※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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二年生編第七章 会合する2人編
その頃、雄英一年生達は……


 緑谷出久がアメリカ留学に行き、三学期を迎えた雄英高校。

 

 一年の総まとめが行われるこの時期……一年生も訓練に熱が入っていた。

 

 体育館γ、A組の紙式折絵は姿勢正しく立ち、その横にはミッドナイトがストップウォッチを持ち、構えていた。

 

「……スタート!」

 

 ミッドナイトの合図と共に、紙式左前腕に噛みついて皮膚から紙を産み出し噛み剥がす!左前腕と首の動きで切り離し、更に右手で腰元に差した鋏を抜き放ち、空中の紙を切り刻んだ!

 

 出来上がった3羽の『燕』は空中で命を宿し旋回し、紙式の右腕に止まった。

 

「うん、早くなってる!反復練習の成果が出てるわね紙式さん!」

「ありがとうございます!」

 

 紙式折絵は、より早い『式紙』の顕現の為に、効率的な紙の生成方法や、引き剥がす速さの研究、繊細な鋏の技術を練習していた!A組達は、個性伸ばし訓練を行なっていたのである!

 

「ハッハッハッハッハッハッ!」

 

 片やその近くでは道走郎堂は、縄梯子を敷いた床を様々なステップワークで、跨いだり跳んだりしていた。サッカーやアメフト選手が行う『ラダートレーニング』である。

 

 二学期でインゲニウムと直接対決で敗北した道走は、スピードでは追いつけない事を理解し、違う強みを手に入れようとしていた。直線と最高速度は勝てないなら、小回りだと。

 

 これだけは飯田先輩、今代インゲニウムも不可能な脚質の違いで才能!さらにそれを磨き、強くなろうとしていた!

 

 一年生達の気合いが入るのもわかる……この後彼らを待つ行事が二つ!そこへ向かってひたすらに突き進んでいる。

 

 一つは『雄英体育祭』!

 

 昨年は社会が崩壊し、入学差し止めにより開かれなかったが、今年は開かれる!一年越しのヒーロー達へのアピールには皆熱も入ろう。

 

 もう一つは『仮免試験』!

 

 毎年6月と9月に行われる仮免試験を、二年一学期6月に受けるのが通常の雄英高校の通例で、彼らはそれに則る!ここで仮免を取ればヒーローインターンへ参加が認められ、より実践的なヒーロー活動の経験が得られる!逆に、ここで落ちれば次は3ヶ月後の9月になり、3ヶ月の経験値の差は凄まじいものになる!

 

「はぁあああ!」

 

 気合を込めた声を上げて、ヒーロースーツ前腕の肘から手首にかけて青い光線を放ち固定した光は、光の刃となりセメントの壁を溶断した!

 

「うぉお危ねぇ!?」

「あ!ごめん晴日くん!」

 

 その断片が、近くで踊っていた晴日軽二郎の近くに落下して驚かせてしまい、光はヒーロースーツのヘルムを展開して、そのまま晴日のそばに降りて着地した。

 

「大丈夫だった?」

「大丈夫大丈夫!むしろ完璧に見えてた的な?てか、マジ気合い入ってんな光ぃ」

 

 サムズアップで実際やばかったが、心配しなさんなと答える晴日は、光の気合いの入りように賞賛を向けた。光は一息吐いて、少し休憩に丁度いいかなと晴日に理由を話した。

 

「職場体験であんな事あったし……実際の戦闘経験してから、ヒーローって本当に命懸けの仕事って実感してさ……だから、死なない為に強くならないとって」

「……脳無か、お前本当よく生きてたよな、しかも絆定寺さんまで助けたって大活躍だったろ?」

「活躍なんて……本当に運と、脳内麻薬に救われたとしか……」

「あー、それでアーマータイプに変えたんか?インゲニウムパイセン系の」

 

 緑谷、そして通形の背について行った職場体験で、光は死の一歩手前を経験した。脳無と交戦し、なんとか生き残ったのは本当に運が良かっただけと自らを評している。

 

 そんな、命が当たり前に消える現場がヒーロー活動……プロヒーローという仕事、それは職場体験だろうと関係はなかった。光は以降、更に授業も訓練もより考えながら取り組むようになった。

 

 ヒーロースーツですら、職場体験の後から変わり果てている。シンプルなスーツから、アーマータイプに変わっており、より自分の個性を活かせる形に変わっていた。

 

「まぁ前のより一気にヒーローっぽいよな、光のなりてーヒーロー像が見えた的なやつ?」

「うん、まぁ……少しだけ」

「自信持てよぉ光、今なら斥野にも勝てんぜぇ?お前」

 

 変わりようと成長ぶりに冗談か本気か分からない事を言いながら、晴日は光の背中を叩いた。

 

「そ、そんな、まだまだだよ、聞かれたら絡まれるからやめなよ」

「てか……その斥野が見当たらねーけどサボりかぁ?」

 

 晴日の言葉に聞かれたらどうする時慌てる光、しかしその斥野の姿は体育館γには見当たらない。他のクラスメイトが個性伸ばしを行う中……斥野は体育館γの壁際に背を預け、汗を流してスポドリのボトルを傾けていた。

 

 彼もまた、緑谷に叩きのめされ、そして爆豪、ベストジーニストと共に職場体験を超え、強くなろうとしていた。

 

 そんな最中、彼は息を整えながらスマホを眺めていた。とある一つのネットニュースを、何度も読み直している。

 

『無個性のヒーロー誕生なるか!?扇廷院高等専門学校の選抜ヒーロー科が、5月仮免試験に参加予定!アースファクトリー代表、斥野陽一開発のパワードスーツを与えられた、5名の夢を追う学生達!!"次代の無個性の子ども達に、ヒーローの夢実現の可能性示したい"と斥野氏語る』

 

 それは、兄……いや義兄の記事だった。無個性の癖にまだ、あの出来損ないの現実を知らない男は這い回っていたらしい。

 

「はっ、丁度ええ、仮免で当たったら尽く叩き潰したるわ」

 

 斥野はスマホの画面をスリープにして、再び体育館のセメントフィールドに戻る。また、No.1に登る野望の火は、目から消えてはいなかった。




斥野陽一

年齢:26歳

デトネラット社の系列子会社『アースファクトリー社』の開発部門に所属していた、斥野力弥の義兄でありサポートアイテムメカニック。

超常開放戦線が崩壊し、リ・デストロ他その他重役の関係者が軒並み逮捕されたデトネラット社。
そのサポートアイテムを頼りにしていた顧客の為、他に誰も代役になれる人物も居ない空洞化したデトネラットを、アースファクトリー社として名前を変えて代表取締役として、その席に座り立て直した。

ヒーローへの憧れはあったが、無個性に生まれた故に夢を絶たれたものの、かつての特撮における『メタルヒーロー』に傾倒し、その実現と自分の後の世代の無個性に生まれた子ども達に、ヒーローを目指す道標と機会を作りたいと考え、技術者となる。

以降アースファクトリーで、デトネラットが違法に持ち込んだ最新技術に触れた結果……彼は遂に『メタルヒーロー』のスーツの再現までしてしまった。

そして……ヒーロー科新設を考えていた高等専門学校と契約を結び、夢をあきらめていた無個性の少年少女5人に、テスターとしてヒーロースーツを託した。
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