【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
帰り道の中、スマホでヒーロー公安委員会をネットで調べては見たが、それこそ公安の男の言う事務仕事だの、免許発行くらいしか無かったので調べるのを諦めた。
ミッドナイト先生はやめろと言った、あれだろうか、政府の意にそぐわないヒーロー暗殺をしたりする部署でもあるのかな……こーわっ、となりながら自宅への道を進む中……。
「でさーー……げっ!?緑谷!?」
「やべぇ!?逃げろ!!」
「うん?」
見知った制服が、曲がり角から緑谷を見て引き返して逃げて行った。今のは、確か折寺中学の2年生……今3年の奴らだったか、久々に中学生に会ったかもしれない。そうして歩いて帰ると……自宅前に、誰か居た。
「すごいわねー雄英に受かったんですって!私も鼻が高いわ、ねぇ引子さん?今からお食事なんていかがかしら」
『帰ってください、しつこいですよ』
「そんな事言わずに、ね?ね?」
嫌な事を思い出す、ああ……本当に。緑谷はインターホンにしつこく食い下がる女の襟首を後ろから引っ張り、思い切りコンクリの地面へ引き倒した!
「ぎゃあ!!だ、誰ーーあーー」
顔を見下ろした緑谷は、その醜悪な、そして身なりもまるで不衛生な女に吐き捨てた。
「とっとと消えろよ、おばさん……縁切ったのはあんただろ?」
「い、出久……ちゃんじゃない、やだわぁもう、そんなのただの口からのごぉ!!」
猫撫で声で擦り寄り立ちあがろうとした、脂ぎったボサ髪の女の首を掴み無理矢理に立たせ睨みつけ、緑谷は怒鳴り散らした
「失せろ!!本当に殺してやろうか!!」
「ひっ!!いやぁああ!!人殺し!!何がヒーローよ!ヴィランよ!!呪われたガキ!皆さん!ここにヴィランがいますーー!!」
そう叫んで手を離すと、女はその醜い豚のような体らしからぬ早さで叫びながら走り去ったのだった。
『お帰りなさい、出久……』
インターホンから母の声を聞いて、ふうとため息を吐いて、嫌になるなと頭を掻きながら母に聞いた。
「また来たんだおばさん……金の無心?」
『ええ、貴方が入学してから……』
本当に大人は汚いよな峰田くん、そう実感しながら緑谷は自宅のドアを開けた。
「何かさ、母さん…‥おばさん不衛生じゃなかった?数年前とか身なりよかったし」
「従兄弟が受験失敗するわ夫がリストラされるわで、色々あったみたい」
緑谷家は……中々に裕福な家庭であった。母である引子が専業で働きに出る必要が無く、父はアメリカで単身赴任で働くデザイナー、トレーニング器具は全て買い与えて貰ったし、学費も払えている。現在のマイホームも数年前にローンが完済しているのだ。
出久の個性による、個性差別から両親の親族親類は、全て絶縁している。それは出久を守る為の防衛策だった、ヒーローになりたいと抗う息子のために、2人は覚悟を決めてこの道を選び、勝ち得た生活ともいえよう。
成功には、ああいった輩が羨み、蜜を吸いに群がる……母の姉、おばさんがそうだ。彼女からすれば、嫉妬の対象でしかないのだから。
「あのさ……僕、一人暮らしするからさ、だから母さんアメリカに……」
「ダメよ、アンタがヒーロー事務所に入るまでは、私が貴方を守ると決めたのだから」
いつも、こう言ったらダメだと言われる。ありがたい事だけど、いい加減もう、こんな心労に晒されなくていい筈だとテレビを見た。
偶々『ヒーロー殺し、ステイン』なるヴィランのニュースが映った。今更ながらだが……飯田の兄でありヒーロー『インゲニウム』が彼により再起不能になったのを知ったのも少し前の話だった。
彼は大丈夫だろうか、下手な事をしないといいのだが。ソファでテレビを見ながら、職場体験先の届出、グラントリノの事務所の住所……そして、公安の名刺を眺める。
公安……ミッドナイト先生からやめろと言われた場所。けど、もしも、今の母を助けて欲しいと相談したらどうにかしてくれるのだろうか。名刺の裏面の番号を眺めながら、出久は母に尋ねた。
「母さんはさ、僕に……どんなヒーローになって欲しい?」
「んー?」
母が僕に求めるヒーロー像って何だろうか、それを尋ねると、母の引子は何を当たり前なと即座に答えた。
「前にも言ったでしょう、一番じゃなくても、強くなくてもいい、皆を助けて笑顔にできるヒーローになりなさいって」
「そっか……」
特別は要らない、頼りになるヒーロー……か。緑谷は全ての紙片を持ち、部屋に戻った。