※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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535話 ヒーローの光と闇

 ロングビーチで緑谷とレックスが、プロヒーローが向かうのでと待機命令が下された同刻、コンプトンはノースコンプトンアベニュー、ウェスト130thストリート。

 

「オフィスに帰れよスーツ野郎!お前らの高級なコスチューム、泥で汚れるぜ?」

「治安を守る?ハッ!警察とグルになって、俺たちのポケット漁りに来ただけだろ!」

「ヴィランの心配より、明日食うメシの心配をしてくれや!」

 

 事態は、道路封鎖と警察による包囲にまで発展していた。

 

 レックスの送信した証拠により、トリガー使用を特定されたギャング達が、悪びれずにヤジに罵倒を吐き散す。彼らは『ノース・アベニュー・ラグズ・パンクス(North Avenue Rags Punks)』パンクスのシンボルから紫色のラグズ(ボロ布、バンダナ)を身につけたチームだった。

 

「あーあー……この辺りは相変わらずよね」

「よりによって行き先がここなんて……」

 

 緑谷と同じクラスの仮免ヒーロー、マイケルとアメリアは、盾を構え封鎖する警察の背後で待機していた。まさか出発して捜査開始して5分経たずで、レックスが何やらしてトリガー使用及び、取引の疑いがあるギャング達を特定してしまい、2人はその一つにてプロヒーローと警察から待機を命ぜられたのだ。

 

「……あんた、よかったの?別の場所に行っても私は構わないのに」

 

 声を上げて威嚇するギャング達を見つめるアメリアが、マイケルにそう尋ねる。マイケルは、アメリアに力無い作り笑いを浮かべながら返答した。

 

「ああ、大丈夫だから気にしないで……俺はもう決別したんだ」

 

 アメリアは……それ以上は何も言わずにただその時を待つ。そして、2人の背後から声がかかった。

 

「ちょっと、よりにもよって私の当てられた場所がこんな場所?せめて別のとこにして欲しかったわ」

 

 女性の声に2人は振り向いた、水色の電子の海をイメージしたヒーロースーツに、水色の頭髪が毛先にいくにつれてピンク色のミディアムへアの女性のヒーローは、カメラマンやらを引き連れて現れたのだ。

 

「嘘っ……サイバー・プリンセス!?」

「ハリウッドの寵児まで呼んだのかよ……余程だな本当に」

 

 アメリアは驚いた、まさかまさかこのヒーローが出てくるとは思わなかったのだ!マイケルも彼女を知らない訳がない程に、現れた彼女もアメリカプロヒーローを代表する1人!

 

 名は、サイバー・プリンセス!

 

 ハリウッドに自らのショーステージを持ち、様々な映画にも出演しているハリウッド女優とプロヒーローの二足の草鞋を履くアイドルヒーロー!ヒーロービルボードチャートUS下半期27位のトッププロである!

 

 アメリカ全土、主要都市全てを本気で、トリガー取り締まりをする気だと、アメリカ政府の本気が伺えた。驚く2人にサイバー・プリンセスはまず、アメリアに近づいて笑顔で言い放つ。

 

「ここまでご苦労様、後は私がさっさと終わらせるから離れてて頂戴」

「は、はい」

 

 恐縮しながらアメリアは彼女が通る道を開ける、しかし……マイケルの方を見てサイバー・プリンセスはその笑顔のまま言った。

 

「あら、警察にしては派手な服装ね?」

「えっ」

「あら、ごめんなさい! 警備員の方かと思っちゃった。……え? あなたも学生ヒーローなの? ふふ、ごめんなさいね、その体格と肌の色だと、つい警察に見えちゃって」

 

 彼女の言葉にマイケルも、アメリアも絶句した。明らかなそれは、黒人差別を思わせる語りだったのだ。

 

「ささ、私のステージの邪魔だから下がってて?輝きに少しでも影があったら撮り直しも効かないもの」

「あ、ああ……すいません」

 

 後退したマイケルの立っていた場所に、サイバー・プリンセスの"白人カメラマン達"や音響がズケズケと割り込み準備を始める。

 

 あまりの事にマイケルは放心し、即座にアメリアが近づくや、彼女は手を握った。

 

「マイケル、気にしないで?私、今から彼女のファンやめたから」

「あ、いや、アメリア、大丈夫だ、大丈夫だから……」

 

 ファンを今しがた失ったのをよそに、彼女は警察の盾によるバリケードの背後に立つや声を上げた!

 

「全員、良い位置に下がりなさい! ここからの画角(フレーム)は、私の『光(ホログラム)』で埋め尽くすんだから!」

 

 それと同時に!彼女の足元が、髪の色と同じ水色に光り輝くや、彼女は浮き上がる!その足の下には水色に輝くグライダーが顕現していた!

 

『ホログラムヒーロー』サイバープリンセス!

 

個性『ホログラム・ソリッド』!!

 

 彼女が放つ『光(ホログラム)』は実体化し!武器となり防壁を築き、乗り物すらも作り上げる!!

 

「申し訳ないけど、この後予定があるから1秒も無駄にできないのよ?だからさっさと終わらせるわ!」

 

 お前達に割く時間は無い、冷酷な宣言と共に浮遊する彼女の周囲に、戦闘機を模したホログラムドローンが何機も召喚されていく!

 

「しっかり撮影してなさい!全機追従!!ソリッド・プライムタイム!!」

 

 戦闘機ドローン達が、声を上げるノース・アベニュー・ラグズ・パンクス達に水色のホログラムエネルギー弾の機関銃により掃射されていく!

 

「うぁああちきしょおおお!?」

「な、なんだこの眩しさは……目が、目が眩んで何も見えねぇ!!」

「やめろ! 止めろおぉぉッ! 蜂の巣にされる……! 助けてくれぇッ!!」

 

 眩い光の雨霰にギャング達は霧散する、しかしそのエネルギー弾は、誰一人逃がさないと容赦無く降り注いだ。

 

 時間にして、1分も経たず……ノース・アベニュー・ラグズ・パンクスのギャング達は路上に横たわり、呻きをあげ、全滅したのだった。

 

 サイバー・プリンセスはそのままゆっくり地面に降りて、足元のグライダーを霧散させれば、既にもう終わりだと見てわかるだろうと彼女のマネージャー達が、汗拭きタオルやらドリンクを持ち出しそれを受け取りながらギャング達へ言い放つ。

 

「はーいカメラ止めてー?……んんっ、私の1秒は、あなたたちの生涯年収より高いの。……手短にノックアウトしてあげたんだから感謝しなさい、ほら警察!さっさとふんじばって護送しなさい!私は撮影に戻るから後はよろしく」

 

 自身の隠したい裏の顔は決して映さず、警察へ偉そうに命じてから彼女は現場に背を向けて、ここまで来る為のスポーツカーの助手席に乗るや、そのままエンジンを吹かして退散した。カメラマンにマネージャー達もロケ車らしいバンへ即座に乗り込んで、彼女のスポーツカーを追跡するのだった。

 

「か、確保ーー!!」

 

 ストリートを閉鎖していた警官隊も、呆気に取られたが即座に倒れたギャング達に手錠をかけるや、護送車へと運び始める。その蹂躙劇を見ていたアメリアとマイケルは、結局何も言えずただ立ち尽くすしかできなかったのだった。

 

 大凡の、ロサンゼルス各地における、ヒーローによるトリガー使用のギャング取り締まりは、この場と同じパターンで即座にギャング達は捕まった。

 

 また、アメリカ全土、主要都市にて同じ流れでギャング達は鎮圧、取り締まりは行われた。

 

 

 そして場面は、緑谷達の現場に戻る。

 

 

 




セキアカオリジナルヒーロー図鑑

ヒーロー名: サイバー・プリンセス (Cyber Princess)
本名: エレナ・ワトソン (Elena Watson)
年齢: 25歳
拠点: アメリカ・西海岸(ロサンゼルス / ハリウッド)
個性: ホログラム・ソリッド(光の質体化)
ヒーロービルボードチャートUS下半期27位

備考

アメリカトッププロヒーローの一人にして、所謂『劇場型ヒーロー』を代表するアイドルヒーロー。

生まれは名門で、父は元プロヒーロー、母もハリウッド女優という完璧な生まれの中で育ったサラブレッド。一切の挫折なしにアメリカプロヒーローに駆け上がった才女である。

が、その挫折無しの経歴である故に選民的かつ差別的な考えを持ち、異形と貧民を理解できないという歪みを抱えている。
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