※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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475話 †虐待と⭐︎復讐†

「え、え?待って……ち◯こ切るのと声が変わらないのって関係あるん?」

 

 上鳴は、雨谷が有名人な子役だった事を今知った身の上ではあるが、唐突に語られた親からの虐待と声変わりに何か理由があるのかと、顔面蒼白になって皆に尋ねた。

 

「…………カストラートですか」

 

 これに答えたのが緑谷だった。

 

「総大将、カストラートって?」

「待った、何か……音楽の授業でやった記憶あるぞ?なぁんだっけ……」

 

 知っているのかと上鳴が尋ね、瀬呂も確か聞いた事あるが何だったかと記憶を掘り返すように呟く、緑谷はその単語が何なのか説明した。

 

「声変わり前の男児の聖歌隊の声を残す為に行われた方法……その歌手の事だよ……去勢してボーイソプラノを残す為に行われたんだ」

 

 カストラート……16世紀のイタリアを起源とする去勢手術を課せられた男性歌手の事を指す。声変わり前の男児に去勢手術を課して、男性ホルモンの分泌を抑制し声変わりを抑え、肉体的な成長をしながら男児独特の力強く甘美な声を残す為に行われた非人道的所業より生まれた産物。

 

 その声は『天使の歌声』と称され、女性でも再現できない美声で、甘く、野性的でそれでいてとても官能的だったと言われる。

 

 雨谷誘魅は、そんな声を持っていた。それを残す為に母親は去勢させたという事かと、男性陣は皆股座が冷たくなる感覚を覚えた。

 

「それで母親は逮捕されまして、雨谷くんは引退してこちらに通っていたのですが……」

「いじめの対象にされたと」

「はい……」

 

 芸能界という後ろ盾を無くして、あまつさえ身体的に酷い扱いと、母親からの虐待じみた性を否定する教育や凶行により、彼を助ける者は少なかった。それを助けたのが、ミカエルこと常川で、その身を挺していじめから守っていたという流れであった。

 

 自分も無個性でいじめられている身でありながら……彼にも良心はあったのかもしれない。

 

 そして今は、何処からか個性を手に入れてヴィラン犯罪に至ったのかと、ヒーローとインターン生は纏めたのであった。

 

「他に、彼らと親しい子は居ましたか?」

「はい、二人……彼らも姿を消して……一人は常川くんと共に、神野の監視カメラに映っていた門脇元次くんで、もう一人は那由多解理くん……この四人がよく一緒に行動していました」

 

 更にもう一人、あの広場に居た主犯格と、仲のいい友人の名前を聞いたシンリンカムイが立ち上がった。

 

「彼らの学んでいた教室に行っても?手がかりがあるかもしれない」

「あ、はい、今は移動教室で生徒は居ませんから、ご案内します」

 

 

 荻野により、常川達が所属する二年の教室へヒーロー達は案内された。その目にまず入ってきたのは……。

 

「……花瓶がこんなに」

「避難生活の時に、逃げ遅れたり巻き込まれた子達です……」

 

 およそ40人のクラス、その3分の1程度の机には、花瓶と遺影が飾られていた。あの戦いの中、こんなにも被害は出ていたのかと目視で皆が見せつけられる。

 

「その、失礼ですが他のクラスや学年も?」

 

 あまりにも多すぎる為に、Mt.レディは一応確認と尋ねる。他のクラスや学年も、同じ様に被害があったのかと、その質問に荻野は少し沈黙の後に答えた。

 

「……ではないです、確かに全クラスや学年とまではいいませんが、あの避難生活の期間で亡くなってしまった生徒は居ましたが、このクラスだけが特に」

「これ、やってるよね?常川くん」

 

 緑谷は、もう回りくどく言うのは面倒だとバッサリ言い放つ。仕返しに殺したなと、避難生活の期間中に事故に見せかけて殺したなと。

 

 Mt.レディにシンリンカムイも、まぁ話を聞いて思いついてしまうわなと顔を顰めたが、それを言ってしまうかとクラスメイトの上鳴に瀬呂、峰田は緑谷の即断に各々他所を見たり眉間を押さえて上を見たり、頭を押さえた。

 

「イズク……ちょっとその、オブラートに包もうよ?」

「包んでそれで見なかった事にできればいいんですけどね……しっかり直視すべきですってルミリオン、常川法水は避難期間中に個性を手に入れて、いじめの復讐を為したんだ」

 

 ルミリオンこと、通形からも断ずるには早いし少し言い方を柔らかくと諭されたが、それで直視せず触れずなんて出来るわけもなしと通形の優しい論調を否定して、教室に入った緑谷は荻野先生に尋ねた。

 

「荻野先生?お聞きしますけど、この亡くなった生徒達の中で、常川くんをいじめていたのは……」

 

 聞き難い事をズケズケと、しかし誰かがやらねばならない事である。この亡くなった生徒達の中で、誰が常川と雨谷をいじめていたのか?尋ねた緑谷に、荻野は震えながら言った。

 

「……全員です、私の知る限り」

「やっぱりね」

 

 今ここに花瓶と遺影を添えられた全員が、二人をいじめていた。手に入れた個性によるいじめへの復讐と、勢い付いてのヴィラン犯罪。典型的な無個性コンプレックスのぶり返しかと。

 

「先生、彼らの私物があれば改めさせて貰っていいですか?」

「構いませんが……ありますかね、何せ避難生活から登校すらせずに失踪してたので……」

「じゃあ手分けして探しましょうか」

 

 シンリンカムイが話を断ち切る様に尋ね、荻野は常川の机を指差して私物を改める事を許可した。Mt.レディの号令の下、シンリンカムイも教室に入り、他の面々も続いた。

 

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