※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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464話 †楽園⭐︎建造†

 理解しがたい事が起きていた。

 

「は!はぁっ、いや、いやぁああ!」

 

 ヒーロースーツを身に纏えば、ヒーロー。しかし"彼女"は、その責務を放棄して、今背を向けていた。

 

 戦う覚悟はできていた筈なのに、職場体験、仮免試験、インターンを越えた。そしてそれなりなプロヒーロー事務所に就職して、サイドキックになった。

 

 AFO、死柄木弔との戦いも、主戦場から離れた有象無象の中で生き延びた。辞めなかったのは『打算』だった。

 

 枠が空いたと思ったのだ、ここから多少の活躍をすれば、それなりの地位と名誉を得て、楽な生活できるのではと。ヒーロー飽和社会から一転した不足の最中、活躍の場はあると思った。

 

「何で、何でよぉ!もう、居ないはずじゃない!!倒された筈じゃないい!!」

 

 逃げる、必死に逃げる。

 

 突然の襲撃だった。理不尽な災害としか例えようが無い、自身の力と個性では、勝てない『化け物』から、彼女は必死に逃げる!

 

 無様でもいい、逃げさえすれば、助けを呼びさえすれば!入り組んだこの街を抜けさえすれば!大丈夫だと、差し込む光を見つけて彼女の恐怖は和らいだ。

 

「た、助け━━」

「はーい残念」

 

 その手が光に届く事は無く、最後に彼女が聞いたのは、少女の声。そして……最後に見たのは。

 

 別たれ、ピンク色の中身を散らした、自らの"腰より下"であった。

 

 

 

「すっごーい!見て見てミカエル!真っ二つ!!試運転バッチリね!!」

 

 嬉々として返り血を浴びて、巨大な『露出した脳に目玉が取り付けられた化け物』を引き連れて、学帽という今や絶滅危惧種な珍しい物を被る詰襟の少女は、錆びた配管に、打ち捨てられた機材が並ぶ空間……そこから、まるで『そこだけ』は、異空間の様に、最新の機材に、巨大な硝子の円柱が並び、同じ様な化け物達が並んでいた。

 

 その空間の奥、これまた異空間の実験室に似つかわしく無い派手な玉座には、白の詰襟を来た銀髪に片目隠れの儚げな少年が、黒の学帽を被った詰襟の美少女から報告を受け、笑いかけた。

 

「尖兵の動作確認は問題ないようだねガブリエル、神託を得たあの日から、それに従い来てみれば見事な物だよ」

 

 玉座より立ち上がり、階段を降りながら並ぶガラス管の中の化け物いや……『脳無』と世間では言うらしいが、銀髪の少年は『尖兵』と呼称した。

 

「ラファエル、他の尖兵が作成完了するまであとどれくらいかかる」

 

 銀髪の少年が呼ぶは、様々なモニターを前にキーボードを操る眼鏡の少年。彼もまた詰襟ながら、かつての『帝国軍人の様なブーツ』に、白衣を纏い、応答に答える。

 

「一週間かな、そもそも凍結された物の再起動に調整に、ただ動かすだけじゃないんだこの子達……そうやってミカエルの指示を聞かせるまで、どれだけヒーローを殺させたか……それで13人目だ、ここの子を全部そうするなら年単位の長丁場になる」

 

 真っ二つにされた女性ヒーローを見下ろして、引き摺られた『ワタ』を見下ろし足の甲で弄り、汚らしいと蹴り避けた。

 

「キミの叡智でもっても、それだけかかるか?」

「作った人がイカれだからねぇ、学会を追われた悲劇の天才にして、AFOの懐刀が作った、ヒーローを追い詰めた発明品なんだから」

「ならば……天使部隊を先に整えなければな」

 

 歩きながら顎に手を当て歩く銀髪の少年は、指を鳴らせば天井より、青い翼を広げて舞い降りた同じ黒詰襟の少年が跪く。

 

「ウリエル、ガブリエルの"愛"の効果はどうだ?」

「はっ、既に楽園への入園を希望し、天使となる事を決めた者達が全国で1000は超え、下界にて終末のラッパを待っております」

「……まだ増やさねばならない、楽園への道は生半可にあらず、か……ガブリエル?引き続き増産した愛を天使に経由して配らせ、新たなる天使を増やすよう」

「はぁい!ミカエル様!」

 

 るんるんと、スキップを刻み詰襟の美少女は機械仕掛けの玉座より出て行った。銀髪の少年もまた、玉座の階段を登り、再び座して呟やく。

 

「楽園は僕達が必ず作り上げる、神託にて得た尖兵と星から賜ったこの異能で……僕達が世界を支配するんだ……」

 

 天使の名を嘯き、救世を歌う少年は、その時を待ち笑みを浮かべるのであった。

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