※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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436話 大和撫子とパーリィピーポー

「あーあー、インゲニウム先輩出遅れてますけど大丈夫なんですかね?道走くん、早速先輩より目立っちゃうんじゃないかなぁ」

 

 画面を見ながら、緑谷の隣でそうわざとらしく語り出すのは斥野力弥。まるで飯田が負けて悔しがるのを見たいような口ぶりに、緑谷は断定する。

 

 こいつ本当に性格悪いな、これならかっちゃんのがからっとしてはっきり言う分幾分かマシだと。何というかネチョついて嫌味ったらしい……偏見だがこいつ京都のいいとこのボンボンの生まれとかじゃないか?何て勝手に出身地まで脳内で決めつつ、緑谷は尋ねる。

 

「キミは……道走くんに高く期待してるみたいだね?彼は飯田くんより速いと?」

 

 緑谷の問いかけに対し、斥野は自信満々とばかりに語りました。

 

「まぁ走るだけだったら僕より上ですよ?個性もですけど、平地で競争したら飯田先輩のが必ず勝ちますけど、市街地で入り組んだ場所だったら、道走くんのが早いと思いますよ、ほら」

 

 彼が画面を示せば、空から追跡している道走の姿が見える。それを見て成る程と、斥野が語る事も確かに裏付けがあり、そう判断できるのも納得できた。

 

 何せ、彼はこの入り組んだグラウンドβに再現されたビル群の裏道や入り組んだビル間の細道を、綺麗に直角にスピードを落とさず曲がっているのだから。

 

「飯田先輩が大戦で巡航ミサイル並みのスピードを出したのは知ってますが、そんなスピード街中で必要ないでしょう?道走くんは個性ありの中学陸上インターハイを三連覇したスポーツエリート、そこにミチバシリの個性が加わったら、インゲニウムよりも早く救助できますよ、街中限定ですが」

 

 中学陸上を制覇したスポーツマンは、街中という入り組んだ地形ならば、インゲニウムより早く助けを求める声の下に辿り着ける。斥野の分析は見事な物だった……。

 

「舐めすぎだよ、斥野くん」

「はい?」

 

 だが、緑谷は反論した。

 

「インゲニウムは最速のヒーローだ、世界一のスピードを持つね?それは街中だろうが関係ないよ」

 

 願望ではない、これは真実だ、そう断ずる緑谷が飯田を追うカメラを指差して、斥野は目を見開いた。

 

 

『呆気ないなインゲニウム、いや飯田先輩』

 

 ビルの隙間を駆け抜け、土煙を立てて道走郎堂は最初の救助ダミーへ走る。スタートダッシュからまさかこうも簡単に彼を引き離せるとは思わなかったと喜び、そして幻滅した。

 

 所詮名前を受け継いだだけだったなと。

 

 確かに、飯田先輩はスピードなら世界最速だろう。AFOの戦いの時の伝説を、道走が知らない訳がない。

 

 道走郎堂、個性は『ロードランナー(オオミチバシリ)』

 

 最高スピード時速45kmで走れる鳥『ロードランナー』と同じ事ができる、異形型の個性であり、彼は更に陸上部でその足を鍛え上げた。

 

 そのトレーニングと、個性が可能にしたのは『独自の走法』!体重移動、ステップワーク、そして鍛え抜いた足は、直角の角すら減速なくロス無しで走りぬける!

 

 さらに!今チームとして協力している具来鳴明日の『マッピング』により、詳細な情報も通信で入れば……。

 

『最短距離で、助けを求める人の元へ辿り着ける』のだ!

 

「街中で戦闘機のスピードは要らない、市街地なら僕は、あなたより早く助けを求める声に辿り着ける!その名前、貰いますよインゲニウム先輩!!」

 

 次の角を曲がれば、救助ダミーへ辿り着く!そうしたら次も自分が救助して勝ちを決めてやる!道走がその角を曲がろうとした瞬間━━。

 

『こちらインゲニウム!10時方角の要救助者確保!次の救助者の情報を求む!!』

「は━━?」

 

 信じられぬ通信が聴こえながら、道走はそれでも角を曲がり、赤い看板の建物の下に置かれた救助ダミーを視界に入れた。

 

『り、了解!飯田先輩!そこから近い場所に、4名の救助者ありとツクヨミから連絡あり!』

『分かった!すぐ向かう!』

 

 待った、おかしい……何があったのだと道走は唖然としながらもダミーに近づいて肩に担ぎ、通信を入れるためインカムを操作した。

 

「こ、こちら"ランナーキング"!要救助者確保!次の救助者の情報を!!」

『ランナーキング、そこから3時の方角に要救助者を見つけた、そこが一番近いから頼めるか?』

「わ、わかりました!すぐ向かいます!」

 

 ツクヨミこと、常闇からの直接の情報を聞いて、肩にダミーを担ぎながら道走は情報を整理した。

 

 自分が先に出発し、尚且つ常闇先輩が見つけたダミーの『近い方』に自分は向かった。そして、遅れたはずの飯田先輩は、自分が向かった別のダミーに向かったのだろう。

 

『自分より遅くスタートした飯田先輩が、遠い距離の救助ダミーへ、自分より先に辿り着いた』という事実が突きつけられて、あり得ないと冷や汗が湧き出てきた。

 

「一体どうやって━━」

 

 兎も角、このダミーを運ぼう。走り出そうとした道走だったが、異音が近くで聞こえ……それは近づいてきていることに気付き、上空からかと空を見上げた。

 

 そこには、ふくらはぎのエンジンから火を放ち、空を飛ぶ飯田天哉……インゲニウムの姿があった。

 

 何故、そこまで想像できなかったのか?道走はただ見惚れるしかなかった。

 

 飯田天哉のエンジンの馬力は、個性伸ばし訓練による酷使、さらに飯田家に伝えられるエンジン強化の方法、マフラーを引き抜き新たなマフラーを生やす『チューニング』により、凄まじい出力とスピードを出す事に成功。

 

 その最高時速は弾道ミサイルの速度まで出せるようになった……死柄木との戦いの時、飯田は『空を飛んだ』のだ。

 

 飛べるのだ、今代インゲニウムは空を翔ける!!

 

 空には阻むビルもカーブも無い!最短直線で!飯田天哉は助ける声の下へ、誰よりも早く辿り着ける!

 

 羽を捨て、空を捨てて走る事に特化した鳥では決して進めない本当の最短ルートで、インゲニウムこと飯田天哉は次々と救助ダミーを運んでいくのだった。

 

 

「お疲れー!委員長!!」

「最初から飛ばしすぎだぜ飯田、もうこれ以上早くの救助は流石に無理だろ!」

 

 グラウンドβから待機場へ戻ってきた飯田を、二年A組が迎える。もうこれ以上の全ダミー救助までの最短タイムはだせないだろうと、峰田がバシバシアーマーを叩いた。

 

「具来、お前のマッピングのおかげで円滑に救助ができた、感謝する」

「あ、ありがとうございます!ツクヨミ先輩!」

 

 常闇も今回は終始サポートに回ったが、チームアップした後輩、具来の助けがあったからこのタイムが出せたと労いの言葉をかけた。

 

 一年達は理解し、見せつけられた。一年間訓練してきて培ってきた経験、実力差……特にそれを理解させられたのがやはり……。

 

「はっ……はっ……はっ……」

 

 道走郎堂だった。

 

 勝てると思っていた、この街中に具来の個性と連携すれば、飯田天哉より早く救助できると。息切れで肩を上下させる彼に対し、飯田は汗こそ流してはいるが息を切らしてすらいない。

 

 陸上競技を制した自らの個性、そして鍛えた肉体でも、彼を追い詰めるなんて妄想に過ぎず……8つあった救助ダミーのうち、結局道走が救助出来たのは2つだけで、6つは飯田が救助した。

 

 息切らす道走に、飯田は歩み寄り……爽やかに笑って手を差し伸べた。

 

「少しは、キミに認められる姿を見せる事が出来たかな、道走くん?」

 

 認めるだと?道走は睨みつけるように飯田を見上げたが、しっかり胸を張り飯田と対面し、その目をしっかり見つめて手を取った。

 

「いえ、認めないとか、馬鹿な事言ってたのは俺です……インゲニウムはしっかりここに居ました」

 

 完敗だ。勝とうと思った事すら烏滸がましいくらいに……だが道走の心は、負けてなお晴れやかであった。

 

 憧れ(インゲニウム)は……確かにこの場に生きていたのだから。

 

 

 Aチームの訓練が終わり、Bチームがグラウンドβへ入場する。Bチームね二年生は、この2人が組む事になった。

 

「それでは、行きましょうか耳郎さん」

「飯田があんなに早く終わらせたから、ちょっとプレッシャーかかるなぁ」

 

八百万百、ヒーロー名『クリエティ』

耳郎響香、ヒーロー名『イヤホン=ジャック』

 

 女子2名の二年生に対し、一年生からも1人、女子生徒がBチームに加わった。

 

「先輩方々、どうぞよろしくお願いします」

 

 それはヒーロースーツと呼べるのか、振袖ベースのヒーロースーツを身に纏った、黒い長髪の女の子が、深々一礼した。いかにもな大和撫子な彼女は改めて二人に名乗る。

 

「紙式折絵と申します、ヒーロー名は……コチョウランです」

「あ、ああー、これはどうもご丁寧に」

「こちらこそ、よろしくお願いいたしますね?紙式さん」

 

 その礼儀正しさに、思わず釣られて一礼した耳郎、慣れたように笑顔で一礼する華やかな空間が出来上がっていた。

 

「うは!マジ?両手に花どころかハーレムじゃん!」

 

 そんな空間を濁すような声を上げたのは、茶髪にチャラついた雰囲気の少年だった。派手なヒーロースーツがより軽薄さを際立てた。

 

「ちっす先輩方々、俺は晴日軽二郎っす!テンション上げてチャチャっとクリアしちゃいましょーー!」

「こ、これまた灰汁の強い方が来ましたわね」

「何だろう、うちの上鳴と峰田が合体した雰囲気を感じるんだけど……」

 

 女子3人に男子1名のハーレムにマジアガる!と、後輩の態度に八百万と耳郎は困惑し、同じ一年の紙式は顔をしかめた。

 

「つかどっすか?先輩達、これ終わって放課後とか空いてません?仲良くしたいんで連絡先とか━━ってぇ!?」

 

 いかにもな態度で、そのままナンパを始めた晴日に、紙式が尻を蹴り上げた。

 

「申し訳ありません、この方ヒーローらしからぬ軽薄な性欲猿でして……」

「ちょっとぉ、勘弁してよ折絵ちゃあん」

「名前で呼ぶ事を許した記憶はありませんが?」

「痛い!やめて!サーセン!マジサーセン!!」

 

 ゲシゲシと何度も紙式に蹴られて、戯れるように謝る晴日を見て、耳郎と八百万は大丈夫なのだろうかと心配するのだった。

 

 




新一年生紹介!

晴日軽二郎(はれひけいじろう)

妄想Cv.白石稔

ヒーロー名:パリピヒーロー"爆アゲ⭐︎Knight"

雄英高校の新一年A組の、お騒がせ野郎!茶髪に高身長で顔はいいけど、いかにもな軟派なチャラ男そのものだ!美人には目がないし、軽薄ではあるが根本は紳士な為、絆されたらハマっちゃうぞ!実際、ヒーロー目指す理由も女の子にチヤホヤされたいからだ!


個性は"テンション"!自身の精神の高揚度により、身体能力が向上する!最高潮までテンションが上がるとトップヒーロー並みの戦闘力になるぞ!逆に萎えるとクソ雑魚ナメクジだ!!
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