【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「あぶない!セーフ!!」
「お、どうしたイズク、遅刻ギリは珍しいな」
この後緑谷は、警察に説明をし、それに時間を取られて遅刻しかけた。この場合、ヒーロー活動による遅刻理由の届出とか無いため、緑谷は危うく遅刻しかけた。
いつもなら来ている緑谷が、後になって教室に来たので、ビルは珍しいと言うや、緑谷は理由を話す。
「道中ギャングがスクールバスをジャックしててね、解決してきた」
「あはは、ヒーローらしい寝坊の言い訳じゃないか」
事実なんだが……まぁありがちな言い訳なのかもしれないなとなる中、なんとさらにドタついて入って来た生徒がさらに2人。
マイケルとアメリアだった、その2人が何やら互いに言い合いながら入って来た。
「プロに任せれば良かったでしょ!危うく遅刻よ!」
「そのプロが来ないんだから、俺らがやるしかなかったろ!」
ビルはその会話を聞いて緑谷を見た、緑谷もまさかと目を合わせて、マイケルが来るや彼は手を挙げて挨拶をした。
「よぉビル、イズク、いやぁマジ遅刻しかけたわ……なにせ━━」
「「ギャングと一悶着あった?」」
一段と遅くなった理由を、マイケルが語ろうとして緑谷とビルが、まさかと言う懸念半分とからかい半分でそう尋ねれば、マイケルは目を見開き緑谷とビルを交互に見て口を開いた。
「なんで知ってる?もしかして見かけたのか?」
「いや、イズクも今朝ギャングがスクールバスジャックしたのを救出したって……」
「マイケルとアメリアも?」
マイケルからすれば、見てたのかとまず浮かび上がったが、ビルから緑谷もギャングからスクールバスを助けたと聞けば、つまり別件で違うギャングと衝突したのが分かった。
「あぁ、登校中にバイクで暴走しててよ……プロヒーローが来ないって声上がってたから俺とアメリアで対処したんだ」
「プロヒーローが……?」
マイケルの証言に、緑谷はどういう事だと流石に首を傾げた。
「大なり小なりプロヒーローが居るはずなのに……パンクしたのか?まさか……」
「ちょっと待って、調べよう」
ヒーローの本場アメリカで、プロヒーローの出動が朝方パンクしていた?信じられない話だなと、緑谷の呟きにビルが調べてみると自前のタブレットを取り出し、即座に指が画面を叩き、なぞって、画面が切り替わっていく。
「あ、マジか……通報システムがエラー吐いてたって?」
「エラー?」
「そ、エラー、2年ぶりかなぁ……今は復旧したらしいけど」
やがて、ビルが真相に辿り着いて顔を顰めた。通報システムがエラーになっていたという。ビルの口ぶりからして2年前にもあったらしいが、それでプロヒーローへ通報が行かなかったらしい。
シン・ネクストを含め、イーヴルチェイサーには、独自の回線やネットワークが使われており、通常のネットワークとは別に救難信号や通報をキャッチする事ができたので、緑谷はバスジャックに対応ができたようだ。そして、マイケルとアメリアは偶々登校途中に出会したから対応に至った、という事になる。
だが、緑谷の疑問は晴れなかった。
ギャングが二ヶ所で、揉め事を起こした事だ。
緑谷の方は学生の自業自得だろうが、に近しい時間帯に暴走行為を行なっていた。しかも朝からだ。
気にしすぎだろうか……そう考えていると予鈴のベルが鳴り響き、皆席に座り始めた。
そこで教室へのドアが開く、生徒達は驚いた。基本は予鈴のベルに教師はまだ入ってこない、だから一瞬、今の本鈴だったか?と時計を確認する者も居た。
まだ名前を全員覚えて無い、知らない教師は教室内を見回して、緑谷とマイケルを見つけるや声をかけた。
「イズク・ミドリヤ、マイケル・サンダース、アメリア・ホワイツ、今朝のギャングへの対応で校長から話がある、すぐに来なさい」
緑谷とマイケルは驚愕に目を見開き、離れて自席に座っていたアメリアも驚いてマイケルの方に身体を向けた。ただヒーローとして行動したはずだが、何かあったのかと3人は、教師に言われるまま校長室へ向かわざるを得なかった。
「すまないね朝から、そしてギャングへの対応ご苦労様、怪我もなく良かった」
ジョン・ロジャー校長は、緑谷達が校長室に来るや、まず今朝のギャングへの対応と捕縛を労った。よくやってくれたと、対応の中に不備があってお叱りでは無い事に3人は安堵した。
「それで、校長先生……我々を呼び出した理由は?」
「あぁ、キミ達は当事者だからね?先に説明をする事にした、この件は全校の仮免持ちにこの後話す事になる……重大な話だ」
ジョン校長の顔が険しくなり、3人も身構えた。まさか今朝の対応が、大事な話にまでなった何かがあったらしい。ジョン校長は話を続ける。
「キミ達が捕縛したギャングだが、どちらもセットは違うが"パンクス"だった、その二つのパンクスのメンバーから押収した品に……これが見つかった」
ジョン校長が、指を動かせば宙に映像が映し出されて大きく表示される。映し出されたのは押収品の写真だった。
ギャングが持つには、少々似合わないサイエンスチックで厳重な白い箱と、それが開けられた中には、緑色の薬品の入ったガラス容器に専用のシリンジガンらしき物が写っている。
「これは"濃縮型トリガー"約1年前、世界中を恐怖に陥れ、危うく世界危機に瀕したテロに使われた因子誘発剤だ……イズク、キミはよく知ってるだろう?」
「え?」
その薬品、トリガーと呼称される違法薬物。キミはこれをよく知っている筈だとジョン校長に言われ、一年前これと自分が関わり、世界中がというワードに、緑谷は数秒かかって気付く。
「あ……!まさかこれって!?」
「そう、この濃縮型トリガーは……ヒューマライズ製、トリガーボムに使われた同型の物と先程通達があった」
宙で指を動かして画面を操作するジョン校長により、更なる画面が現れて情報が新たに表示された。
『ヒューマライズ』
一年前、全世界に対してテロ行為を起こした宗教団体であり。『人類救済』を掲げ、個性を病魔として、個性を有する者達をトリガーボムにて抹殺しようとしたテロリスト集団。
その総裁、フレクト・ターンは……緑谷出久が人生において、2人目に殺したヴィランである。(ちなみに1人目はその部下の弓を使う女性)世界にその様子は中継され、緑谷出久が『恐怖の象徴』として、世界にその名を広める事となった相手だった。
そのヒューマライズが用いたトリガーボムに使われた、因子誘発剤が……まさかギャングに横流しされていた事が判明したという事になる。
「あの、トリガーが違法薬物なのは周知の事実ですけど、余程の事なんですか?変な話ギャングやヴィランがまぁ二、三本持ってるのは想像出来るっすけど痛って!アメリア!?」
マイケルが、この件を口内の仮免持ちに話す程なのかと首を傾げたが、これにアメリアが肘をまぁまぁの強さで横腹に打ち込んで言う。
「この馬鹿!想像できない!?そこらの粗悪なヤクじゃなく、世界を恐怖に陥れて壊しかけたカルト宗教テロ組織が使ってたトリガーよ!?回収されたの横流しもあり得るし、残党が作ったなら大事件よ!!」
「マジで!?ヤベーじゃん!!」
事の重大さを理解しろと、厳しくもしっかり理由をアメリアはマイケルに説明すれば、マイケルの顔が一気に青ざめた。
回収された筈のトリガーを、警察が横流ししたならば大問題。さらに、まだ市井に逃げ果たしたヒューマライズの残党が作り上げ、ギャングに売り渡し資金にしてるなら、再び立ち上がりフレクト・ターンの意思を継ぎ、人類救済の大量虐殺を行う事もあり得る。
ジョン校長は3人に、改めて今後何が行われるかを説明した。
「世界規模で起こったテロリズムだ、その芽がこのロサンゼルスで見つかった以上放置はできない、何より……ニューヨークでも同型のトリガーをギャングが保有していたと報告も上がった」
「ニューヨークでもって……まさか……」
このヒューマライズ製トリガーは、ニューヨークでもギャングが所有していたと既に報告があり、つまりはと緑谷はジョン校長にその先の話を尋ねれば彼は頷く。
「既に、アメリカ全土にこのトリガーが流れていると考えてもいい。そして、再びアメリカで起こるやもしれない……ヒューマライズのテロの再来があってもおかしくない、個人的な見解になるが……私はヒューマライズ残党が再起の資金集めの為に行なっていると見ている」
あり得るだろう、ヒューマライズの再来……。それが目的の、かつての残党による資金集め。ジョン校長は険しい顔のまま3人に言い放つ。
「これによって、アメリカ政府はプロヒーロー、警察、米軍……さらに人員確保のために仮免持ちを使った人海作戦による捜査を決定した、キミ達もクラスメイトも、今後このロサンゼルス全域で捜査に加わる事にになるだろうから、心しておくように」
「「「はい!」」」
とんだ急展開であった、まさかの事態が今起こった。
かつて解決した、世界的テロ……。それが再びアメリカで行われるかもしれない、その兆しを見つかったのだ。
過去からの刺客が、再び緑谷の前に現れようとしていた。