【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
雄英高校
勇学園
聖愛学院
誠刃高校
此度、この四校のヒーロー科を擁する学校の、二年団が、富士山麓の由緒ある、青少年交流の家集まった。そんな四つの学校が、一つの場所に集まれば何も起こらない筈は━━。
「えーそれではですね、皆さんお手元に時間割、お配りしましたのでよく確認するように!授業内容の変更等ありましたら、随時宿泊施設の掲示板に連絡しますのでよろしくお願いします」
何も……起こらなかった。
それこそ勇学園の藤見が、爆豪に突っかかっただけな程度であった。そもそもヒーローを目指す善性の人間が大半なのだから、キビキビ行動が当たり前だ。生徒たちは入所式の後、まずは施設内の講堂に集まり、それぞれの学校で座席に座り、今回の勉強合宿の時間割が配られた。
全四校、引率以外にも授業担当の教師陣のヒーローがついてきており、それぞれが教科を受け持ち授業をする事になっている。
生徒たちに渡された、明日から始まる授業日程は以下の通りだった。
6:00〜7:00 起床および宿泊室清掃
7:00〜7:30 朝の集い
7:30〜8:20 朝食
8:30〜9:20 1時間目
9:30〜10:20 2時間目
10:30〜11:20 3時間目
11:30〜12:20 4時間目
12:20〜13:20 昼食及び昼休み
13:30〜14:20 5時間目
14:30〜15:20 6時間目
15:30〜16:20 7時間目
16:30〜17:00 小休憩及び実習準備
17:00〜17:30 夕べの集い
17:30〜18:20夕食
18:30〜20:30ヒーロー訓練実習(もしくは自習時間)
20:30〜22:00 入浴及び自由時間
22:00〜 消灯
「本当に勉強ばかりで新鮮だ……」
「本当、あくまで勉強合宿って感じだな」
雄英の面々からはそんな声が上がる。
AFOやヴィラン連合の事件の渦中にあった雄英高校は、圧縮訓練や先んじての仮免取得、ヒーローとしてその強さを身につけながら寮生活で授業日程を詰め合わせたが、それでもここまで勉強漬けは初めてだった。
それは他の学校も同じらしく、ヒーロー訓練実習は授業の一割程度となっており物足りなくなるかもしれない。来る9月の仮免試験を受ける者からしたら、もう少し個性伸ばしやヒーロー訓練を行いたい者がいるらしく、そんな呟きも緑谷は聞いた。
この合同合宿が、あくまで『勉強』に重きを置いて、授業停止中の内容を一気に取り戻す為のものだと言う事が見て分かった。
「この中には9月の仮免試験を目指す生徒も居ると思いますが、その生徒には土曜の午後、日曜全日で個性伸ばしや対策訓練が出来るようにさせていただきます!また、日曜日基本休日として、御殿場駅のシャトルバスを出すので、日用品の買い出し等にご利用ください!くれぐれも、ヒーロー科学生として、近隣住民に迷惑をかける事無いように!」
仮免対策のヒーロー訓練、自主練も土曜日午後から日曜日全日を使ってできるようにするらしい……そして施設へ閉じこもるだけで無く、地元の街へ休暇に繰り出すのも可能らしい。
「では最後に、先生団を代表して、誠刃高校校長、姫鷹志鬼校長からお話がございます!」
マイクを渡された姫鷹先生、ブレイドコンドルが咳払いをしてから、一言話をしようと口を開いた。
「あー、各学校の生徒諸く━━」
瞬間、どうやら立ち位置が悪かったらしい、スピーカーの声をマイクが拾いヒュリリリーン!とハウリングし、生徒や先生団も耳を塞いだ。
「……実を言うとぉ、わたくし……こうしてぇマイクインタビューで毎回アァクシデンツ起きちゃうんだよねぇ?現役時代もぉカァーメラ回ってなくてインタビューやぁり直させられたりぃ、学校でも校長の話をまぁともに終わった事なぃんだなぁこれが……」
姫鷹先生の現役時代と、今ですら毎回音声トラブルを起こして校長の話がまともに終わった試しが無いと語るや生徒たちが数人ほど笑ってしまった。
「いいのよ笑い話だぁからねぇ?むしろ、腹ぁ抱えて笑ってくれい……さぁて、きぃみたちは何の因果か、勉強のためにこうしてぇ一同に介したぁわけだぁが、こぉんな事を思っちゃいないだろうかぁ……どこそこの学校とは違う、あそこの学校にぃ負けてたぁまるか、あちらさんよりうちらのが格は上とか……」
爆豪と藤見には耳の痛い話で、少しばかりむすっとなった。勇学園との合同実習訓練にて、爆豪は藤見を三流高校とこき下ろし、藤見もまた爆豪を例に雄英も堕ちたと言い返したから。
「私は引退した身だがぁ、プロからすればどんぐりの背ぇくらべよ、有名ヒーロー科からヒーローになろうがぁ、埋もれて廃業するヒーローも居ればぁ、ヒーロー科じゃあなく大人になって免許取って活躍してるヒーローも居るぅ、シンリンカムイにMt.レディがいい例だなぁ?」
学校間における格上下のランク付けや差別なぞ、社会に出てヒーローになれば意味を為さぬ、結局は社会に出てヒーローとして活躍ができる実力があるか、違うかの話になると姫鷹先生は語る。
「オールマイトという平和の、ヒーローの象徴、個の強さをヒーローがぁ失い……ヴィラン犯罪は活性したぁ、AFOと死柄木を討ち果たした今もまだ、ヴィランの芽は出てくるばかりぃ……ここに集まり、同じ事を学ぶキミ達は等しくヒーローを目指す者達だぁ……そんな同輩達とぜひ交流し、仲を深め、切磋琢磨してぇ、次代のヒーローとなった時にはぁ、この日培った絆を持ってチームアップし、ヴィランとの戦いや災害救助に当たって欲しい……」
姫鷹先生の願い、学校の優劣に関係無く、やがて同じヒーローを目指す者達として互いに絆を深めてやがて社会に出て活動するときは、その絆を思い出し同輩として頑張って欲しい。その話に、誰かが拍手を始めれば、次々と拍手が上がり、やがては喝采となり講堂に鳴り響いた。
そして拍手が鳴り止むのを確認した姫鷹先生は、再びマイクに語りかけた。
「と、堅っ苦しい話はここまぁでよ」
「うん?」
厳粛な雰囲気だった姫鷹校長先生は、ニッカリ白い歯を見せて、この交流の家に集まった生徒たち、さらに教職員にも聞かせるようにおちゃらけながらも話を続けた。
「早速キミらにはね?仲良しこよしになって貰うためにね?先生、ポケッツマニー使って用意しちゃいました、今日の夕食はバーベキューでぇす、豚も牛も鳥も、あとしし肉やらシカもね用意しました、ガアァルズやベジタリアンに嬉しい野菜も沢山持ってきました……テメェら学生も教師ヒーローも!明日からの勉強地獄と仕事に備えてぇ!たぁらふく食って活力つけやぁがれ若人ぉ!!お残しは許しまへんでぇ!!」
その号令と、今夜はバーベキューパーティー決定という話に、これで沸き立たないのは失礼だろうと生徒たちは歓喜に打ち震えた。