【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「いやぁ見事、まさかこちらの操作に割り込んでくるとは」
「ペットボトル1本の水でここまで、危なかったですよ、流石推薦候補」
「またまたぁ、耐えてたし落ち着いて対処してたじゃないですか」
握手をしながら、互いに個性を讃えあう緑谷と湧水に、周囲からも拍手が自然と出て来た。1分と少しの組み手ながらあまりに濃密な時間に、皆生唾を飲み目を離せなかった。
「見てるだけかぁ、しっかり他の学校の生徒と試しにやってみんさい、折角広い場所借りたんだから、ほらほら自分らも、時間は限られてるんだからね」
見るのも大事だが、見るだけでは駄目だと姫鷹先生が促せば、次々と2人だけや、4人でも、多人数でと試し合いのために申し込み、受けて、自由な組み手練習が始まった。
「つっても、あんなの見せられた後は萎縮しちまうよなぁ轟」
峰田も観戦していたが、逆にちょっと萎縮すると近場に居た轟へ尋ねる。
「あぁ、けど折角の機会だし、久々に身体も個性も使えるんだ、時間が惜しい」
同感だが、他校の同じヒーローを目指す強い個性を持った相手との交流の機会は惜しいと、轟はやる気を醸し出す。
「やる気出てんなぁ、オイラはとりあえず気楽に……」
対して峰田はあくまで気軽に怪我せずゆっくり……と考えていたのだが━━。
「そこの雄英男子の2人、私達とどう?」
ただ、ちょうど轟と峰田が近場で話をしていたから纏めて呼ばれた峰田は、その相手からの使命に、手のひら返しでやる気が湧き立った。
「もしよろしかったら、お手合わせいいですか?轟焦凍さん」
そこに立っていたのは、誠刃高校二年団、った2人の仮免持ちヒーロー『誠刃二輪花』の、花霞桜と花霞芙蓉姉妹だった。
薄桃色の、扇状的なくノ一装束を纏う花霞桜、そして紫色のピッタリとしたボディスーツの肉体のラインが強調された……サイバーSF忍者的な装いの花霞芙蓉の2人は、丁度2人で居たから好都合と、轟と峰田を誘うのだった。
「ああ構わね━━」
「うぉおお勿論だぜ!!轟!オイラ達のちからをみせてやろうぜ!!」
「い、いきなりやる気になったわねこのちっこいの」
轟が返事する前にやる気と興奮に鼻息荒く返事をした峰田に、芙蓉は少し引いてしまいながらも、組み手が決まるのであった。
「轟と峰田は誠刃のあの2人とか、俺らも相手を見つけねぇと」
「んのやろ峰田ぁ!ちゃっかり羨ましい美味しい思いしやがってからに!」
それを見ていた瀬呂、上鳴は相手を探そうと焦燥感、峰田がいい思いしかけた嫉妬に悔しがりを見せていた。まぁ次に相手をしてもらえる機会を狙うかとなる中で……この2人にも声をかける者が居た。
「テーピンヒーローセロファンさん、そしてスタンガンヒーローチャージズマさんですよね?」
2人はその声の方に顔を向ければ、まさかの相手に目を見開いた。
「よろしければ是非一手、お相手願いできますか?」
淑女然と佇む、黄色い髪の美少女は……ピッタリとした黒いピッタリとしたトップスは、肩が露出して胸をピッタリと押さえつけその大きさやラインが出ており……しかも腹筋を晒す短さというデザインに、足を長く見せるためのタイトな白のズボンという出立ちだった。
「お、おお!?俺たち名前覚えられてる!?もしかして有名!?」
「俺たち!?是非是非いいよ!?名前聞いていい!?」
扇状的ながら言葉遣いは整った彼女は、笑いながら2人に名を名乗った。
「私は、聖愛学院の二年……加礼燈魅里安(かれとみりあ)と申します、雄英の方と是非お手合わせしたく」
聖愛学院の令嬢らしからぬヒーロースーツを着た彼女からのお誘いに、2人はキタコレと興奮する中……。尾白が相手を探し通りかかった。
「瀬呂に上鳴、相手見つかったのか」
「おっと!順番だぜ尾白!まずは俺たちから!」
「あの修羅場を潜った力をこの子に見せてやろうってね!」
ニコニコ笑う黄色の髪の聖愛の生徒、加礼燈は、組み手が決まったとなるや後ろのズボンのポケットから何かを取り出した。
「では、どちらからでも、よろしくお願いしますね?」
彼女が取り出したのは……所謂グローブだった。オープンフィンガーグローブ、つまり彼女は徒手空拳を得意とするヒーローなのかと、見ていた尾白は加礼燈を評した。
そしてふと、彼女のズボンの右太腿に……『あるマーク』が刻まれている事に気づいて、尾白は2人に言い放つ。
「瀬呂、上鳴、気をつけて……その人個性の云々より、格闘が強い」
「え?」
「なに?」
にこやかに笑顔でグローブをはめ、構えた加礼燈は、左足を前にして一定のリズムを刻み始め……そして身体中から、パチン、バチン!と黄色の電流が流れ出したのを、3人は見た!
漂うオゾン臭……それは、上鳴が個性を行使して放電した際のものと同じであった。
「おいおいまさか……」
「俺と同じ、電気系の個性!?」
一気に空気が変わって、瀬呂と上鳴はさっきまでの迎え撃つ気持ちが引き締まり、彼女に手加減をできるかすら危ういと感じさせられるのだった。