※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

590 / 697
430話 残っていた『力』

 最早断言せざるを得まいと、緑谷出久は奥歯に力を込めながら大戦時に奥渡島から雄英まで飛んだ速度で自らを引き寄せ気配に向かう。

 

 AFOは……生きている!何らかの形で、まだこの世界にしがみついている!気配を辿る様に薄暗い、夏らしからぬ雪が降りそうな曇り空の中……緑谷は気配を辿り到着した先に見た光景に驚いた。

 

「あれは……Mt.レディ!来てたのか!!」

 

 プロヒーローのMt.レディが息を切らし、身体の半分が氷漬けになりかけていたのだ、周囲には倒壊した建物他、ミ=ゴを打ち砕いた結晶が散乱しているのも見て取れた。

 

 巨大の彼女の体の半分を、凍結させかけている事態……凍結した富士山と同じ事が彼女に起きているのかと、その凍りついていない右肩に失礼ながら着地すれば、それに気付いたMt.レディは声をかける。

 

「緑谷くん!?どうしてここに!!」

「近くで合同合宿があったんです!その身体は一体……」

「あれだ、イズク、見えるか?」

「シンリンカムイ!貴方もここに!?」

「そもそもラーカーズは静岡一帯が活動場所だ」

 

 シンリンカムイまで、凍りついたMt.レディの左肩に着地していた。エッジショットと共にチームアップしたヒーローユニット『チーム・ラーカーズ』が、この御殿場の避難と掃討を受けていたのかとなる中で、シンリンカムイが指差した先を緑谷は見た。

 

 そして……目撃する!砂埃や瓦礫で輪郭が分かる!不可視ながらその姿は、細い手足の巨人が立っている事に!

 

 その巨人から緑谷はひしひしと感じていた!

 

「AFO……本当に生きているなんて……!」

「何……なんだって!?」

「ちょっと、嘘でしょ?どういう事!?」

 

 緑谷の呟きに、シンリンカムイは聞き間違いかと二度聞きし、Mt.レディも冗談じゃないと戦慄する。あくまで『気配』が同じで、違う姿ながら、緑谷の身体に流れる『AFO因子』が!そう告げている!!

 

「詳しくはまだ分かりません、けど……大戦の時にも軽く話をしましたが、個性因子の意思と記憶が、そうだと言ってるんです……あれはAFOだと」

 

 今の自分の感覚でしか答えられない、詳しく話す暇も無いから簡潔に言えば大戦時に離した因子の記憶や意思が、あの巨人をAFOだと認識し、ここまで来たんだと語る緑谷に、Mt.レディとシンリンカムイもまた、当時最前線で戦い、エンデヴァーを介して緑谷の因子の話を聞いていたため否定はしなかった。

 

 そんな緑谷、焦って来てしまったなとこの状況に歯を食いしばった。この巨人、冷気を操るらしいが恐らく、今回の凍結富士山や現れたミ=ゴもこいつが原因だと思われる。

 

 巨大な体を前に、同じ巨大化して相対できるMt.レディは氷漬けになりかけ、シンリンカムイはその個性『樹木』では決定打に欠ける。

 

 緑谷は自らの腰を触れながら思った。

 

 こんな時に、まだ『変身』の力が、OFAの力が残っていたら……まだ何とかできたかもしれないと。

 

 だが、即座に気付かされる。

 

『OFAが無ければ、貴様は無力なのか?』と。

 

 違うだろう、緑谷出久。

 

 ヒーローは『力』では無いと、お前は何度言ったら理解するのだ。

 

 特撮の中のヒーロー達、その中ではヒーローの力を失っても、人間の力だけで戦い、怪獣に勝利した者達も居るのだ。

 

 頼りすぎたから、OFAありきの戦い方になっていたのを反省したのをもう忘れたかと、緑谷は自嘲の笑みを浮かべた。

 

 さて、どう倒す?この化け物……。その時……緑谷がMt.レディの頬に許しなく左手を付いた瞬間だった。

 

「ねぇちょっと緑谷くんなんか今チクッとしたけど、手に針とか付いてないかしら?」

「あ、すいません……うん?」

 

 左手をすぐ離した瞬間……ふとある『感覚』を確かに感じたのだ。

 

 忘れるわけがない……その感覚を左手に感じた瞬間、まさかと左手のひらと、Mt.レディの顔を見上げて……自嘲の笑みは自信の笑みに切り替わった。

 

「Mt.レディさん」

「何よ、ちょっと……その笑みは何?怖いんだけどあんたの笑顔は」

「ちょっと痛み、我慢してくれますか!」

「は?」

 

 そうだった……思えば『この力』は『OFA』の力ではない!あの日、AFOを打ち倒して砕け散った力……使えなくなっていたと思い込んでいた!

 

 緑谷はそのままMt.レディのうなじまで移動すると、自らの両足をしっかり彼女の頸部に引き寄せ着地して、抱きつく様にうなじを両手で抱き上げ、抱え上げるように力を込めた!

 

「っよい、しょおおおお!!」

「ま!?ちょっ!いたたたた!?」

「ま、待てイズク!?何をして━━」

 

 引き裂ける皮膚と筋肉!現れる繊維や神経と共に痛がるMt.レディを他所に、力をさらに込めれば、シンリンカムイの静止も届かぬ間に━━。

 

「あがぁはぁあああああ!!」

「岳山ぁあああああああーー!!?」

 

 Mt.レディこと、岳山優の頭部が、脊髄ごとぶっこ抜かれた!!思わず本名呼びしながら、その巨躯の引きちぎれた断面より鮮血が街中に雨となり吹き出しながらも、彼女の肉体はミルミル縮み、平常時の身体となり頭部もそのサイズに合わせ変わり果て、氷塊も剥がれ落ちて落下していく。

 

 シンリンカムイが、Mt.レディの亡骸をお姫様抱っこに抱え回収するのを確認した緑谷は、落下しながら右手に掴んだ彼女の脊髄付き生首に目を映すと……その頭部が光に包まれ、クリスタルのリストバンドに姿を変えたのを見て、ニヤリと笑い、それを胸元に近づけ叫んだ!

 

「脊 髄 着 装!!」

 

 その叫びと共に!クリスタルを囲う金具が展開されてから反転し、Mt.レディのアイマスクの様な形になりながら、電子音と共に青い光が緑谷を包み込み━━。

 

『『デェエァアアアアアアアア!!』』

 

 その光から両手を伸ばして、蒼き巨人が姿を現した!!




・マウントレイター

緑谷出久が、脊髄着装によりMt.レディを武器化し現れた『変身アイテム』蒼き光の巨人へと変身する事ができる!!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。