※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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435話 示せ!力!!

 緑谷出久は、ヒーローオタク尚且つデータ主義である。

 

 雄英入学から体育祭までの間で、クラスメイトからB組、さらには普通科からサポート科、経営科の全員の個性を頭に叩き込み、二学期中盤では全学年全生徒の個性を丸暗記し、毎年プロヒーロー達のデータが掲載される『ヒーロー名鑑』にて、引退、死亡、デビューしたヒーローの名前や個性を暗記している程だ。

 

 だが、今年は色々あったので、新一年生の個性はまだ頭に入っていない。今回組む事になった斥野力弥、そして光活人の個性も知らなかったので……訓練を円滑に進めるために緑谷は尋ねてみた。

 

「早速で悪いけど、2人の個性を教えてくれるかな?」

「あ、はい、僕の個性は━━」

 

 緑谷の問いかけに、光が応じた。

 

「ちょい待ってください緑谷先輩、この訓練の目的、現地でのチームアップから救助が想定ですよね?」

「どうかしたのか、斥野くん」

 

 が、それを待ったと制したのが斥野だった。何か言いたいらしい、止める彼に障子が尋ねた。

 

「だったら、知らん方がより現場っぽく訓練になりません?ヒーロー全員が個性やヒーロー名把握してる訳ないですから、そこから即興でチームワーク築くのがより訓練になるかと」

 

 斥野の話に緑谷は、成る程と納得させられた。自分はヒーロー名から個性まで記憶しているが、全員そうじゃない。訓練内容も"現地でチームアップした"と言うシチュエーションだ、より現場と同じ雰囲気やパターンとするなら、聞かずにアドリブで訓練する方が身につくかと、斥野の意見に頷いた。

 

「……分かった、障子くんはそれでいい?」

「ああ、構わない」

 

 それでいいかと緑谷は障子に尋ね、障子も斥野の意見に賛同した。賛同を得た斥野は軽く一礼した。

 

「ありがとうございます、まぁ先輩達の足を引っ張らないように動きますよ、彼と違ってね?」

「む……?」

「それじゃあ、僕らの番まで他の場所でモニター見とくんで、失礼します」

 

 感謝を示した斥野であったが、光に目線向けて余計に一言嘲るような言葉を吐いてから、訓練の様子が映るモニター前まで移動したのだった。

 

 緑谷は、話し方といい、今の光活人への態度から斥野を『少し態度と言葉遣いが軟化した入学当初のかっちゃん』っぽいなと、彼の人となりを感じたのだった。

 

「キミは……彼に色々責められているが、大丈夫なのか?」

 

 その様には障子も気になったらしい、光へどうして彼からこうまで言われているのか、気にしてないのかと尋ねれば、彼は苦笑しながら頭を掻いて語りだす。

 

「あははは、事実だから否定できないんですよ……恥ずかしながら、一学期の期末テストの実技で、僕は唯一補講だったんですよ……落第生ってやつです」

「そうなのか?」

「試験内容は知らないけど、余程やらかしたの?」

 

 光は自身を落第生と称した。理由は、期末テストでただ1人補講を喰らったかららしい、詳しく話を2人は聞いてみた。

 

「警備ロボ達と戦う試験でして、斥野くんと組んだのですが、彼1人で全部倒して動けず終いだったんです……」

 

 どうやら今年の期末試験は、復興支援で先生方も出張っていたので、雄英警備ロボとの戦闘だったらしい。つまり彼は去年の瀬呂、峰田ペアみたく、クリアしたが活躍したのが1人で実力を見れなかったから補講になったらしい。

 

「雄英警備ロボとねぇ、僕らは先生達と模擬戦だったよね」

「俺は葉隠と組んでスナイプ先生が相手、緑谷はオールマイトに爆豪と挑んだんだよな」

「先生方と!?緑谷先輩はオールマイトと模擬戦して……どうだったんですか!?」

「かっちゃんの脊髄を武器にして、隙を突いて勝ったよ」

「爆豪先輩の脊髄を武器にして!?」

「事実だからな、本当に……」

 

 後輩よ、信じ難い話だが事実なのだと障子は遠い目をしながら『爆炎脊髄剣 カツキロク』をオールマイトに振るって隙を作り、逃走と捕縛両方を成し遂げた緑谷、爆豪ペアの期末試験を思い出すのであった。

 

 

 そして、合同訓練は始まった。最初のAチームは二年生から飯田、常闇の2人がくじを引き当てた。

 

 その2人と組む一年生は……。

 

「飯田先輩……いや、二代目インゲニウム、どうぞよろしく」

「うむ、こちらこそ!キミの名前を聞かせてもらえるかな?」

「俺は、道走郎堂(みちはしりろうど)と言います」

「もう1人のキミは……」

「具来鳴明日(くくるあーす)です」

 

 1人は鍛え上げた肉体がヒーロースーツから浮き出ている、アスリートを思わせながら、足は鳥類と同じ足を持つ異形型であった。もう1人は何やら……人工衛星を思わせるヒーロースーツを着ていた。

 

『よし、じゃあAチーム、訓練を始めるから位置につけ、スタート同時に通報が鳴り響く、各々の個性を使い救助者を確保せよ』

 

 相澤先生のアナウンスで、グラウンドβのスタート地点に集合する4人。集まる最中、道走は飯田に言った。

 

「俺、ファンなんですよ……初代インゲニウム、あなたの兄さん飯田天晴の」

 

 兄のファンだ、そう語る道走に、飯田は驚き嬉しそうに答えた。

 

「なんと!それは嬉しい、兄さんも喜ぶよ

!」

「そうですか、だから……疑問あるんですよね」

 

 兄のファンが雄英に来た、しかも自分の後輩として!しかし話はそれだけで終わらなかった。道走は飯田を鋭い目で睨みつけてから言い放つ。

 

「貴方が実力からその名を継いだのか、弟だからその名を継いだのか?その名に相応しいヒーローなのかとね……」

「ちょっと!先輩だよ道走くん!?」

 

 これには同じチームの具来が、何を言ってるのかと慌てて止めにかかった!しかし道走は続けた。

 

「先輩、勝負しましょうよ?この訓練でどちらがより早く救助できるか?最速のヒーローインゲニウムに相応しいか、俺が勝ったらヒーロー名をくださいよ」

 

 まさかの宣戦布告に、飯田は彼の真剣な眼差しを見て、口を開いた。

 

「兄がステインによって引退を余儀なくされて、その名前を俺が継いで欲しいと言われた……けど、今だって一度も俺は兄さんを超えたなんて思っていないさ、それにこれは訓練だ、勝負じゃない」

「逃げるんですか?」

 

 ヘルメットを被る飯田、それに対して逃げるのかと煽る道走に、飯田は言い放つ。

 

「だがもし、この訓練でキミに劣るような結果を晒した時は、キミがインゲニウムを名乗るといい」

 

 訓練は訓練、これは競争ではない。ヒーローとしていち早く現場に駆けつけ、助けるための連携の訓練である。しかし、その訓練でキミに無様を晒す結果を出したならば、名を譲ろうと飯田は言い切れば、道走は笑った。

 

「後輩という好敵手とは……プレッシャーだな飯田」

「ああ、だが彼の話も頷ける……ただ引き継いだわけではないと後輩に示すさ」

 

 かつての兄を慕い、憧れて雄英に来た後輩。今自分がその名に相応しい事を示すために、飯田は位置についた。

 

『では、開始する』

 

 相澤のアナウンスから、少しの静寂の後、ブザーが鳴り響き、合同訓練は始まった!

 

「黒の堕天使!!」

 

 ブザーが鳴り響くと同時に、常闇が個性を使い空へと飛翔!救助者の捜索にかかる!

 

『常闇先輩!救助者のダミーの位置を教えていただけますか!2人に僕の個性で提示しますから!』

「なにっ?」

 

 もう1人の一年、具来から通信が入ると、スタート地点を常闇が見下ろせば、具来は目を光らせて宙に何やら映し出しており、飯田はそれを見て驚いた!

 

「これは……グラウンドβの衛星写真か!?」

「僕の個性は"マッピング"自分がいる場所から周囲数キロの空から見た景色を投影できるんです!」

 

 雄英高校1年A組 具来鳴明日!

 

 個性『マッピング』!!

 

 自身から周囲数キロメートルの空撮図を投影する事ができる地図人間だ!!道に迷う心配はほぼ無いぞ!さらに、空撮図に書き込みもズームインアウトもできる便利な機能も搭載している、人間グー◯ルアー◯だ!

 

「分かった!今目視できた場所は……成る程、どうやら同時多発ってシチュエーションらしい!救助ダミーは2時の方角の赤い看板のテナント前と10時の方角ビルの屋上!まだあるかもしれないから引き続き上空から観察する!」

「分かりました常闇先輩!えっと、この建物と、この位置です!2人とも!!」

「分かった、なら早速━━」

 

 具来が投影した地図に同じ建物を指で丸で囲えば赤丸が刻まれた!実働部隊は、飯田と道走に任せ、飯田がスタートを切ろうとした瞬間。

 

「ビッビッ!!」

 

 飯田も、そして映像を待機場で見ていた二年団は、信じられない光景を目の当たりにしたのであった。

 

 

「委員長が置いてかれた!?」

「てか、速ぇ!スタートは飯田以上に早くなかった!?あの一年!!」

 

 待機場の中継映像を見ていた砂藤と切島が驚きの声を上げた。あの最速のヒーロー、インゲニウムの飯田が出遅れたのだ!しかも、あり得ない加速で走り出した道走に、飯田より速いのかと思わせる加速で走り出したのだから!

 

「鳥の足をしてたから、鳥類の異形型個性かと思ったけど、なんなのかしら?道走ちゃんの個性」

「走るスピードが速い鳥って……ダチョウとか?」

 

 蛙吹も、彼の足は鳥類の足だから空を飛ぶかと思ったらあのスピードである。飛ばずに走る鳥、となればダチョウの個性か?芦戸が映像を見て思いついた答えを出すと、1人彼の個性を言い当てた者が居た。

 

「彼の個性は多分、オオミチバシリだね」

「オオミチバシリ?」

 

 口田甲司が、彼の個性をずばり言い当てたのだ。

 

「学名、アシハヤクッテ=アオリウス、北米の砂漠地帯に生息する鳥で、45キロのスピードで走る小さな鳥なんだ、自分の速さを知っているから肉食のコヨーテやらをわざわざ目の前まで来て煽って競争しようとする愉快な鳥だよ」

「そんな学名の鳥が居るのか!?口田!!」

「あ……いや、学名は冗談なんだけど……知らないかな?ロードランナーとワイリーコヨーテって言うアニメの……」

「口田が……ジョークを!?」

「打ち解けて来たのね、口田ちゃん……」

 

 まさかのジョークを交えながらの説明に、口田は赤面しながらネタの説明をすると、あの口田がまさかジョークを話すなんて内気な性格が打ち解けて来たと切島は驚いたが、蛙吹は少しほろりとするのだった。

 

「……あのスピード……初速から数百メートルなら、インゲニウムより速いかも」

 

 対して、映像を見た緑谷は、道走の初速に唸った。

 

 インゲニウムこと、飯田天哉の個性『エンジン』は、今や凄まじい出力でスピードが出せる。AFOとの戦いでは弾道ミサイル並みのスピードで、轟を神野から群訝まで運んで荼毘の爆発を止めたと聞いた。

 

 しかし、そのスピードまで上がるにはタイムラグがある、エンジン始動から加速するまでの時間が必要なのだ。

 

 だが彼、道走郎堂はスタートから最高速で走り出した。それは個性が為せる技か、はたまた彼の鍛えた肉体が可能とした努力の結晶か?

 

 兎も角、飯田天哉はスタートが遅れた。こればかりは事実であり、遅れて飯田もダミーを回収に走り出すのを緑谷は映像で見る。

 

 そのスタートには、余裕すら感じたので、彼は道走よりも早く救助できるのだろうなと、緑谷は心配する事無く映像を眺めるのであった。

 

 

 

 




オリジナル一年生紹介!

具来鳴明日(くくるああす)
妄想CV桑島法子
 
 雄英高校1年A組の男子、両肩に基地局みたいな者が生えていたり、頭にガラケーのアンテナっぽいのが生えていたりする異形型の生徒だが、個性は発動型である。

 個性は『マッピング』!!
 自身から周囲数キロメートルの空撮図を投影する事ができる地図人間だ!!道に迷う心配はほぼ無いぞ!さらに、空撮図に書き込みもズームインアウトもできる便利な機能も搭載している、人間グー◯ルアー◯だ!


道走郎堂(みちはしりろうど)

妄想Cv.新祐樹

雄英新一年生の1人であり、中学では個性ありの陸上インターハイで優勝したスポーツエリート!

個性は『ロードランナー(ミチバシリ)』!

アメリカに生息する、高速で走る鳥類『ミチバシリ』らしい事が大抵できる異形形個性!インゲニウムの最高速には劣るが、最高速を維持して急カーブを曲がるステップワークと、その強靭な脚力は『市街地ならインゲニウムにも負けない』と自信をあらわにしている。

 そんな彼の憧れは飯田の兄、先代インゲニウム!!憧れているからこそ、その弟であり名を継いだ飯田くんを超えたいと思っているぞ!
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