【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
クロウラーの台詞が気になり頭に残った緑谷だったが、それでも時間は進み翌日。
メリッサと共に起きて、朝食を食べてお互いのイーヴルチェイサーに跨り、学校へ向かう為にエンジンを起動し、ヘルムを被った緑谷は、そのまま道路へ走り出す。
朝ごはんも食べて目も7割は覚めていた緑谷だったが……今日の朝一番、イーヴルマジンからの言葉に一気に覚醒させられた。
『マスター、どうやら近くでバスジャックが起こってるようです』
「は!?」
現在朝の7:00過ぎ、どうやら救難信号を探知したらしく、ヘルメットのバイザーにマップが映し出され、今緑谷が走る大通りから外れの通りに、赤い点が点滅して示された。
朝から元気だな、何を理由にバスジャックをと、緑谷は考えたが、同時にある事を思い立ってイーヴルマジンに命ずる。
「イーヴルマジン、ヒーローシグナル出して、シン・ネクストの試験運用に丁度いい」
『了解しました、オートパイロット開始、ヒーローシグナル点灯』
そうだ、『シン・ネクスト』の運用テストには丁度いいと、緑谷はイーヴルマジンに命じた。
イーヴルチェイサーのフロントライトとは、また別の青いランプが点滅を始め、サイレンが鳴り響く!アクセルから抵抗を感じ、オートパイロットが作動したのを確認した緑谷はハンドルから手を離すと、首にかけていたアクセサリーを取り外した。
そして空に掲げて1回転、振り回して円が描かれるや、シン・ネクストのパーツがペンダントから現れ緑谷の身体に次々装着された!
「現地の様子を見たいな……ならこれか!"アニマ"!」
ヘルメット内から映し出された画面から、マップと救難信号を確認し、緑谷はクラスメイトのヒーロー名を呼んだ。
雄英高校2年A組、口田甲司!ヒーロー名、ふれあいヒーロー"アニマ"!その個性『生き物ボイス』により、動物と意思疎通し、操ることが出来るヒーロー!
その名を冠した機能、イーヴルチェイサーのサイドパックから射出された黒き小さな鳥型ドローンが、バスジャックの現場向けて飛び立った!
二機のアニマのカメラからリアルタイムの空撮映像が配信され、最短で到達した場所には……。
「これは……スクールバスか?」
黄色の年季が入ったスクールバスが、これまた如何にもな改造アメ車に遮られていた。金にもならなそうなスクールバスと、改造アメ車という組み合わせに目を細めた緑谷だが、アニマがスクールバスの中を映し出す。
スクールバスには、凡そ高校生くらいの学生達が座っていた。学生達は皆顔を伏せてなにやら沈黙している、そのバス車内運転席近くあたりで、銃をちらつかせている……"紫基調のヒップホップファッションの男達"が2人、中に入っていた。
『死ぬ覚悟はできてんのか?あ?』
『散々に窓からコケにしやがって、喧嘩売ったのテメェらだろ?』
音声をアニマが拾い、緑谷の表情が怪訝に歪んだ。これは……つまり、そういう事かと。
『車の方にも2名、銃を持って待機してますね……恐らくは学生が挑発したものかと』
「粋がった学生が地元ギャングに喧嘩ふっかけて止められた、か……まぁ銃出してるし死人が出てもだね……」
バスの窓からギャングを煽って、怒らせて止められた……学生の自業自得である。だが、銃をちらつかせている以上、死人を出すわけにはいかないと、緑谷はイーヴルマジンに命じた。
「イーヴルマジン、アニマで追い出して車外に誘導して、そこから合流して全員捕縛する」
『了解しました、警察にも通報済みです、次の角を右へ曲がった先に見えて来ます、ご準備を』
車体が、右へ傾き横道に入る。そして映像と同じ黄色のスクールバスとアメ車が視界に入った瞬間━━。
『な、なんだいきなり!?』
『くそっ!外に出るぞ!!』
アニマ2機がスクールバスの窓から侵入!銃を持ったギャング達に、その機体から飛び出したスタンケーブルを叩きつければ、バスから飛び出し、緑谷自身の視界にも捉える!
「グレープジュース!」
ヒーロー名を呼ぶ、クラスメイトの1人峰田実!ヒーロー名もぎたてヒーロー"グレープジュース"!
その個性"もぎもぎ"は、粘着と弾性を併せ持った球体!イーヴルチェイサーの右前部ボディが展開!そこから飛び出たグリップを右手に掴み引き抜けば、グレネードランチャーが飛び出した!
イーヴルチェイサーに内蔵された兵装でありサポート装備『グレープランチャー』!の引き金を引くや、ガスにより押し出された小気味いい音と共に、紫色の粘着弾が出て来たギャング2人に着弾した!
「おわぁあ!?なんだぁ!!」
「と、取れねぇ」
アメ車とバスから約10mの地点で、イーヴルチェイサーが停止するや、緑谷は降車してグレープランチャーを構えながらゆっくりギャング達に近づく。
「ヒーローだ!助けに来たんだ!」
「見た事ねぇぞ!?誰だ、ありゃ!!」
「ウォーマシンかアイアンマンみたい……」
「いや、ドラゴンナイトっぽく見えるが」
シン・ネクストを纏った緑谷は、今は『イズク』とは分からないらしい、知らないヒーローが助けに来たのかと窓から学生が覗き始める最中、アメ車から同じ紫のヒップホップファッションに、サングラスをかけた犬の異形系個性のギャングが、ズカズカ歩いて来た。
「テメェ、どこのヒーローだ?あ?このアラメダ・サーティーン・パンクスのP・B・50知ってて邪魔しに来たのか?」
パンクスの名前を名乗ったギャングに、緑谷は小声でイーヴルマジンに問いかけた。
「イーヴルマジン……今目の前のもパンクスらしいが……アラメダ・サーティーンとは?」
名前がまた別に付いていたのが気になったのだ、グレープランチャーを構えながら、イーヴルマジンに尋ねた緑谷に、イーヴルマジンは返答する。
『それがアメリカギャングのセットです、今調べ上がりましたが、彼はパンクスのセットの1つ、アラメダ・サーティーン・パンクスのリーダー、P・B•50(ピー尾ーフィフティーン)、銃器関係と暴行で逮捕歴を持つ前科者、個性はピットブルですが、デザートイーグルを愛用しており.50AE弾から、名前に50と付けていると』
犯罪者のデータまで調べ上げ、画面に目の前のギャングの服役中の写真、正面に横から、しかも犯罪歴まで表示がされた。緑谷は、グレープランチャーを構えつつゆっくりP・B・50へ近づく。
「武器を捨てて地面に伏せろ、さもなくば━━」
警告を言い放った緑谷、しかしP・B・50は背部に隠していたらしい、金と銀のデザートイーグルを抜き放ち間髪入れずに緑谷へ向けて引き金を引いた!
喧しい音が路上に響き渡り、スクールバスの学生達も流石に屈んで悲鳴が上がる!その弾丸は緑谷へ向かっていったが━━。
『オートガード"ツクヨミ"起動』
「what's!?」
P・B・50は驚愕した、乱入したヒーローの身体を遮るような黒い機械的なベールが、.50AE弾を防いで、地面に落ちたのである。
『マスター、シン・ネクストの装甲は.50AEを耐えれますが直接被弾は推奨しません、ツクヨミか烈怒頼雄斗を展開すべきかと』
「ありがとうイーヴルマジン、烈怒頼雄斗展開!スラスターインゲニウム起動!」
常闇踏陰の個性“黒影(ダークシャドウ)"を模した自動防御壁ツクヨミが弾丸を防いだのだ!装甲な確かに耐えれる強度だがわざわざ受けるなとイーヴルマジンに指摘された緑谷は礼を良い、即座に烈怒頼雄斗を呼び、クラスメイトの飯田天哉のヒーロー名“インゲニウム"を呼んだ!
イーヴルチェイサーのサイドバックから放たれたドローンが緑谷の右手に装着され、強固な盾を作り上げる!さらに!両脚部からのスラスターが火を吹き、一気にP・B・50へ距離を詰めた!
「トルクオーバー……」
「く!くるんじゃねぇええ!!」
二丁のデザートイーグルを連射し、抵抗するP・B・50!しかし左右共に撃ち尽くしても、烈怒頼雄斗のシールドに傷一つ付ける事出来なかった!
そして!目の前まで到達した緑谷は、そのままP・B・50に烈怒頼雄斗を構えたまま突撃して、思い切り叩きつけた!
「烈死封狼頼雄斗伐襲!!(レシプロライオットバッシュ)」
「どおわぁああああ!?」
スラスター加速からの、シールドバッシュアタックは、P・B・50の肉体を吹き飛ばし、彼らが乗っていたアメ車のボンネットとフロントガラスへ、叩きつけられてひしゃげて砕かれた!
「ひぃいい!?何なんだよ一体ぃい!!」
また1人、残っていたメンバーの黒人が後部座席から飛び出して、背中を向けて逃げようとした。それを逃すかと、緑谷は右手を逃げる背中へ向けた。
「スコーピオンハープーン!」
「おわぁ!?」
右手前腕から放たれた黒いケーブルが、逃げるギャングの足に絡みついて捕縛したのだった。緑谷が普段使いする鎖を模した、捕縛ケーブルである。なおここから放電し、電気ショックを与える『チャージズマ』にも繋いで追撃も可能だが、流石に抵抗の意思は無いと見て、緑谷は作動させなかった。
『お疲れ様です、マスター、お見事でした』
「ふー……変身解除」
シン・ネクストの実戦初運転は、こうして終わった。目の前には拘束されたギャングと、気を失ったリーダーのP・B・50計4人、見事1人で制圧完了してみせたと、緑谷は変身解除を命じれば、次々と装甲は光に包まれ縮まり、変身は解けたのだった。