【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「OK?グッボーイ?ちょっと痛むわよ〜」
「ぎゃあああああああーー!!?」
L・H・Fの医務室に運ばれた緑谷は、凄まじい絶叫をあげた。
褐色肌の妙齢な女性が、緑谷出久に纏わりついて、凄まじい音を身体から立てて締め上げていた!
雄英に『リカバリーガール』あればL・H・Fにこの人あり!そうまで言われる彼女の名前は、アロマ・ヒーリアス!L・H・Fの生徒達の怪我の治療を一手に引き受ける保険医である!
個性は『整体』!!自らが触れた相手の調子や傷を癒やし身体を整える!!しっかり触れ合うとより効果的!!
ただし……怪我の度合いによりめちゃくちゃ痛みが伴う!骨折なんてしようものなら治りはするが『骨折以上の痛み』を感じる為、生徒達は彼女の治療行為を『地獄と天国の治療(ヘルヘブン・トリートメント)』と呼ばれていた!
というか見た目がもう、複雑な寝技をかけているようにしか見えないが、歴とした彼女の治療行為である。
「あーはっはっはっはっ!模擬戦でも叫ばなかったキミもMs.アロマの治療には声をあげるみたいだね!」
「あがが……はが……た、たす、助け……」
手を伸ばし助けを乞い、包帯巻きにされ倒れる緑谷を笑うレックス。その背中から起き上がるアロマは、レックスに向いて笑みを浮かべた。
「あら、何言ってるのかしら?次は貴方よレックス?さぁベッドに横になりなさい?」
「……あー、私は私の専属ドクターにナースが居るから別に」
「Come on Rascal ?(そこに寝ろ悪ガキ)」
レックスは、冷や汗を垂らし医務室から出ようとした!しかしその肩を掴まれてベッドに叩きつけられた!そのまま腕は首に、足が絡み動きを封じて背骨を締め上げるような体勢にレックスを固めあげた。
「Nooooooooーーーーー!!」
模擬戦より骨が折れてない?そんな音と絶叫がL・H・Fの医務室に響き渡った。
「お大事に?悪ガキ共」
「あが……か……」
「ほーりーしぃ……」
枕元に袋のチューイングキャンディを置かれて、仲良く悶絶して痙攣した2人を置いて、医務室を退室した。
「こ、これなら、リカバリーガールのが、ましだ……」
「雄英の……保険医かい?……どんな治し方?」
「キス……ただしおばあさん……」
「……私もそちらに一票……」
若々しい褐色美女の治療(ただし超激痛)と、老婆の接吻による治療(痛みは無い)は、2人して後者に票が入ったのだった。
しかし、ヒーローアカデミアの保険医は、患者に菓子を渡すのが当たり前なのだろうかと、落ち着いた緑谷はベッドで胡座をかいて、チューイングキャンディの袋を眺めた。
「……見た事無い青い色してる」
「日本には無いのかい?」
「無いかなぁ、たまに輸入品店に入荷したりとか……酸っぱ!?」
この合成色の人工的な青色はアメリカにしかないような、せいぜいかき氷のブルーハワイか?袋を開ける緑谷に、レックスは日本には無いのかいとすでに開けて口に放り込んでいたので、普通に口に入れた瞬間!特有の酸味に叫んだ。
「そうかい?これより酸っぱいガムとか普通に売られてるけど?」
「日本の上限だよこの酸味……アメリカ人はサワースイート好きとは聞くけど……ああでも後々爽やかだ、慣れたら食べれる」
さっきまで本気で戦っていたのに、いや、戦ったからこそ全て吐き出したからか、緑谷もレックスも普通に喋っていた。しかしだ、勝てばバディを組む、単独実習の条件を賭けたこの模擬戦の結末は、まさかの引き分けに終わった。
どうするんだこれ……とはならず、緑谷はラズベリーのチューイングキャンディを飲み込んで、レックスに言い放った。
「あー……この模擬戦だけどさ、僕の負けだ、ヒーローには決して向けるべきじゃない力を使ったからさ、バディは他をあたるよ」
緑谷は自ら負けを認めた。緑谷出久の体に刻まれたAFO因子と、死柄木の因子が生み出す『変身能力』は、決して同じヒーローに向けてはならないと決めていた。
この力はヴィランに、そして世界に散らばったまだ見ぬ『AFO因子』の生み出す因子怪人、因子怪獣を倒すための力。
それを使わねば引き分けにすらできなかった自分の負けだと言うと、レックスは眉間に皺を寄せた。
「待ちたまえ、ならキミの全力を前に私は先に倒れた、私にもプライドがある。あの戦いの勝者はキミだ、判定が引き分けでも最後の瞬間……立っていたのはキミだったのだからね」
レックスからすれば、その全力の緑谷に自分は全力で戦って先に倒れたから自分の敗北だと言う。その禁忌の力に自分が敵わなかったなら、自分が弱かったのだと彼も負けを認めたのであった。
しばらく2人はまた睨み合ったが……。
「……やめよっか、また喧嘩になりそう」
「ああ確かに、この問答は新たな火種になる」
またこれは衝突になる、不毛だと問答を止めた。お互いに、不毛な争いは避けるタイプだったようで、互いにベッドへ寝転び直す。
「それよかキミの変身、あれは一体なんだい?間近で体験した私への特権に教えたまえよ」
「 簡単に纏めたら、イズク・ミドリヤはAFOに遺伝子を弄られた改造人間である、で分かってくれる?」
「Oh……簡単に聞いたらダメなやつだった」
「いいよ別に、雄英でも皆知ってる話だから」
他愛のない会話を続けて、そして2人はこれ以降痛みは消え去ると、改めて残りの授業に出席した。
結局のところ、緑谷とレックスのバディ結成は、宙ぶらりんとなったまま、その日は終わってしまったのだった。
━━そして翌日、Aクラスにて。
「イズク!俺はあの模擬戦お前の勝ちだと思ってるからな!」
「気分がいいぜ!王者陥落の日がやってきた!」
「あいつもう学校これないぜ!」
「すかっとしたわ、本当!」
A組はもう『実質イズクの勝ち』で沸き立っていた。一応レックスも同じクラスの仲間だがそこまで言うかと、ビルやマイケルも背中や肩を叩いて緑谷を讃えるが、当の緑谷の心境は喜ばしくない。
今日は、緑谷がバディを組んでの初の校外実習が朝からあるのだ。医務室では有耶無耶になったバディの話、彼は果たしてきてくれるのだろうかと、空いている席を眺めると始業ベルが鳴り響く。
「……行こう、初の校外実習」
来ないか、やはり……それは仕方ない、彼には彼の道理があるのだから。皆も既にヒーロースーツに着替えており、校外実習の為に教室から退室していく。
緑谷もついて行けば、同じくBクラスから、更には上級生から下級生の実習参加者が合流していき、やがて正門まで辿り着くと……。
「うわマジか」
「えー……」
リムジンが既に止まっていた。マイケルにビルも、マジかと嫌なもの見たとなるが、構わず美女たちが先に出てドアを開け、やはり彼は現れた。
「やぁやぁ諸君!絶好の校外実習日和だね!!僕を待ち侘びていたのがわかるよ!!」
待ってねぇ!何しに来た!流石に昨日の事もありブーイングも飛び交うが……緑谷は構わず1人、皆を掻き分けてレックスの前に立とうと向かう。
それだけで、皆黙った。
昨日互いに全力で殴り合った仲、このブーイングの中でも笑みを崩さないメンタルの強さ……本当に、形は違えどいつだって皆に笑顔を見せた憧れが重なる。
「改めて、バディになってくれる?レックス」
右手を差し出した緑谷、その手にレックスは歯を輝かせる笑顔でガシリと握りしめて言った。
「勿論だイズク!キミと僕は同じエリートヒーロー!互いにこれから3ヶ月磨き合い、高め合おうじゃないか!」
レックスが、あの暴君が他者を同列として扱いバディを組んだ、その瞬間を目の当たりにした生徒達は、驚愕の悲鳴を上げるのだった。
アメリカ留学生活3日目……緑谷出久は、バディとしてL・H・Fの皇帝、レックス・G・ウィンドソーとバディを組む事が決まった。
セキアカオリジナルキャラ図鑑
アロマ・ヒーリアス
妄想cv柚木涼香
L・H・Fの保険医『雄英にリカバリーガールあれば、L・H・Fにアロマ・ヒーリアスあり』と呼ばれるL・H・Fのヒーロー志望達の治療を引き受けている。
個性は『整体』
自らが触れた相手の調子や傷を癒やし身体を整える!!しっかり密着して触れ合うとより効果的……なのだが……治す際に『負った傷以上の激痛を感じてしまう』と言うデメリットがあり、男子達は最初その肢体が絡みつく事目当てで医務室に行き、二度とごめんだとなるのがL・H・Fの男子誰もが通る道。
その痛みにより暴れるのを抑える為に、彼女はめちゃくちゃ関節技が得意な為治療がどう見ても技を掛けているようにしか見えない。
リカバリーガールよろしく、治療後の生徒には菓子を渡している。食える余裕があるのだろうか……。