【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「……凄い、本当にハンバーガーとピザにフライドポテトだ!」
「日本だと違うのかい?」
「考えられないよ、そして見た通りかつ、想像通りだった」
L.H.Fでの午前授業を乗り越えて昼ご飯の時間、学食のカフェテリアに行き、列に並びながら緑谷は、バイキングでありながらアメリカらしいメニューの並びに驚いた。
調理師が目の前でハンバーガーを注文通り作り、ピザは新しいのが焼かれれば追加されていく。そして付け合わせにフライドポテトにナゲット、中華系の春巻きに似た物まであった。
サラダバーの野菜は量こそあったが種類は5種類程度、トマト、きゅうり、スイートコーンにブロッコリー、そしてマッシュポテト。
マッシュポテトは野菜扱いらしい、アメリカでは。
そしてデザート……ここがもう雄英ではあり得ない物だった。およそ、日本では見ない色のゼリーに、アイスはそれこそ日本のチェーン店並みにバリエーションがあった。フローズンまであった、セルフで焼くワッフルも。
チョコチップクッキーに、チョコケーキ……確かブラウニーだったか、それらは次々と生徒達が我先に取って行き追加が置かれた。
フルーツもあるが切られてはいない、丸々そのままりんごにバナナが置かれて、勝手に取れと言わんばかり。
そして飲み物……雄英の『ランチラッシュの飯処』では、卓上の水かサーバーでお茶があったし、自販機もあったが……ここにはドリンクバーがあった。
コーラは普通のから0カロリーかつ、様々なフレーバーが選べる。マウ◯テンデューも、ドク◯ーペッパーに、ルート◯アにス◯ライトまで!唯一の理性らしきミニッツメ◯ドは、レモネードで100%のジュースじゃない!
「これ飯田くんだったら死活問題になるな……」
クラスメイト飯田天哉は、個性のエネルギーに100%オレンジジュースが必要だが、ここではその補給が死活問題になるなと、Sサイズ(アメリカ準拠)カップにマウンテ◯デューを入れながら呟いた。
「……それでビル、僕はどこなら座れる?」
「は?何が?」
「席だよ、こういうのってアメリカは決まってるんだよね、日差しがいい特等席はジョックスやクインビーとか」
食事を取り終えて、様々な空いてる席を見ながらビルに尋ねた緑谷。偏見ではあるがそんなのがあって、そこで一悶着起こしたくないのはあったりするが、これにはマイケルが答えた。
「昔のドラマの偏見だイズク、まぁしかし少し当たってるな?ほら、あの辺り……」
偏見も入ってるが、実際その通りだったりすると、目線をある席に向けた。如何にもな、チアリーダーやってそうな女子の集団が屯していた。
「あの辺りはやめとけ、B組のクイーンとその働きバチが座る場所だ」
「あ、居るの……そういうの」
居るのか、ヒーローを生み出す学校にもと、スクールカースト上位陣らしい女子の集まりが、本当にある事を緑谷は少し感激すら覚えた。
「まぁね、ちょっとその辺複雑なんだよ、他はまぁ仲良しや同じ趣味とかで座ってる、僕らはあの辺だから案内するよ」
そして案内された空席に、緑谷はビルとマイケルと座った。
「イズク、お前それで足りるのか?少なくない?」
「チョコブラウニー苦手?ここのは名物だから次は取りなよ」
「そうなんだ、明日は食べようかな……」
幾ら食べ盛り高校生でも、このジャンクはキツイなとは言えない。これがアメリカの学食なのだ、栄養面が課題だなと緑谷はフライドポテトを齧りながら思うのだった。
「というか、クイーンが居るならもしかしてキングも居るの?ジョックスのリーダー的な人」
一瞬、クイーンのグループを見てから緑谷は、男のああいう集団とリーダーは居るのかとマイケルとビルに尋ねた。マイケルはあー、と考えこみながら、やがて語り始めた。
「居る、Bクラスに」
「へぇ……Bクラスがそんな奴らの集まり?」
「というわけじゃねぇ、Bクラスのエリック・バイソンって言うアメフト部のキャプテンがそうなるか?」
「アメフト部!もう想像通りというか、テンプレだ!」
クイーンビーが居るならジョックスもやはり居た。そして、そのエリックくんもBクラスでアメフト部らしい。もう如何にもなアメリカ学園モノの役者というか、そのまま出てきたテンプレートの学生に、緑谷は驚く。
「けど、エリックはトップだけどトップじゃないというか……」
しかしビルが、ちょっと複雑と語った内容を悩みながら語ろうとした。
「何、まだ上が居るの?」
「うちのクラスに……まぁ出席してないから昼の実習から来るんだろうけど……」
緑谷は、朝の紹介の時に思い出した。確かに席が一つ空いていたなと、病欠だと思ったらサボり魔らしい。
「問題児でな、そいつは学年どころか学校で成績トップかつ、エリックを簡単にあしらうくらい強い、けどエリックのが取り巻きが多いから……なんていうのかな?」
「その問題児と、エリックの派閥って事?」
「派閥って程でもないよ?エリック側が突っかかってるのを問題児があしらってるんだ、まぁトップの風格なら問題児がある、鼻につく偉そうなやつだけど実力は本物だから……」
鼻につく偉そうなやつでも実力は本物……爆豪が一瞬緑谷の頭に浮かんだが、彼は決してサボりはしない無遅刻無欠席の才能抜群な努力惜しまないマンだから失礼だなと、ハンバーガーを齧りながら考え直した。
「まぁ嫌でも次の実習で会う事になるぜ?そして嫌いになる」
「そこまでの奴なのか……」
初実習から大丈夫か、心配する緑谷であったが……その心配は現実となり緑谷の前に現れるのだった。
雄英には、広大な敷地に様々な運動場があり、ヒーロー科はそれらを使いヒーロー訓練実習を行う。日本でもおそらくあれ程の、様々なシチュエーションを用意できるヒーロー科、学校は無いだろう。
輸送ヘリコプターから降りた緑谷は絶句した。まさか洋上に……斯様な広大な人工島の演習場が建てられているなどと。
「どうよイズク、ここがL・H・Aのヒーロー実習に使う訓練場だ」
「島一つが訓練場とは……スケールが違うな」
マイケルに言われ、緑谷はサンタモニカ洋上に浮かぶ、造られた摩天楼を見上げた。雄英のような訓練スペースは、それこそセメントス先生ありきの物かと思っていたが……やはりアメリカはすごいなと一歩踏み出すと……。
「何をしている貴様ら!とっとと整列だ!!テメェらお客様気取りがいつ抜けるんだ!!」
「やっべ!今日バルトマン先生か!?並ぶぞイズク!遅れたらペナルティだ!」
「わぁ、いきなりアメリカ軍じみた怒号来たぁ!」
この実習を取り、ヘリに乗り込んだ生徒は即座に整列した。アメリカの授業は選択制だ、この時点で知らない他クラス、他学年の生徒と様々な参加者が一列に整列する!(ちなみにビルは本校舎でメカニックの選択授業を受けていた)
整列した参加生徒達は、ビシッと気をつけをし、緑谷も習うように背筋を伸ばし整列した。
「やっと整列したかひよっこ共!貴様らどれだけ俺を待たせる気だ!この1秒、コンマの時間で命が消えると知らずによくものんびりできるな!?」
「「「申し訳ありません!バルトマン先生!!」」」
とりあえず、周りに合わせてバルトマン先生へ謝罪を述べる緑谷。しかし、異なる景色や異物には人間気づくもので、バルトマンは緑谷の姿を見つけるやその目の前まで来て鼻が触れるギリギリまで顔を近づけて来た。
「貴様か大戦の英雄……遥々日本から我が校に留学に来たらしいな?お前は賢い!生温い日本の現場ではなく!この本場アメリカに学びに来たのだからな!かつてのオールマイトがそうしたように!!だが、お客様あつかいはせん……俺は異形だろうが無個性だろうが戦果を挙げた戦士だろうと等しく指導する!!覚悟はいいな!!」
「サー!イエッサー!!」
「返事が小さい!!」
「サー!!イエッサー!!!」
「その声を今後キープしろひよっこ!!」
「サー!!イエッサー!!!」
この実習に参加する生徒達は、もう見慣れた"儀式"だった。新しく授業を取った身体への歓迎込めた、海兵隊式の激励。それが、L・H・Fのヒーロー実習訓練担当教員リー・バルトマン先生の授業の恒例行事であった。
「よし!本日はレスキュー実習だ!!こちらから実習内容を……」
緑谷の前から離れて、全員に見える位置まで戻ったバルトマン先生。しかしその言葉が止まり……一気に眼差しを鋭くした。
「俺の数え間違いじゃあなければ!授業のヘリに乗り遅れたかサボった馬鹿がいるな!!どのクラスだ!?」
今日この実習に遅れた馬鹿が居ると宣告され、一同は肝を冷やした。緑谷もマイケルが何やら青ざめているので、バルトマンに聞かれないように尋ねた。
「遅れたりサボったら、何があるの?」
「地獄の鉄人帰還だ、今日の授業は無し、連帯責任で岸まで泳がされて学校まで走らされる……!」
「……本当なの?」
洒落にならないぞ、一体どこの誰がとどよめきたくなるが、皆汗を垂らし直立不動で待つしかできず、バルトマン先生は腕時計に目を向けた。
「残り3分で始業だ、来なければ貴様ら地獄の━━」
『心配いらないさ!Mr.バルトマン!僕はもう既に来ているからね!!』
死の宣告が下される直前、拡声器越しの声が響いた。そしてその声は……上空からだと授業に参加している生徒もバルトマンも全員空を見上げた!
学校の輸送ヘリでは無い、また違うヘリが上空に対空しており、そこから人陰が飛び降りた!
「アイツかよ来てなかったの……毎回遅れてくる癖に何を馬鹿な……!」
マイケルは降下してきた人間をよく知っている口ぶりだった。という事は、この降下中の輩が『Aクラスの問題児』かと、超スピードで降下してくる人影を緑谷は目で追った。
「スタッと!」
言葉とは裏腹に、人工島のヘリポートが凹み亀裂を作り砂埃舞わせる凄まじい勢いの着いた着地と衝撃音!
そこに現れた、スーパーヒーロー着地という膝を痛めるがカッコいい着地をした男に、緑谷は目を見開いた。
まずヒーロースーツ!深紅の生地をベースに目に毒なほどに宝石やらが散りばめられ、機能性なぞ微塵も考えてないのが窺える!さらに胸元には巨大な『$』のマークがあしらわれ、そこもダイヤモンドで飾られていた。
肉体は2m近い巨体で、髪の毛は金の長髪。自信満々な不遜な笑みと整った顔は、如何にもな『アメリカ人』そのものとしか言えない程だった。
「やぁやぁ、待たせたね皆!レックス・G・ウィンドソー!ただいま実習会場に到着したよ!」
この男こそ、L・H・Fの問題児にして学校一の実力者!レックス・G・ウィンドソーが、実習会場に推参したのであった!