※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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幕間 学生達の休日

「「「休日だぁあああ!!」」」

 

 勉強漬けの一週間を終えて、日曜日となった合宿で、瀬呂、上鳴、峰田は宿舎を飛び出して叫んだ!

 

 頑張った!めっちゃ頑張った!!何なら訓練が勉強に変わった分ストレスがより溜まっていると、三人は私服姿で飛び出して早速正門に向かう!

 

「せっかくの日曜日だ!駅近で遊びまくろう!」

「ゲーセンにカラオケ!菓子の補充だぁ!」

「ストレス発散だぁああ!」

 

 6日間勉強漬けからの完全休日、流石に外にも出られず施設内には娯楽も無い!ならばここで遊ばねばいつ発散すると、土煙をあげて3人は走り出して、シャトルバスへ向かった。

 

 この合宿で唯一の完全休日となる日曜日、やはり学生ともなれば休みも必要だ。また明日からは勉強と訓練が待つ以上、嗜好品の買い出しや、休息で街に出る者は多数だ。むしろ、この日を休まず買い出しに行かねば一週間は外出ができないので、朝からシャトルバスに乗り込む者の方が多かろう。

 

 この時ばかりは、緑谷も流石に完全休暇とする事に決めていた。メリハリは大事、過剰労働にオーバーワークは厳禁だと、朝のシャトルバスに乗り込む為に私服に着替えて財布を携え向かう。

 

「シャトルバス時間表と、門限再確認しとかないと」

 

 とはいえ、これはあくまで合宿内の休日で、他校との集団行動のうちに入っている、勿論門限は設定されているし、シャトルバスも常時出ている訳ではない。

 

 宿舎玄関掲示板で、シャトルバスの本数はプリントにより提示されていた。朝の御殿場駅行きで二本、正午に二本、そして帰還のための最終便が夕方に一本だ。

 

 最後のを逃したら、この施設まで徒歩で帰らねばならないし、門限は17:00で最終便は16:00である。

 

 シャトルバスの停まる御殿場駅は車で10分程度だが、徒歩1時間と少しだ。つまり……最終のシャトルバスを逃した時点で、個性を使わない限りまず間に合わないという事になる。

 

「……近場で買い物して、昼の便で戻るのが無難かな」

 

 あまり長い事居たりすると時間を忘れそうだ、嗜好品や消耗品を駅近くで買って昼には帰ってこようと決めた緑谷は、ふと視界の端で見知った姿を捉えた。

 

「あ、かっちゃんも街まで外出?」

 

 爆豪がちょうど通りかかっていた、街へ出るのかと尋ねれば爆豪は端的に答えた。

 

「ちげぇ、セントラル病院まで診察だ、先生とな」

 

 まだまだ傷は癒えてないし、右腕はそもそも動くだけで奇跡な程、死柄木に砕かれた。それでも切断して義肢にしないと決め、地道なリハビリを今も彼は続けている。まさか合宿最初の、しかも日曜日に定期検診とはタイミングが悪いなと緑谷は苦笑した。

 

「そっか、何かお菓子買っておこうか?辛いやつでも」

「後で金払うわ」

「いいよぉ、そのくらい……リハビリ頑張って」

 

 せっかくの休みがリハビリと診察に重なるのだ、菓子くらい奢るよと緑谷に、礼代わりにと左手をあげて爆豪は先に宿舎を出たのだった。

 

「んー……じゃあ僕も行こうかなぁ……」

 

 朝の便に遅れないようにと、緑谷も靴に履き替えて正面入り口まで歩き出した。

 

 

 

「来たか爆豪、じゃあ早速行こう、ご両親とは病院で落ち合う」

「っす」

 

 爆豪勝己は、セントラル病院での心臓と、右腕の診察の為に、施設内駐車場で待っていた相澤と落ち合った。

 

 が、ここで意外な人物も待っており、少し目が開かれた。

 

「爆豪少年の送迎のために〜〜私が来た!」

 

 オールマイトが、漆黒のスポーツカーを前にして親指立ててニッカリ笑って待っていて、わざわざ休みの日に来てくれたのかと、爆豪は苦笑した。

 

「あんたも身体中にボルト入れたんだろ?無理すんなよジジイ」

「うむ、憎まれ口が出るほど元気みたいだね!さぁさ、相澤先生も乗ってもらって、早速行こうか」

「お世話になります」

 

 爆豪の憎まれ口に、調子は良さそうだと頷きドアを開けるオールマイト。助手席に相澤、後部座席に爆豪と搭乗し、3人はシートベルトを締めた。

 

「それにしても、今年は夏の割には涼しい日が続くね?この辺り24度で風もいい感じだから夏と思えないよ相澤くん?」

「みたいですね、今年は冷夏とはニュースでやってましたよ、数十年ぶりに気温が下がってると……」

 

 オールマイトと相澤先生の他愛もない会話を聞き流し、爆豪は窓から外を眺めた。エンジン音が響き、慣れた手つきでシフトレバーを操り、車はゆっくりと正門から出ていく。

 

「ん?」

 

 その正門から出た最中、丁度遠方に見える富士山を目にした爆豪は、見間違いかと目を疑った。

 

「もう雪降ってんのか、富士山で……?」

 

 一週間前、交流の家に来た時は雪は少しだけしかなかった雪溶け黒い姿を見せていた富士山山頂近く。その白く染まった面積が増えたようなと、爆豪は思わず呟いた。

 

 

 

 ストレス発散に街へ繰り出す者。

 

 買い出しのために街へ赴く者。

 

 復活の為に傷を癒そうとする者。

 

 皆が皆、合宿最初の日曜日を迎える。

 

 一方で……この男は、早速自分の弱さを克服する為にと、柔道場に来ていた。

 

「やぁあ!」

「うぉああ!!」

 

 バシィイン!と畳に叩きつけられ響き渡る音。可愛らしい声と裏腹に、キレある動きから轟焦凍は、花霞桜に投げられていた。

 

 その様子を、柔道場の壁際で胡座をかいて姫鷹は見守っていた。

 

「初週の日曜日から呼び出すなんてどうかしてるわ、姫鷹校長……それを受ける姉さんもだけど」

 

 そして、2人が道着姿に対して、壁に寄りかかり立ちながら、合宿の初めての休日を訓練に潰す雄英の男と、頼まれて付き添う双子の姉の様子を私服で見る花霞芙蓉は呆れていた。

 

「誠刃流柔術拳法のカリキュラムを取り、尚且つ女子はそなたら姉妹しか居ないからなぁ……彼の女性恐怖症のトラウマはぁ、女性を相手にしてゆっくり治していくしかあるまい」

「姉さんも姉さんだわ、付き合う事ないのに……」

 

 他校同士の交流組み手により『近接戦の弱さ』と『家庭事情から来た女性恐怖症』を克服する為に、轟焦凍は姫鷹校長から提案され、誠刃高校にて教えている武術『誠刃流柔術拳法』を教わることになった。

 

 その為の相手、指導者として呼ばれたのはなんと花霞桜であった。轟の女性恐怖症を少しでも治そうと、女性相手になれる為に姫鷹が日曜日ながら頼み、桜は快く引き受けたのである。

 

 なお、妹の芙蓉も頼まれたが断った。理由は無論、休日を潰したくないからである。

 

「私は街に行くけど、姉さん欲しいものある?」

 

 街への買い出しに行くが、欲しいものはあるかと声をかけた芙蓉であったが、投げられ立ち上がる轟に、今の投げ方の入り方や袖の引き方、足の位置や動きをゆっくりと説明して聞いていなかったので、頬を膨らました。

 

「後になってメールでとか受け付けないから!私だけで買い物してきまーす!」

 

 熱心に他校性を指導する姉に、芙蓉はそうですか無視ですかと怒って、1人街へ出かけると柔道場から立ち去った。姉妹仲がいいのだなと立ち去る芙蓉に、姫鷹は悪いことをしたなと少し顔を歪めるが、また揺れと鳴り響く音に畳の方に目を向ける。

 

「次行きますよ、轟さん」

「ああ、頼む」

 

 玉のような汗をかき、息を上げて、乱取りする若人……いやはや青春だなとこの景色に、姫鷹は笑みを浮かべた。

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