※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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495話 日本ヒーロー絶望の日②

 悠々とその足は先程暴れた一階に辿り着き、やがて自分が突入させたフェラーリが残る正面玄関に辿り着く。という事は、あの獅子を騙る子猫ヒーローは、裏口から入ったかと首を傾げながら、襲撃者はフェラーリのフロントに足裏を押し付けた。

 

「よっと」

 

 力が加わる、それだけでフェラーリの約1500kgの車体が、そのまま道路まで宙を舞い喧しい音と共に横転、煙があがりだした。

 

 そのまま正面玄関をゆっくり出た瞬間……立ち塞がるヒーローがまた一人現れた。

 

「ほぅ、子猫の次はイルカか?」

「鯱だ、俺はギャング・オルカ……貴様、シシドはどうした!」

 

 鯱の頭にスーツを着こなすこの男!鯱ヒーロー"ギャング・オルカ"もこの事件に参じていた!先に中へ突入した好敵手シシドを退けた襲撃者に、ギャング・オルカが叫ぶように尋ねる。

 

「あの子猫なら……地下で伸びているが?まぁ両腕砕け頸椎まで壊れた感覚があったから、さっさと搬送せんと死ぬと思われるが?」

「貴様ぁ!!」

 

 その説明だけで、ギャング・オルカを煽るには十分だった!踏み込んだギャング・オルカの狙いは一つ!必殺技である頭部をぶつけ、敵に鯱の特性超音波を叩き込む『超音波アタック』!!

 

 それを知ってか知らずか、襲撃者はニヤリと歯を見せ笑い、息を吸いながら身体を逸らし……。

 

「ダァアッシャイ!!」

 

 頭を、ギャング・オルカの頭に振り下ろした!

 

「はぁあが!!?」

 

 鯱の頭部には、超音波の指向、収束のために使われる『音響脂肪』という器官が存在し、ギャング・オルカの頭部にも存在する。その脂肪は自分が頭突きを行う際や敵からのダメージを軽減する役割もあった。

 

 だが、それすら無意味とばかりに、ギャング・オルカは頭突きで床に叩きつけられたあげく、頭蓋を叩き割られて目や耳から鼻に至る穴全てから噴血したのだった!

 

「あ……お!?が……あ……!!」

 

 目の前が紅に染まる!酩酊じみた感覚に、立ち上がる事すら出来ないギャング・オルカのスーツの襟首を掴み、襲撃者は楽々と持ち上げた。

 

「軟いな、脆くてつまらん、貴様も去━━」

 

 そのままシシド同様の有様にしてやろうとした刹那、襲撃者は自らとギャング・オルカを包む影に咄嗟に手を離し横へ飛んだ。

 

 立っていた場所には、巨大な手のひらが思い切り振り下ろされて、ギャング・オルカは宙を舞い何かに引き寄せられる挙動で、また違うヒーローの近くにゆっくり下された。

 

「大丈夫か?ギャング・オルカ」

「が、あ……」

「ダメージジーンズどころではないな、すぐに病院へ!」

「シュア!!」

 

 ジーンズ生地のヒーロースーツを着込んだ、ファイバーヒーロー"ベストジーニスト"が、ギャング・オルカを救出しサイドキックに搬送を繋げた、そして!

 

「警察本部襲撃って、一体何が目的なのかしら?」

「私怨か?それとも何かの目的ありきか?理由が何であれ、ここで止めさせていただく」

 

 ラーカーズ所属のMt.レディにシンリンカムイ!さらに!!

 

「たった一人で随分派手にやってんじゃねえか」

「ここから逃げれると思うんじゃねぇぞ!」

「こんな騒動、死柄木以来かしら?」

 

 復帰して活躍著しいデステゴロ、更にはフォースカインド、リューキュウまで駆けつけて来たのだ。

 

 まさしく、日本トッププロヒーローの見本市だと言わんばかりに!たった一人のヴィランに彼らは集結したのだった!

 

「ほう?日本プロヒーローが勢揃いか……」

 

 襲撃者は周囲を見回し囲まれたと言うに、懐よりシガーケースを取り出し、タバコを1本咥えて余裕を示すように、指を鳴らし火をつけた。

 

「いいぞ、遊ぼうかヒーロー諸君……お!」

 

 遊んでやると余裕見せ、紫煙を吐いてタバコを口から離した瞬間、襲撃者の身体はビクンと震え硬直した。

 

「遊ぶ余裕が貴様にあるのか?」

 

 ベストジーニストの個性『ファイバーマスター』が、自らのデニム生地を操り襲撃者の動きを早速拘束!衣服を着ている人類ならば有効な個性が、襲撃者をその場に括り付ける!

 

 間髪入れず!そこにフォースカインドとデステゴロが飛び掛かり、剛腕と4本腕が殴りかかった!プロヒーローの現場合流からのチームアップ連携は容赦が無い!デステゴロの拳1つ、そしてフォースカインドの拳2つが襲撃者に叩き込まれた!

 

「!?」

「こ、れは!?」

 

 が、二人は冷や汗が吹き出た!殴った感触が伝わり、理解させられる!まるで巨大な山脈の岩肌を殴りつけたような、びくともしない重さと一切のダメージが与えられてすらいない虚無感がデステゴロとフォースカインドに突きつけられた!

 

「見てくれの割に下手な殴り方だな、いいかヒーロー?殴ると言うのは……」

「ぬぅあ!?」

 

 さらに起こる異常事態!ベストジーニストが拘束し身動きできない筈の襲撃者が、ギチギチと体から音を立ててゆっくり動き出したのだ!それに呼応するように、ベストジーニストの身体が逆に引っ張られるように動き始めた!

 

 様子を見ていたリューキュウやMt.レディも驚愕する!ベストジーニストの個性はかつてのAFOの産物ギガントマキアを、炭素繊維ワイヤーありとは言え拘束した!

 

 それだけの技量がありながら、逆に引き寄せられると言う事は……この襲撃者のヴィランが有する膂力は、それと同等である事を意味した!そして!!

 

「こうする!!」

 

 鳴り響く、大太鼓を打ち鳴らしたかのような打撃音。それと同時にベストジーニストが宙を舞い、襲撃者を殴ったデステゴロとフォースカインドがそれぞれ吹き飛び、建造物に当たって壁を砕いてようやく止まる。

 

「先輩達!!」

 

 Mt.レディの声が響き渡る、瓦礫に塗れた二人の胸板には、拳の跡がくっきり刻まれて、意識を一撃で刈り取られたのだった!二人の心臓は、襲撃者の一撃で心臓震盪を起こし心停止にまで至った!!

 

「ウルシ鎖牢!」

 

 それで止まるわけにはいかないとシンリンカムイが仕掛ける!腕より伸びた樹木が襲撃者目掛け伸びていき拘束に掛かった!

 

「灰燼滅拳……業火蜷乱!!」

 

 対する襲撃者は両手に紫の炎灯し樹木の波を払うように手を振るった!樹木を紫炎が飲み込み、やがてシンリンカムイに到達しかける!

 

「くっ!?」

「お?」

 

 が、シンリンカムイは、自らに火の手が回る前に樹木を自切して延焼を回避!シンリンカムイから生えた樹木は灰へ変わり消えていく!襲撃者は理解する、すでに警察から『火は消せない』事が伝わっているなと。

 

「まぁ、だからと言って」

「はぁああああ!!」

 

 シンリンカムイに視界が誘導がされた襲撃者の背後から!竜に変身したリューキュウがその爪を振りかぶった!

 

 それを見えていたのか、気づいて即座に反応したのかは知らない、襲撃者は横へ軽く身体を捻り爪の範囲からギリギリで避けて、跳躍し━━。

 

「貴様らが勝てる道理はないわけだが?」

「ご!?が!!?」

 

 身体を捻り放たれた回し蹴りが、リューキュウの首に叩き込まれ、嫌な音が響き、その巨体は倒れ伏す。さらにみるみる人間体に戻るや、身体を痙攣させ白目を剥いて痙攣する無様な姿を晒すのだった。

 

「許せよリューキュウとやら、まぁ手加減はしておいた、しばらくは要介護と━━」

「おぉまぁあえええーーー!!」

 

 怒りの咆哮を女巨人が上げて、神罰の如き拳が振り下ろされる!仲間たちが無惨に倒れ、Mt.レディがその拳を乱雑に振り下ろしコンクリートの地面を打ち砕いた!

 

「青いな、デクの棒!」

 

 そんな怒りに任せた大雑把な一撃が当たるかと、掻い潜った襲撃者が目指すはMt.レディの膝!その左膝に襲撃者は息を吸い、そして一気に吐きながら右の拳を叩き込めば━━。

 

「あ、ああが、ああ!!」

 

 呻きをあげるMt.レディ……その左膝は逆方向にへし曲がり、巨体がビルや建物を巻き込み仰向けに倒れ、砂塵を舞い上がらせた。

 

「馬鹿な……こんな事が……!」

 

 自らが個性を使ってなお振り回されて、更には同じ日本を代表するヒーロー達が、秒針が果たして一周回ったかも分からない時間で、死屍累々の惨状に変わり果てて、ベストジーニストはそう吐くしかできなかった。

 

 そうなってようやく理解する!

 

 今、目の前で悠々と立ち、汗ひとつ流さず勝利の一服をお先に堪能するこのヴィランは!

 

 AFOや、死柄木弔よりも強さを持つヴィランであると!!

 

 残るはシンリンカムイと、ベストジーニストのただ二人。それを眺めタバコをフィルターギリギリまで吸い終えた襲撃者は、紫煙を吐いてから吸い殻をその紫炎で灰にして処理した。

 

「全く……暇つぶしにもならなんだわ、エンデヴァーやホークスでも居ればまだ違ったろうに、日本プロヒーローの戦力枯渇は深刻だな」

「黙れ!これ以上はやらせん!!」

「私たちで貴様を止める!

「できるのか?安物量産品と枯れ枝二人が?ならば……止めて見せろ」

 

 襲撃者は片手をあげて、紫色の炎を灯し、やがてそれは強大に膨れ上がらせた!エンデヴァーの『プロミネンスバーン』にも匹敵する熱が!周囲一体を焼き尽くさんと巨大になっていく!

 

「灰燼滅拳!!業火蹂り━━」

 

 その巨大な紫炎が、地面に叩きつけられて一体を灰燼に帰さんと振り下ろしかかった瞬間!!

 

「ウオシャアァアアアアーーー!!(させぬぞ!!怨龍!!)」

「むっ!?」

 

 雄叫びと共に!遅れて参じた一人のヒーローが、その紫炎を巨大な『泡』で包み込み、霧散させ!横腹に蹴りを叩き込み襲撃者『怨龍』を吹き飛ばしたのだった!!

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