の同じ青少年の家で、同時に行われるのだからヒーロー科の授業進行を余程取り戻したい事が伺える。

 

 雄英高校の二年団の到着は、意外にも一番最初だった様で、施設職員が出迎えに来てくれた。

 

「雄英高校の皆様、引率の先生方々、本日からはよろしくお願いします」

「今回の合宿での施設利用をお許しいただき、誠にありがとうございます」

「本日からよろしくお願いいたします」

 

 相澤先生、そしてB組の担任を引き続き行う事になったブラドキング先生こと『管赤慈郎』先生が、施設職員と挨拶を交わす。

 

 正門を超えて敷地内へ入り、青年群像というこの施設のモニュメントを超えた先の広場『かんぽ ラジオ体操広場』にて雄英ヒーロー科一同は一時待機する事になった。

 

「おう緑谷、切島!京都では大変だったな!事件も解決して良かったぜ!」

 

 合流を兼ねて待つ中、B組の鉄哲徹鐵が緑谷と切島に声をかけてきた。京都での一件、途中から救援で来てくれた一人でもあり、二代目ホウガン、鴉天狗衆事件でも活躍した彼は、笑顔で互いの活動を労った。

 

「鉄哲くん、いや本当……途中から来てくれて有り難かったよ」

「まだまだ不安も広がってるし、俺らがこんなふうに普通の授業を受けていいのかってなっちまうな」

 

 京都での復興活動に従事し超えて来た者同士、語らいあう。そうしてしばらく雄英だけで話をしていれば、今回勉学と生活を共にする者達らしい者達が歩いて来た。

 

「あら?あのブレザーって……」

 

 ゾロゾロと歩いて来たブレザー服の男女、約20名程か……雄英のA組は見覚えがあり、蛙吹がもしやと気付いて……数人は、当時の情景を思い出した。

 

「雄英の皆さん、お久しぶりです!」

「そ、その節は本当に、申し訳ありませんでした」

 

 眼鏡をかけた銀髪の少女が一礼し、隣の小太りな茶髪の男子は恐る恐ると頭を下げてーー。

 

「よお、また会ったな不良上がり」

「また会えたね!梅雨ちゃん!」

 

 水色紙に一重の猫背な少年が爆豪を見るや顔を歪め、蛇がそのまま人間の手足を持った異形の女子が、即座に蛙吸の名を呼び駆け寄った。

 

 彼らは『勇学園』のヒーロー科生徒、かつて雄英のヒーロー実習に参加した他校生であり、その内の4名もまた同じ学年かつ、この場にて再開したのである!

 

 クラス委員長を務める銀髪の女子『赤外可視子』!個性は『赤外線』!赤外線を見れる目を持つ!

 

 汗かきで気弱な小太りの男子『多弾打弾』!個性は『ミサイル』!汗を原料としたミサイルを生成して発射できる!

 

 蛇の異形の少女であり、蛙吹梅雨の中学時代の親友『万偶数羽生子』個性は『弛緩』!その目を見た者は、3秒間身体の力が抜けて動けなくなる!

 

 そして青髪の、爆豪に突っかかった少年『藤見露召呂』!個性は『ゾンビウイルス』!感染した者をゾンビ化させるウイルスガスを操る!

 

 彼らとは一年の時に訓練実習を行い……色々あったのだった。特に━━。

 

「……テメェは変わってねぇんだな」

 

 爆豪と藤見は、互いに出会ってから気に入らない同士だった、実習の時も対抗意識を剥き出していた者同士……なのだが……いざ再会すれば睨み合うと思われたが、爆豪はしっかりと藤見の目を見てそう言った。

 

「こら!藤見!まったく出会って早々貴方は━━」

「作戦の中心で戦って活躍したみてぇだが、俺はテメェを認めちゃいねぇ!ただ少し関わってカメラに写っただけだ、そこんとこ忘れるんじゃねぇぞ!」

 

 藤見の言葉に、雄英一同が凍りついた。

 

 こいつは、爆豪の何を知っているんだと。死柄木との戦い、死にかけた事、命を賭してあの渦中をプロヒーローと共に戦った事を、全て、馬鹿にする様な発言は……雄英一同、B組すらも聞き捨てならぬとなって━━。

 

「やめろ出久」

「!!?」

 

 既に手が、眼差しが、全てが藤見露召呂を許すまじと緑谷がなっていたのに、見ずとも爆豪は気づいて、わざわざまだリハビリ中で不自由な右手を出して制した。

 

「そうだな……俺はただ、プロ達に混じってダメージ稼いでただけだ……運良くそれをカメラが捉えてた、他にも……様々な場所で戦ってたヒーローの先輩達や、同じ仮免で戦ってくれた奴らの一人でしかねぇよ俺も、お前も……」

「は……?」

「場所は違うかもしれねぇ、だが、あの作戦に関わり戦ったヒーローの活躍に優劣はねぇよ、誰かが欠けりゃ負けてた……そんな戦いだったんだ」

 

 毅然として、爆豪は藤見を諭す様に、彼の悪言すら受け止め認めながら、あの戦いにプロも仮免も、どの場所で戦っていたから優劣は無いと言い切ったのだ。

 

 その代わりよう、態度に藤見は何も言えなくなった。勝負ありだ、ヒーローとしても、人間としても、この弁舌だけで格がもう決まってしまった。藤見は言い返せず、すごすご下がるしかなかった。

 

「爆豪、変わったんだな……すげぇや」

「一度死んだから、生まれ変わった……とか?」

 

 まさかの喧嘩にならず追い返した様に、純粋にすげぇと口から出た峰田。緑谷は、あの天空の棺で死を彷徨い、エッジショットに命を救われたから、さらに一歩進んだのかもしれないと、幼馴染の成長に胸が高鳴った━━。

 

 が、振り返った爆豪を、A組一同、B組すらも見て、前言撤回せざるを得なくなった。

 

「あぁんの陰険野郎っっ!心臓回復したらハウザー叩き込んだらぁっっ……!!」

 

 歯軋りして目を吊り上げ怒りを溜め込む様に、雄英一同は……ただ全快じゃないから見逃して弁舌で打ち負かしただけだと知り、肩を落とすのだった。

 

 そんないざこざを経て、次のバスが到着して、生徒たちが降りてくるや━━。

 

「うぉおお!?女子ばっかりしか居ない!!」

「女子校だ!!お嬢様学校だ!!」

 

 バスから降りてなお、皆一列に行進する格式高さが見える事に、上鳴と峰田が大興奮!こちらも20名ほどの、全員女子の生徒を引き連れ、引率の教員らしき人物が、施設職員に頭を下げた。

 

「大変お待たせいたしました、聖愛学院ヒーロー科二年団、只今到着いたしました」

 

『聖愛学院』

 

『東の"雄英"西の"士傑"』という、日本のヒーロー科の名門を指し示す言葉の続きがある。

 

『女子に"聖愛"あり』と。

 

 女子ヒーロー科の名門を、この聖愛学院とする事もあるという。OGとしては、リューキュウ、ウワバミ、バブルガールが有名である。

 

「お、おいおい待てよ、つーことは……あんな可憐なお嬢様達と俺ら!一ヶ月同じ屋根の下なわけぇ!?」

「やべーよおいら興奮でどうにかなっちまいーー」

 

 もうこの時点で上鳴と峰田の興奮具合はマックスであったが━━それを許す我らが雄英高校A組担任なわけがなかった。

 

「分かっていると思うが……もしもこの勉強合宿中に問題なぞ起こそうものなら……除籍すらあり得ると思えよお前ら」

 

 A組に戦慄走る!片目を失った事で、余計に凄みを増した相澤先生の眼光!この場で問題を起こす事は、雄英の看板に泥を塗る事だと、雄英の代表でもある事を忘れるなと改めて突きつけられた。

 

「特に峰田、もしも普段みたいな素行を行おうというなら覚悟してもらう、最悪神野のオールマイト広場で腹を切ってもらうからな」

「なんでオイラだけ!?」

 

 峰田だけ重点的に注意されたが、それは納得せざるを得ない。しかし、オールマイト広場で腹切りとは……何処かで聞いた事あるなと緑谷は首を傾げた。

 

 さて、これで雄英、勇、聖愛と3校がこの地に集ったが……さらにまた違うバスが到着して、バスから降りて来たのは、特徴は見当たらない普通の詰襟にセーラー服で、雄英と同じ40名が向かって来た。

 

「どこの高校だ?」

「いや、見たことねぇな……」

 

 瀬呂も、轟も、知らない制服だなと近づいてくる生徒たちを見て呟く。

 

 緑谷も、見知らぬ高校だ━━となったが、彼らを引率する、杖をついた老練さが見えるスーツの老紳士を見て……目を見開いた。

 

「あの顔……まさか……!」

「何々!?知ってんのか緑谷!!」

 

 緑谷のヒーローセンサーが反応し、頭のデータ図書館に検索がかかり、そして間違いないと断定した時には、その老紳士はくしゃりと笑って、職員に頭を下げて挨拶した。

 

「どぉやらぁ、最後になってしまったぁみたいですなぁ……誠刃高校ヒーロー科二年団40名、推参いたし、ましたぁ……」

 

 最後に現れたのは『誠刃高校』という学校だった。そして、緑谷は━━その老紳士を見て間違いないとその名を呼んだ。

 

「超忍ヒーロー、ブレイドコンドル……!初めて見た……!!」

「おや、私の名を知る子がこの時代にぃまだ居るとはぁ……嬉しい事もあるものだねぇ……今はヒーローを辞めて、誠刃高校の校長、姫鷹志鬼と名乗ってるよ」

 

 緑谷の呟きを聞いた老紳士は、嬉しそうに語るのであった。

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