※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

588 / 697
428話 交戦開始

 召集された生徒達も、それどころか教師陣のヒーロー達も、この警報に戦慄した。

 

 "個性"という物が現れ、ヒーローという職業が生まれ、ヴィラン犯罪という単語が出来上がってから暫く……この『ヴィラン警報』という物は警報システムの一つとして全国に普及している。

 

 基本的には各都道府県の警察の管轄となり、細分化すれば市町村や区域で分けられ、即座にヴィラン犯罪を報せる事ができる。

 

 が……この警報はヒーロー達どころか、一般市民も戦慄する警報であった。

 

 この警報は、内閣官房及び気象庁が『知覚できる程に大規模な、災害級のヴィラン犯罪』が起こったことを意味する。

 

 言うなれば『Jアラート級』!!

 

 大地震、津波!他国からの戦略ミサイル攻撃!!それと同等とされるヴィラン犯罪や被害が起きた事を、その震源地及び攻撃地点の近くの国民やヒーローに報せる警報であった。

 

「このタイミングでって……!」

 

 一体何があった!?アナウンスを聞き逃さない様に音量を上げる!

 

『現在、富士山を中心に、静岡県……山梨県、神奈川にて、多数の類似した姿のヴィランが出現、無差別に破壊行動を開始……近隣の住民はシェルターへの避難をお願いします』

 

 淡々としたアナウンスから、三県を跨いでの広範囲でヴィランが現れて破壊行動を始めたという事態に、一同は絶句した。

 

「三つの県で同時に!?一体何事でして!?解放戦線残党が蜂起でもなさいましたか!!」

 

 同時に、三つの県で大規模なヴィランの破壊活動が勃発!加礼燈は本当に何がどうしてそうなったのかと叫ぶ。

 

「この場の仮免持ちは現場に急行!相澤先生、黒薬先生はぁ私と共に来てくれぃ!他の生徒達を集めてチームを再編成した後、現場へ送る!」

「分かりました」

「了解」

 

 姫鷹の指示に、招集された生徒達は一堂に立ち上がり部屋を飛び出す。先遣隊に仮免組、そして手の空いている教師達を向かわせ、持っていない生徒に関しては、相澤と黒薬と自らが個性使用許可と協力要請の手続き、部隊の編成をしてから送り出すと即座に動きを決めた。

 

 さて、そうして招集された生徒たちが走り出し、研修館から出た瞬間だった。

 

「おお!?こりゃなんだ!!てか、寒うぅう!!」

 

 最前列を走っていた瀬呂が、そんな叫びを上げた。なんだどうした早く行けと次々出ようとした者達も、出た瞬間に室内へ入ってきた空気の冷たさに驚き……そして広がる景色に立ち止まった。

 

「霧が……なんて濃さだ!一体これは!!」

「て言うかめちゃくちゃ寒い!?さっきまで涼しかった程度だったよなぁ!!」

 

 飯田に上鳴が、施設内に広がっている濃霧と、その寒さに驚いた。さっきまでまだ涼しい程度だったが、あの富士山を凍結させた冷気は既に周辺まで届いていたのだ!

 

「富士山があんなになったならこうもなりますか……」

「全く見えない程の霧だなんて……」

 

 湧水と桜が、周囲の施設の建物すら見えなくなっている霧深さに言葉を漏らす。だがしかし、それでも行かねばならないと歩き出した。

 

 そんな最中、緑谷はある音を耳に捉えた。

 

「……羽音?」

「どうした、同胞よ」

「今、何か飛んだ音しなかった?虫が羽ばたくみたいな」

 

 ぶぅん、と、緑谷の耳が確かに音を聞いた。それを皮切りに、招集組も耳を澄ませば、確かにと幾重にも羽音が鳴っている事に気付く。

 

「本当だ、何匹も居るみたいに……」

「大きくなってません事?」

 

 やがて、羽音は大きく数を増やしていることに気付き、それはどこから聞こえるのかと皆があたりを見回すと……轟が上空を指差して言い放った。

 

「上だ……見ろ!!」

 

 霧深き上空、幾つもの影が漂い、飛び交い羽音を鳴らす。やがてそれらは施設の地面に着地して、霧深い中でもその輪郭と姿を、招集組の生徒の前へ現した。

 

 露出した脳漿ににた触手の頭部に、昆虫のような足と、極才色の肉体……目はどこにも見当たらないが、しかしそれらは確かにこちらを向いている。

 

 ミ=ゴ達が……この合同合宿の会場に現れたのだ!

 

 瞬間━━

 

 脊髄反射の如く一番に動いたのは、緑谷だった。この因子血晶を持つミ=ゴは『脳無』と同じ、対話は不可能かつ、同じ危険性を有している。

 

『捕縛』は不可能。

 

 できる事は━━。

 

「っしゃああああ!!」

 

『討伐』のみ!!

 

 降り立った何匹の内、近場に居た二匹!行動に移る前に!地面を蹴り引き寄せで跳躍して間合いを詰めて!左右の両手でそれぞれの頭部を掴み!思い切りぶっこ抜いた!!

 

 ボォン!とほぼ同時に重なる様に鳴り響いた二つの破裂音!!頭部を失ったミ=ゴ二匹は仰向けに倒れながら、その肉体は地面に倒れ伏しつつも放り出された薄氷の様に、結晶となり散乱した。

 

「遠距離で戦える者は必ず間合いを取って!!こいつらのハサミは切れ味が凄まじい!!当たったら真っ二つになるから気をつけて!!」

 

 緑谷の言い放つ言葉と共に、止まっていた招集組のスイッチが切り替わる!この施設内に入ってきた、此度の富士山凍結の異変の一端だろうこの生物、ミ=ゴをまずは殲滅して施設の安全確保だと、轟が、爆豪が、上鳴、瀬呂……花霞、加礼燈、湧水、藤見が!一斉に散開してミ=ゴと交戦を開始した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。