※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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409話 要塞の女子宿舎 下

 アーミー・マチルダこと、黒薬麻知子は、男顔負けとばかりに3人の不埒者男子を、女子宿舎を隔てる茂みより、自身のトラップに引っかからないよう引きずり上げた。

 

「ふむ、勇から2人と誠刃から1人混成軍による侵入か……まぁ……これで手打ちとしよう、夜に女子とトランプやったりお話ししたり、修学旅行気分に喝を入れたという事でな?」

 

 スマホを見ながら誰が侵入したかを調べ上げ、誠刃と勇の生徒と分かり糾弾するかと思われたが、この罠にかかり気絶して痛い目を見たからそれで手打ちと彼女は慈悲を見せた。

 

 意外だ、ヒーローになる人間が不埒な、停学退学は覚悟しろ、くらい言いそうだと思ったのだ緑谷は。

 

「職員会議とかに出さないんですか?」

 

 だから、黒薬先生に緑谷は尋ねた、議題に出して注意喚起しないのかと。緑谷の質問に、黒薬は笑って語る。

 

「気持ちは分からんでもないからね、ただ……何をしにこの施設に来たのか理解をしてもらわないと、手痛い罰も彼らは受けたから、これはお終いだ」

 

 この子達が少し、お痛をする理由もまぁ分かる。そして彼らは罠に嵌り、痛い目を見たので反省するだろう。だから、これで沙汰は終わりだと彼女は3人の足を引きずろうとして……。

 

「せっかく駆けつけてくれたから手伝ってくれるかな?お利口な雄英男子諸君?」

「あ、はい」

「承知いたしました」

 

 女性が高校男児3人運ぶのは確かにきつい、緑谷達4人は勇学園、誠刃高校混成女子宿舎侵入部隊を抱え、医務室も兼ねた教員宿舎『あかまつ』へ向かうのだった。

 

 

 

「と、まぁ……さっきの爆破はそれだったんだ」

「女子の宿舎は要塞化していたのかい?ここの職員には許可取ってやっているの?」

「そのようですな、物間殿」

 

 あの爆音は、やはり何事だと各宿舎の学生も聞いていたらしい、あの後何人か様子を見に来ていた。

 

 雄英男子からも何人か来たが、事の次第を語り戻ったところで、自習室代わりの和室で待って爆豪とおとなしくしていた物間から、何があったのかと尋ねられたので緑谷は、女子宿舎の要塞化を語った。

 

「……実はさ、あの後ちょっと気になったからさ、上空から女子寮の周囲を見てみたんだよ」

「なにぃ!?ま、まさか緑谷お前、侵入経路を見つけたのか!?」

 

 その要塞化した女子宿舎、緑谷は少し魔が刺して、どこまで強固なセキュリティになっているのか上空偵察を試みたと言えば、峰田は即座に緑谷の事だから侵入経路を見つけたのかと食いついた。その話に、幾らかやはり雄英男子であれ気になるもの、聞き耳を立てる者が数人居た。

 

 峰田の期待とは裏腹に、緑谷は肩を下げて溜め息を吐いた。

 

「諦めた方がいいね、ここで殉職したくなければ……ってくらいセキュリティが凄まじい事が分かった」

 

 緑谷の語りに、峰田がガクリと意気消沈した。緑谷は写真は流石に倫理的にダメと撮影してなかった。しかし、自らの大学ノートとシャーペンを取り出して机に置くや、簡単な見取り図を書き始めた。

 

「まず、正面の玄関が唯一の入り口になってたけど、この左右にカメラがあった。多分顔認証のやつで、男子が入ったり許可してない人間が踏み入ったら警報が鳴る……どころか、セントリーガンも配備されてたかな」

「セントリーガン!?」

「過剰すぎんだろ……」

 

 セントリーガンとは、センサーにより検出された対象を自動的に攻撃する軍用兵器である。顔認証が通らなかったらそのセントリーガンにて蜂の巣にされるのだろう……。その話に峰田は唖然とし、爆豪も真顔でコメントを残した。

 

「で、周りを囲む植木の囲いにはブービートラップが仕掛けられていた、アーミー・マチルダ手製の恐ろしい、踏み入ったら絶対引っかかるようなのが、入り口以外の植木全てに仕掛けられていた」

 

 そして正面入り口以外の生垣、植木に仕掛けられたブービートラップ達、下手に無理やり超えたら、アーミー・マチルダのお手製爆弾により制裁されるのが目に見えた。

 

「キミは引き寄せで空から見たのなら、空から侵入できそうじゃあないのか?」

 

 と、話を聞いていた物間から、空を浮遊しながら確認できたならば、空から侵入できるのではと、疑問を投げかけられた。単に気になっただけ、決して自分も女子宿舎に行きたい気は無いが、そんなに厳重なのかと防犯の過剰さがやはり気にはなるようだ。

 

「それは多分最初に考えられてると思うよ?屋上にさ……戦闘機落とすみたいな対空砲台が三基設置されてたから」

「た、たいくう……ほうだい……」

「彼女らは防衛戦でも始める気なのかい……?」

 

 そして極め付けに、屋上に配備された対空砲台が飛行能力を持った個性持ちを撃ち落とす。その過剰なまでの防犯対策に、峰田は真っ白になり、物間は緑谷のジョークと疑いたかったが……眼差しが事実と理解してから笑いしか出なかった。

 

「チキショーー!お泊まり的な行事なら女子部屋にお邪魔するのは必須イベントだろ!?こんなのってねぇよ!?何とかならねぇのか緑谷ぁ!!」

「皆でトランプとか、マリ◯とかしてぇじゃん!?持ってきちまったよ俺!!総大将どうにかなんねぇのか!!」

 

 峰田は自らの欲望が叶わぬことを嘆き、途中聞いていたらしい上鳴まで多少はいい夢見てぇよと緑谷にどうにかならないのかと涙目で尋ねる。

 

 しかし━━ある一言で全てが決した。

 

「なぁ、仮に中入れたとして……歓迎されると思わねぇんだが?」

 

 轟焦凍の、非常なる冷たい絶対零度の現実的な言葉に、上鳴と峰田は凍りついた。

 

「だよねぇ、轟くん?用もなく侵入して女子宿舎に入ったとして?総勢60人近くの女子ヒーロー候補からボロ雑巾にされて、放り投げられるのがオチじゃない?」

 

 真っ当にその通りである。物間が侵入者へ女子達が向けるのは、歓迎ではなく暴力だろうよと悪どい笑顔を浮かべながら言えば、峰田と上鳴はしょんぼりするのだった。

 

「おいら達の桃色青春が……」

「一緒にトランプや夜更かしトークが……」

「キミらは何の為にこの合宿に来たんだね?」

「放っとけ委員長、自習時間が勿体無ぇ」

 

 そのまま2人揃い体操座りして、愚痴る様に飯田が呆れるが、爆豪は逐一相手しなくていいと、机のノートへ向かった。爆豪勝己、成績はA組トップ5の1人、予習復習しっかり欠かさず完璧に行う男であった。

 

 こうして、勉強合宿初日を皆は超えたのだった。

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