※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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483話 突入

 急襲!!その二文字そのものとばかりに、脳無達が溢れ出す!!

 

「反抗して来たな!ならもう容赦はしない!」

「突入!突入ぅうーー!!」

 

 今現在集められた近隣のプロヒーロー達が、廃工場へ一気に流れ込み脳無達と交戦を開始した!徹底抗戦のつもりで脳無を解き放って来た廃工場入り口の敷地に、緑谷と光、そして通形も突入した!

 

「イズク!俺は捕まってるかもしれない人が居ないか探すよ、捜索願いがいくつも出てたんだよね!」

「了解です!ヒカリ、僕たちも工場内に入る!無理はしないで!」

「了解です!」

 

 通形は早速『透過』を使い、廃工場の残骸やパイプを無視して内部に最短ルートで入っていく。対して緑谷は、敷地内に入るや周囲を注視しながら駆け抜けた。

 

「広いな、何の工場だったんだろう……」

「雄英の運動場γみたいですね」

 

 それにしても広いなと緑谷は呟く。本来ならバスやらで移動が当たり前だったのかもしれない廃工場内道路を走りながら、深部へ向かう緑谷と光。見た目だけなら自分たちが普段から訓練で使う運動γそのものだと、光も思って呟く。

 

 これは虱潰しに探したら日が暮れるぞと、緑谷の頭にそう過ぎった。何か、敵の手がかりになる物は無いかと辺りを見回し、T字路に差し掛かった所……。

 

「!!」

 

 緑谷の肉体が"気配"を感じ取ったのだ。そして突然足を止めたので、光も驚いて立ち止まる。

 

「ど、どうしたんですか、緑谷先輩?」

「こっちだ」

「え、あ?何がです?」

「敵は、ミカエルとやらはこっちに居る」

「何で分かるんですか!?」

「あー……勘!」

 

 緑谷が突然、そんな事を言い出しながら、右へ歩いて行き、鉄錆びたドアの前に立つ。経年劣化して開けるのにも苦労しそうなドアを、緑谷はドアノブを捻りそしてすんなり開いた。

 

「誰か油さしたかしたな、出入りのためにそうしたのかも……行くよ」

「は、はい」

 

 見た目よりすんなり開いた鉄製ドア、手入れされているのはつまり、出入りしていたと見て取れる。すぐ目の前に数段降りる階段があり、緑谷と光はそこを降りて廃工場内部に侵入した。

 

 かつて動き続けた工場内は、何かを運ぶベルトコンベアやら機械、打ち捨てられたダンボールには埃が被り、換気窓からの光が妖しく照らす。

 

 緑谷は感じていた。

 

 合同勉強合宿で現れた"因子結晶の怪物"と同じ……AFOの気配を。その時よりも薄いが、確かに感じ取った緑谷は廃工場の奥へ進んで行く。

 

 そして……奥に地下へ降りる階段が、蛍光灯に照らされているのを発見した。電気が通っているのだ、廃工場なのに。

 

「行くよ」

「はい」

 

 降りていく、いやに長い階段が、コツコツと音を響かせる。やがて、階段から繋がる先の空間に出ると、緑谷と光は眼科に広がる景色に驚かされた。

 

「な、何ですかここ……」

 

 光が思わず呟く。降りる時にも耳に入っていた機械の駆動音、そして今二人がいる作業通路の下には、ケミカルな溶液に満たされた巨大なガラス管が立ち並んでいる。中には、拉致されたらしい学生だけじゃない、行方不明となったヒーローにサイドキックや、ただの社会人までも、無差別にその溶液につけられて管に繋がれていた。

 

「……脳無工場、AFOの遺産の一つだろう」

「脳無工場って……これが!?」

「見たのは2度目だ、ちょっと待って、ルミリオンに連絡を━━」

 

 緑谷は、地下に脳無工場を見つけた事をルミリオンに伝えるためスマホを取り出す。その瞬間だった!作業通路が一際大きく揺れたのだった!

 

「おお!?」

「うぁああ!」

 

 二人して欄干に身体が当たり、体勢を崩す!その原因は目の前に、すでに現れていた!

 

 黒色の肌に筋骨隆々の肉体に露出した脳!即ち脳無!!しかも、今ヒーロー達や警察が対応している下位個体とは違う上位個体が現れたのだ!

 

 そして、その質量が作業通路に一気に負荷をかけ……。

 

「うわぁあ!?」

「しまっ、光くん!」

 

 作業通路が倒壊!光と緑谷の間にちょうど溶接部があったらしい、光と緑谷はそれぞれ違う方向に、緑谷は脳無ごと落下していく!

 

 この時、緑谷は引き寄せで光の元へ駆けつけるべきか考えた。しかし!今自分の方に上位脳無が居て、自分が光の方に行けば追跡してくるだろうと考えた。その場合、光を庇いながら戦わねばならぬため、制限されると答えを出した。

 

 だから!緑谷は倒壊した連絡路から飛び出して、床に着地した緑谷は脳無がこちらを凝視している事を確認してから、光に言い放つ。

 

「光!ルミリオンに、ヒーロー達に脳無工場を見つけたと連絡しろ!それからキミは、脱出路を探してヒーロー達と合流するんだ!頼む!」

「り、了解です!!」

 

 声だけは、配管やらを通して聞こえた。そして降り立つ上位脳無を前に、緑谷が構えを取った。

 

 雄叫びをあげて、脳無が凄まじい踏み込みで突貫し、その巨椀を伸ばし緑谷に掴み掛かりに行く!

 

 しかし!!緑谷はその場を跳躍し、脳無の頭上にまで新体操のように身体を捻りながら自らの肉体を天井へ引き寄せで高度を上げ、脳無の頭部を両手にて掴んだ!!

 

「っしゃぁああああああ!!」

 

 ぼごぉん!!

 

 響き渡る破裂音と共に!!上位脳無の頸部の筋肉は引きちぎれて脊髄を引き摺り出されて頭部について行き、やがて血を撒き散らしながら頭部を失った肉体は勢いよく倒れた!

 

 そして!ぶっこ抜いた緑谷はその頭部を床に叩きつけて思い切り右足で踏み抜き、脳漿も粉砕したのであった!

 

「ひ、ひぃいいい!?」

 

 その瞬間、悲鳴が上がった。何事かと悲鳴の聞こえた先を見れば、ガラス管の隙間からこちらを見ていた者を緑谷は目撃する。

 

「お前……!」

 

 改造したナチ制服と、眼鏡をかけた少年。それは、常川や雨谷同様姿を消した少年……那由多解理!やはりこの少年も、ヴィラン活動に噛んでいたかと緑谷の瞳が禍々しく赤く光り、那由多に照準を合わせた!

 

「く、くそ!捕まってたまるか!!まだ手はある!!」

「待て!!」

 

 ガラス管や配管を掻い潜り逃げ出す那由多に、緑谷は追跡を開始した!

 

 

 

 一方、緑谷と逆に落下した光は、ルミリオンやプロヒーローに、脳無工場を発見したことを報せるためにスマホを取り出した。

 

「ああもう!圏外か!!」

 

 が、地下に降りたからか、アンテナは圏外と表示されてしまっていた。キャリアが弱いからか、そんな事は今はいい!緑谷先輩に言われた様に、プロヒーロー、ルミリオン先輩と合流せねばと、辺りを見回す。

 

 先程入ってきた連絡橋は壊れてしまい、塞がってしまった。だが、あれだけ地上に脳無が溢れて来たならば、他にも出れる場所がある筈だと辺りを見回すと、視界の奥にドアを光は見つける。

 

「あれだ!」

 

 光は早速そこまで走り、ドアノブを捻り引いた。鍵はかかっていなかったので、そのまま登り階段が伸びており、光はそれを駆け上がる!

 

 駆け上がった先に光がさすドアがあり、体当たりで飛び出して周囲を確認すれば、また違う廃工場の内部に光は飛び出した。

 

 喧騒が響いている、ヒーロー達がまだ脳無と戦っているらしい。ここなら繋がるかと、光がスマホを取り出した瞬間!

 

「ギシャアアアアーー!」

「あ!?」

 

 声の方向へ、光は即座に向いた。青白い肌の脳無!廃教会で通形と緑谷が対峙し、今もプロヒーローたちが戦っている個体!それが飛びかかってきて後ろへ跳ねて回避すると、スマホを弾かれてしまった!

 

 そのまま殴りかかってくる脳無に、光の体は強張る!初の実戦戦闘、しかも相手は改造人間の脳無!下位だろうが、緑谷と通形が全滅していようが、光にとっては恐怖が勝る!

 

 防御すれば骨くらいで済むか!?顔面に振り下ろされる拳に対し、十字を両腕で顔面の前で組み盾の様にして防御体勢を取る光!

 

 しかし……拳は途中で止まった!

 

「!!」

 

 光は見た!ガードの隙間から、脳無の右腕に絡まる包帯を!

 

「光くん!撃って!!」

「やぁああああ!!」

 

 技の名前すら叫べず、気合いの方向を上げて光の両前腕が輝き、十字の光線が照射!!脳無の頭部はそれに焼かれて焼失し、痙攣しながら倒れた。

 

 脳無の弱点は、その露出した頭部の脳漿。それを破壊すれば機能停止する、緑谷が言った事を思い出し、倒れる脳無を自分が倒した事をしかと理解しながら、脳無に伸びていた包帯の先へ光は目を向けた。

 

「絆定寺さん……」

「光くん……助けに来てくれたの?」

 

 恐らくは昨日攫われたままなのだろう、制服姿で埃やらに塗れた絆定寺綾は、ヒーロースーツのクラスメイトが現れた事に、安堵したのか顔が緩んだ。

 

「あ、えっと……学生ヴィランの本拠地を緑谷先輩が見つけて、今警察とプロヒーローがここに来て、僕はついてきたと言うか……」

 

 あくまで自分は、先輩たちのフォローであると、自分如きが『助けに来た』なんて言える立場じゃないと濁しながら、兎も角と光は絆定寺に言った。

 

「他にもプロヒーロー達が居るから、そこまで行こう僕が案内するから━━」

 

 まずは安全確保だと、そのまま廃工場から出ようとした光。しかし……凄まじい地鳴りが響き、突然建物が揺れた!

 

「きゃああ!?」

「な、何!?」

 

 思わず悲鳴を上げる絆定寺、光は近い場所から地鳴りが響き、建物まで揺れた事からしっかり床を踏み締め警戒する!

 

 そして、廃工場中央の床が砕け、崩落した!そこから何かが飛び出して、ズズンと地面を揺らして、光と絆定寺の前に着地する。

 

「あ、あ……」

 

 光は、足がすくんだ。だが必死に力を込めて何とか崩れ落ちるのを耐えて、絆定寺の前で体裁を保った。しかし、その程度しか虚勢を張れない無慈悲な現実が、そこに佇んでいた。

 

 さっき現れた、緑谷と自分の前に現れた、黒肌の怪物。明らかに気配が違うと、緑谷の背中越しにも光は理解したそれは……。

 

『上位個体』の脳無!!

 

 脳に埋め込まれた眼が、ギョロリと動いて、光と絆定寺の方に向くと、精一杯の声と精神で光は、絆定寺の前に立ちながら言い放つ!

 

「絆定寺さん!!逃げ━━」

 

 瞬間、絆定寺は見た。

 

 無慈悲に、あまりにあっけなく、クラスメイトの肉体が宙を舞い、廃工場の空間を飛翔して、壁に叩きつけられる様を。

 

「光くん!!」

 

 絆定寺が叫ぶも、光勝人は廃工場の壁に亀裂が走るほどの力で叩きつけられ、そのままもたれかかる様に崩れ落ちた。

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