※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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二年生編第六章 アメリカ留学編
プロローグ ロサンゼルスの一幕


 アメリカ……カリフォルニア州ロサンゼルス。

 

 かつて、若きオールマイトがAFOに敗北し、力をつける為に降り立った大地。そこで彼は実力を付け、縁を育み、そして再び日本へ帰ってAFOを打倒した。

 

 海外におけるオールマイトゆかりの地、という事になる。

 

 それだけでは無い。

 

 ロサンゼルスは、その歴史的背景や産業の面から、ヴィラン犯罪も多発している場所だったりする。

 

 ハリウッドを内包する為、かつての映画やテレビでの警察物や舞台としても映える。『ロス市警』という単語を歴代映画やドラマから引っ張り出したらはてなん作品出てくるやら、なにより、SWAT発祥の地でもある。

 

 そんな警察の汚職沙汰に、人種差別問題で1992年のロサンゼルス暴動なども世界史に取り上げられる程に有名だ。

 

 ロサンゼルスとは、混沌とした街である。

 

 そのロサンゼルスの大地に再び、日本からヒーローが降り立った。

 

 かつての若き、オールマイトと同じように。

 

 ただ少し違う事は……。

 

 彼は……オールマイトの様に優しくないし、情けも容赦もない、という事だろうか。

 

 

 

 イングルウッド、ハリウッドパークカジノ……。日中の事であった、その駐車場から爆風が舞い上がり、その中から様々な車両がハイスピードでドリフトを決めて、100$札を撒き散らし走り去っていった。

 

「イェエア!!やってやったぜ!!」

「さっさとずらかるぞぉ!!」

 

 カジノ強盗である、組織的な犯行だろう。そのまま他の車を追い抜き、法定速度など頭に無いと数台の強盗団の車が道を我が物顔で走る!

 

「ヴィランだぁ!逃げろぉ!!」

「オラオラどきやがれぇ!ぶっ殺すぞぉ!!」

 

 街中の民衆に向かってマシンガンの威嚇射撃や、さらにはエネルギー弾の掃射まで行われる!これがアメリカのヴィランの日常茶飯事なのか!?

 

 だが、決して好きにさせるわけがない!!眼には目を歯には歯を、悪がそこまでするならばと警察も容赦はしない!

 

 すでに出動したらしい警察のパトカー数十台!!ヴィラン達の走る車線を自らの車体でブロック!すぐに降りた警察達はホルスターを抜き放ち、引き金に指をかけ待機した!

 

 その警察達の前に、少年と少女が空より降下して着陸!ドレッドヘアに青い稲妻のコートを纏った黒人の少年は笑いながら言い放つ。

 

「俺たちの膝下でよく暴れるな、ヴィラン達!このパープルライジンのサイキック・ボルトでぶっ倒してやる!」

 

 黒人の少年の身体を迸る紫色の雷が、意思持ちヴィラン達の車両向けて放たれた!最前列を走っていたヴィランの車両に命中し、次々と後部の車両が玉突き事故を起こす!

 

「よし、動きは止めた!アメリアやっちまえ!!」

「シルバータイグレス!!ヒーロー名で呼びなさいマイケル!!」

 

 もう一人の少女は少年に注意すると、そのまま四足歩行で一気に加速!その凛々しい顔に白と黒の模様が現れ、爪に牙も伸びてその姿はさながら四聖獣の『白虎』を想起させた。

 

「がぁああ!?クソ学生ヒーローがぁ!!」

「きゃああ!?」

「うおぁああ!!」

 

 しかしヴィラン達も一筋縄ではいかない!その一人が巨大化に類する個性を持っていたらしい!その身体を巨大化させて近場の車両を投げつけてきて、パープルライジンとシルバータイグレスに投げつけた!

 

 シルバータイグレスはその虎の身体能力で回避し、パープルライジンはその紫色の雷を車両に当てると、車両は静止してそのまま道路に落下した!

 

「くそっ、こっちだ!ずらかれぇ!!」

 

 金や宝石を詰めた袋を抱えてヴィラン達が違う路地へ向かう!相手は学生ヒーローだまだいかようにも逃げれると、リーダーらしき男が別の方向に車を動かそうとした矢先。

 

 車のフロントガラスに、赤い液体がぶちまけられた!

 

「な!?おいなんだ、ぎゃあああ!!」

 

 視界を遮られたリーダーはハンドルを取られ、近くの建物へ突っ込んだ。

 

「あうう……な、なんだってんだ、一体……」

 

 エアバックが作動し、何が視界を塞いだんだと理解が及ばない強盗団のリーダー。しかしバックミラー越しに、彼は見た。

 

 巨大化の個性を持った仲間が、ずずんと地ならし起こし道路に倒れる様を!その傍には……!

 

「あ、ああ……あああ!?嘘だろ!!」

 

 舌を垂らし呆けた面の!仲間の巨大な脊髄付き頭部が!道路に転がっていた!

 

 リーダーは必死にシートベルトを外そうとしたが、シートが破損して外せなかった!背後で聞いた事ある仲間の悲鳴が次々と上がる中、ナイフをなんとかポケットから取り出し、ベルトを切り裂いて外して、歪んだドアを蹴破った!

 

「なんでアメリカに居やがんだぁ!?ジャパニーズじゃねえのかよ!!あんな事できるヒーロー、一人しかいねぇよ!!」

 

 建物から出た頃には道路はすでに赤絨毯並みに血に染まり、拳銃を向けた仲間の一人がその顔面を殴り抜かれコンクリートに叩きつけられていた!

 

 そして!その双眸が紅く煌めいて、リーダーを見つけ、歩き始める!

 

「ひ、ひぃい!?くるな、くる━━」

 

 強盗団のリーダーが幸いだったのは、彼と離れていた事だ。

 

 そして不幸だったのは……。

 

「ミリオネァアアスッマァアアッシュ!」

「おごはぁあ!?」

 

 ヒーローは、さらにもう一人居たと言う事だろう。彼が最後に見たのは、長い金髪に、趣味の悪い様々な宝石を散りばめ、胸板にアメリカの通貨『$マーク』をあしらえたヒーローの姿だった。

 

 

「はーはっはっはっはっ!!露払いご苦労様イズク!!今日も今日とて、私は敵の首魁を優雅にノックアウト!!やはりヒーローはこうして完璧かつカッコよく勝たないとねぇ?」

 

 趣味の悪い成金ヒーローは自信満々に笑いながら強盗団のリーダーの背中を踏んで高笑いしながらそう言った。

 

 その姿にため息を吐いて……緑谷出久はクラスメイトかつ『バディ』の彼に声を荒げた。

 

「レックス!お前また最後のいいとこ取りだけ……少しは手伝えお前は!!」

 

 緑谷の言葉に、レックスと呼ばれた成金ヒーロースーツの男は、チッチッチと人差し指を立てて言い放った。

 

「何を言っているんだいイズク、主役である僕はヒーローとして目的を果たしたさ、ボスを華麗かつ完璧に倒すと言うね、戦闘員や構成員との戦いはキミや他のヒーローの仕事だろう、役割分担というやつだ」

「何が役割分担だ!ヒーローショーやるなら遊園地のバイト探してこい!」

 

 緑谷はレックスにくってかかる、しかし我関せずと懐からハンカチを取り出して手についた血を拭うレックス。が、話はそれだけじゃなかった。

 

「ちょっとイズク!レックス!?あんたらの管轄外でしょここは!!」

「俺たちの活躍を横取りしやがって!!」

 

 シルバータイグレスと、パープルライジンが二人の言い合いに割って入ったのだ。

 

「あんたら二人はサンタモニカ!ここイングルウッドよ!?いくら何でも離れ過ぎじゃないの!」

「管轄以外の事件解決や対応しても点数は入らねぇだろうが!」

 

 本来の管轄から大きく外れていた二人に、シルバータイグレスとパープルライジンが言い放つ。俺たちの点数を横取りするな、意味がないだろうがと。

 

 だが、イズクとレックスは顔を見合わせて、イズクは真面目な顔で、レックスはため息混じりに言い放った。

 

「助けの声と通報があればどこだろうと駆けつける、それがヒーローだろ?」

「君たちの対応があまりに遅いからじゃあないか、啓発書一冊読んでレポート書ける時間はあったよ、文句があるなら強くなりたまえよ?この私やイズクのようにね?」

 

 二人は、イズクの言葉にはまぁ頷けたが、レックスのセリフには苛立ちを募らせた。そしてイズクも、言いやがったよまたと頭を抱え、シルバータイグレスとパープルライジンに矛先を向けられた。

 

「イズク!あんた学校で唯一こいつの手綱握ってるんだから何とかしなさいな!」

「バディの不始末はバディが責任取るんだからな!」

「おい理不尽すぎない!?」

 

 言い合う三人をよそにレックスは周りの観衆に手を振って応える。

 

「諸君安心してくれたまえ!このビリオネアヒーロー、ビリオンキングが、見事強盗団のリーダーを━━」

 

 瞬間、四人の通信機にノイズが走った。

 

『カーソンのモネータアベニューでギャングが抗争、銃撃戦を行なっている、管轄のヒーローと警察は即時対応されたし』

 

 通信が入るや、パープルライジンとシルバータイグレスは顔を見合わせた。

 

「俺たちの管轄外か」

「なら待機ね、とりあえず道路整理を……」

 

 二人がそう言った瞬間━━。剛風が二人を叩いた!

 

「死人が出る前に止めてくる!!」

「ハッハー!今度も華麗に止めて見せようじゃないか!!」

 

 既に空を舞い、点になったイズクとレックスを、パープルライジンとシルバータイグレスは見上げるしかできず……。

 

「本当、レックスはともかく……イズクも大概よね、点にも金にもならないのに」

 

 シルバータイグレスは呆れ、パープルライジンは、カーソン方角に飛ぶ二人の姿を目で追いながら言い放った。

 

「でも、羨ましいよ、僕だってあれだけできたらさ、同じ事をするのに……」

「羨ましい?あれが?ただの奇特な馬鹿よ、二人とも、ほらあいつらの尻拭いしましょ、点は加算されるし」

 

 パープルライジンの言葉に、シルバータイグレスはため息を吐いて、2人が過ぎ去った後始末をするのだった。

 

 

 緑谷出久……現在アメリカ、カリフォルニア州、ロサンゼルスのヒーロースクールにて、鋭意実習に参加中!!

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