※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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437話 騒がしくて、強い奴

「っしゃい!俺ら4人でさっきより早いタイムだしちゃいましょーー!」

「最速のインゲニウムと、うちのランナーキングで出したタイムより早くなんて無理にきまってるでしょ?」

 

 晴日が、最早超えるのは不可能な理論値タイムレベルで救助を終えたインゲニウム先輩より早くクリアしようと意気込みを露わにすると、紙式が溜息を吐きながら位置についた。

 

「ま、まぁその向上心?気持ちは大切ですわね」

「ヤオモモ?この子そんな風に考えてないよ、うちの上鳴といい勝負だよ」

 

 彼のそのやる気を真面目に向上心として捉えた八百万に、耳郎はそんな事考えてはいないよこの手のちゃらんぽらんはと、同じクラスで同じタイプの上鳴を例に挙げた。

 

「まぁ見ててくださいよ先輩方々、俺の個性と活躍見たら見直してマジ惚れしちゃうかもよ?」

「ほんっっとにやめなさい、恥ずかしいから……うちのがすみません先輩方々……」

「あはは……」

「苦労なさってますのね……」

 

 クラスメイトが恥を上塗りする様に苛立ち、その尻拭いに頭を下げる紙式に、耳郎も八百万も彼女の気苦労を労わるしかできなかった。もしかしなくても、彼と組むと他のクラスメイトもこんな感じになるのか……そんな心配を他所に開始のブザーが鳴った。

 

「耳郎さん、救助ダミーの捜索を!私は移動手段を確保しますわ!」

「オッケーヤオモモ!」

 

 即座に連携をとる八百万と耳郎、八百万は自身のヒーロースーツから晒した地肌から光を放ち、ズズズズと皮膚から何やら機械が浮き出してきた!

 

「うお!?役得━━」

「見るなバカ!」

 

 個性使用の関係上、八百万のヒーロースーツは露出度が高い。その様を見ようとした晴日に紙式が頭を叩いて起こるが、そんな時間すら与えないと造られた物に、紙式は絶句した。

 

「何これヤオモモ!?めっちゃヒーローっぽい!!」

「エアグライダーですわ!さぁ乗って!貴方達も!」

 

 こんな複雑で巨大な移動手段を……システムからエンジン機構、バッテリーまで再現して彼女は即座に作り上げた。これが、万物ヒーロー『クリエティ』の個性"創造"かと、紙式も先輩に追いつかねばとヒーロースーツの左袖を捲った。

 

「ご安心を、先輩の手を煩わせたりはしません!」

 

 紙式は、その袖から晒した細い左前腕を右手で掴み、なんと!皮膚を引き剥がしたのである!

 

「「!!?」」

 

 麗しい大和撫子らしからぬ豪快な自傷行為に八百万と耳郎は目を見開いた!この子突然いきなり何やってんの痛い痛い痛い!?

 

 と、なる二人だったが、紙式の左前腕の皮膚は全く傷も皮下組織も晒される事は無く、何事も無い綺麗な細腕がそのままあった。

 

「それっ!」

 

 代わりに右手に現れたのは大きな『紙』!!彼女はそれを空中で凄まじい速さで動かせば、その形は変わり……なんと!人の大きさはあろう『鶴』ができあがったのであった!

 

「式紙顕現!」

 

 そして、その折り鶴はまるで命が吹き込まれたように大きく翼を羽ばたかせ、式紙はその背中に跨れば見事に浮き上がったのである!

 

紙式折絵(かみしきおりえ)!

 

ヒーロー名:『式紙ヒーロー』"コチョウラン"!

 

個性は『式紙』!

 

 自身の身体から取り出せる『紙』を、折ったり切ったりして、様々な動物や武器を顕現させる事ができるぞ!八百万同様自らの脂質を使うが、効率は彼女の方が遥かにいいぞ!

 

 ただし、紙だから炎や水は弱点だ!あと紙を出す時ちょいグロいから、その辺りは彼女も考え中だ……いや子ども泣いちゃうよ!!

 

 

「では、参りましょう先輩━━」

「っしゃおりちゃん!行こうごぁ!?」

「あんたは自分でついてきなさいな!」

 

 では参ろうと先輩二人と共に空から救助ダミー探そうとした紙式が言い放ち、まるで当たり前とその背後に同乗し、腰に手を回した晴日を肘打ちで落とすと、そのまま折り鶴は羽ばたき空に上がる。

 

「えぇ!?あ、あの、いいんですの紙式さん!?」

「その方はどのみち自分で着いてこれますから構いません!」

 

 流石に酷くないかと八百万は焦るが、構わず行こうと言うので、八百万は耳郎を共に乗せ、晴日を置いてグライダーは浮上した。

 

「ま、まぁそう言うなら、とりあえずうちが探し出すから順次回収していこう」

 

 下手したら上鳴や峰田より扱い悪くないか?そんな事を思いながら八百万のグライダーに同乗し、浮上した耳郎が、脚部スピーカーに耳のイヤホンジャックを差し込み、スピーカーを起動する。

 

「新技……いくよ!」

 

 放たれたのは、聞こえるか聞こえないか、かすかな音。しかし空気は震え、その音は耳郎の周囲に伝わって……そして彼女の頭には詳細な地形や、建物の形が入ってきた!

 

『響鳴探知(ビート・ソナー)』

 

 それは耳郎響香の、新たな技であり、個性の使い方である!本来彼女の索敵や捜索は、壁や地面に自らのイヤホンジャックを当ててその音から探し出すのだが……この場合だと『動く物』しか探知できない。

 

 大戦を超えた彼女は、あるヒーローの下復興活動で派遣されて行動を共にした。

 

『ギャングオルカ』である、シャチの個性を持ち、シャチにできる事ならできる彼は、シャチの使用する『クリック音』による『エコーロケーション(反響定位)』を知り、自らの個性でそれを再現したのだ!これにより、動かない対象物も詳しく所在を割り出す事ができる!

 

「見つけた、近場のビルの中に救助者確認!」

 

 早速一つ見つけたぞと声を上げた耳郎!

 

「どのビルっすか!イヤホン先輩!」

「!!?」

 

 それを、いつの間にか八百万達のグライダー、紙式の折り鶴と同じ高さまで飛んで来ていた晴日が返事したのだった!

 

「あ、あんた!?一体どうやって……!?」

「跳んだんっすよ!こんくらいの高さだったらマジらくしょーなんで!要救助者どこっすか!」

「そ、そこのビルの三階……」

「ウェッシ!任されたっす!!」

 

 晴日は自然落下しながら、耳郎が示した救助ダミーの置かれたビル屋上に、そのまま着地して受け身を取り、軽やかな身のこなしで窓を割って侵入!そして、救助ダミーを抱えながら窓から飛び降り、そのまま着地して救護地点にダミーを抱えて向かったのだった。

 

「い、一体彼の個性は何なんですか?」

「身体強化系?砂藤みたいな……」

 

 八百万はこの数十秒の、彼の行動の速さに、自分たちと同じ高さまで『跳躍』し、ビルから飛び降りて無事な『脚力』と『頑丈さ』に、何の個性なのかと驚愕した。

 

「あの方の個性は"テンション"精神の高揚具合で身体能力が上がるらしいですの……おかげで騒がしいったらありません、その癖馬鹿みたいに強いから余計に苛立ちますの」

 

 晴日軽二郎(はれひけいじろう)!!

 

ヒーロー名:パリピヒーロー"爆アゲ⭐︎Knight"

 

 個性は"テンション"!

 

 自身の精神の高揚度により、身体能力が向上する!最高潮までテンションが上がるとトップヒーロー並みの戦闘力になるぞ!逆に萎えるとクソ雑魚ナメクジだ!!いいねキミ!!俺と相性最高じゃん!(プレゼント=マイク談)

 

「そんじゃあこのまま!じゃんじゃん助けちゃいましょーーい!!」

 

 救護地点にダミーを優しく置いた晴日は、腰を振り腕を振り、耳のイヤホンから流れるクラブミュージックでリズムを刻みながら、再び空へ『跳躍』し、八百万達に再度合流するのだった。

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