【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
校長の開始の合図により、唐突に始まるかと思った2人の組み手は……静かな立ち上がりから始まった。いつでも来いと悠然に、横綱相撲とばかりに立つオールマイトに対して、緑谷出久はジリジリ間合いを詰めて行く。
「胸借りるっつってもさ、この体格差は危ねーな、50cmのリーチ差なんてガジェットが要るぜ……止めた方がよくないか?」
プレゼント・マイクも流石に、この無謀すぎる組み手に不安を覚えた。方やまだ入って一ヶ月の一年坊主で、方やNo.1ヒーローの組み手。手心ありでも何かあったら怖すぎると言うがーー。
「黙って見てろ」
「おおう……怖いな」
同期の桜がこうも、真剣に見ているとなれば、黙って見るしかなかった。
そうして間合いを狭め、仕掛けたのは緑谷!体勢を屈めて踏み込み、その巨木のような足に掴み掛かった!
「無茶な、タックルで倒しにかかるのか?」
ブラドキングが呟くしかし、そもそも、ふとおかしな事に気付いたのが1人。
「おやまぁ、歴戦のオールマイトが反応できない?何かしたのかな緑谷くん、普通なら背中や頭にビタン!だったろうに」
根津校長はむしろ、反応しなかったオールマイトに驚いていた。その様で足につかみ掛かる間際にオールマイトが反応する。
それでもこの体重差に筋力差、持ち上げるなどまず不可能!押しつぶされーー。
「違う!あの子はーー」
エクトプラズムが気づいた時には、もう彼は、オールマイトの股下をスライディングで通過し、背後に回り込んだのだ!
「ぬぉおお!?体格差を!!」
まさかまさかの奇策!そして背後を取られ振り返ったオールマイトの顔面には、既に両足の靴底が視界を埋めていた!
BAGAN!!オールマイトに!!ヒーローの象徴に足の裏を舐めさせる、緑谷の打点激高ドロップキックが炸裂!!
「Wooooo!!すんごいドロップキック!!レインメーカー!!」
「オールマイトから先制攻撃を!!」
ミッドナイトとプレゼント・マイクが興奮に声を上げた。
「いや、防いでる……派手すぎたな」
しかし、スナイプがよく見ろと2人に言った、当たってないと。オールマイトの手のひらが顔面の前に出され、ドロップキックは防がれていた。
それでも……オールマイトから奇策を使い単独で背後を取って、攻撃を当てかけるまでたどり着いた戦闘技能の高さには教員一同が舌を巻く。
着地して即座に間合いを取る緑谷、まだオールマイトの笑顔は崩れない。
「少しくらい、ひやっとしてほしかったですよ」
「いかなる時でもヒーローは笑顔を崩さないのさ、だが見事だ!」
「あーーりがとうございーーっっます!」
左へ、右へ!スピーディに身体を動かして緑谷は、そのまま右足のミドルキックを放つ!それをひょいと、子どもと戯れるように避けるオールマイト、それでもと透かされた右足を勢いそのままに回転しながら跳躍し、緑谷はさらに勢いつけた右足の回し蹴りを頭部に放ち、側頭部をオールマイトはこれまた防ぐ!
「おいおい……当ててるよ、組み手とはいえ……オールマイトに攻撃を」
「手を抜いてるんですよね……にしてはこう、時折肝が冷えそうなんですが」
プレゼント・マイク、13号が、防いでいるとは言え、オールマイトに攻撃を当てている事実に改めて驚く。何故彼は、歴戦のプロヒーローを相手に、組み手で追従できるのかと。その時のオールマイトの心中はというと……。
『あっ、あっれーー?本当に予兆から何まで分かんないぞ!?防げてるけど!!緑谷少年、フェイント上手くない?というか、キミ戦闘訓練での爆豪くんや、体育祭の轟くんの時と戦い方変わってるよね!?うん!もっと真っ正直だったじゃない!!』
ガラリと戦い方変わってるわ、フェイントも上手だわ、もしかして今日この日を予想していたのかキミはと、笑顔の下はサプライズの連続で顔に出かかっていた。
彼はそれこそ、手数の多さで徹底的に揺さぶり、そのまま押せ押せで個性すら使わせず叩き潰す戦い方と、ダーティな戦法を得意としてたのに!様変わりにも程があるぞとオールマイトは考えた。
どうして彼の攻撃はここまで読めないのだ、何故だとオールマイトは考えながら、緑谷の攻撃をいなし続け……ふと、帽子とスカーフに目が行った。
『……あーーーーー!!』
組み手開始1分、オールマイトがやっと翻弄されていた理由に気付いたのを、体育館天井の監視カメラが動いて捉え……別室にて見ていた者2人がため息を吐いた。