【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
二日目にして、自らのヒーローアーツ『フルイドスタイル』を体得した緑谷はそのまま三日目の朝を迎えた……この勢いそのままさらなる修行にーー。
「本日は夕方まで休み!」
「え!?」
「夕方よりフェイズ2へ移行する、遠出をするから休んどけ!激しい運動禁止!よいな!というわけで……ワシは寝る、おやすみ!!」
扉が閉まる、緑谷出久……まさかの夕方まで自由時間!!遊びに行こうにも甲府市の地理知らねぇ!つーか、トレーニングか部屋でゲームか特撮見たりしかやらねぇ!そのトレーニングも封じられた!ゲーム機なんざ持ってきて無ぇ!最近は放課後に友達と寄り道し始めたけど、皆散り散り!
「暇になっちゃった……」
僕の職場体験、修行ばっかりでヒーロー活動やってないなぁ……そうして自分も床に、日曜子持ちのおっさんのように寝転がって暇を潰す。
みんな頑張ってるかな……僕より活躍してそうだな、そんな風にクラスメイトの職場体験風景を描いていると……。
「そういえば…‥飯田くん、大丈夫かな」
クラスメイトの1人が気になり、スマホをタップして、件の事件を調べる事にした。
『ヒーロー殺しステイン』
17人のヒーローを殺し、23人のヒーローを再起不能にした通り魔的殺人鬼のヴィラン。その再起不能にした中の1人には……飯田天哉の兄であるプロヒーロー『インゲニウム』も含まれている。
何故、この男はヒーローを狙うのか、その理由は分からない。しかし、異様な情報も掲示板やらを巡っていくと出てきた、なんでも、ヴィランもその手に掛かっているらしい。
ただの殺人鬼か、はたまた何か理由があるのだろうか。職場体験中の飯田が、インゲニウムが再起不能にされた保須市に職場体験を選択したから、やはり心配になり携帯にかけてみたが、電源は切られていた。
当たり前である、職場体験中だ、むしろ今日までマンツーマン特訓をしてる方が異様この上無い。
誰か連絡できないか、いや迷惑だよなと、スマホを弄る。無意に時間を過ごすと……こんなに暇なのかと、緑谷はそのまま寝落ちした。
「へーい、タークシー」
「あ、タクシーで移動するんですね?」
グラントリノが手を挙げタクシーを呼び止める。あっという間に夕方になってしまった、今から実践訓練を行うとなり、移動先は余程遠くになるらしい。
「ああ、東京の渋谷に向かう」
「わざわざ渋谷までですか?この辺りでは無くて?」
「この辺りは平和だからの、都市部の人口過密な場所にこそ、ヴィランは蠢き犯罪も多くヒーロー事務所も多い」
それは確かにそうか、ヒーロースーツ着用のあたり本気のヴィラン退治がこれから始まるのかと、気を引き締めてタクシーに乗り込む。
「あ、渋谷となると……甲府から新宿行きの新幹線に乗る感じですか?」
「おお、そうなる」
その経路だと保須市を横切るな、大丈夫かとメッセージ入れておこうと携帯を取り出していると。
「あれ!?グランの爺さんじゃない!?ヒーロースーツなんか着てどうしたの!!」
タクシードライバーが声を掛けてきた、帰化人だろうか?グラントリノの知り合いらしきタクシードライバーが、陽気に話しかけてきた。
「おお、ダニエルのタクシーじゃったか!こりゃいい、今から弟子の修行でな、折角だから駅まで飛ばしてくれるか!」
「へ?」
飛ばす?どーいう事だ?ふと、緑谷はこのタクシーの違和感に気付いた。なんかシートがいい、普通車のやつじゃない。あと……ドライバーのダニエルさんが何かハンドルを取り替えたり、ボタン操作してるし……今車高が動かなかったかと危機感がひしひし感じてならない。
「オーケー爺さん!じゃあキミも、シートベルト締めて!しっかり捕まっててくださいよ!」
「ほら小僧シートベルト締めろ、ダニエルの運転は凄いぞ、何せ昔フランスの公道でブイブイやってたからな!」
「ちょっーー」
「あ、音楽かけていい?アガるからさ?」
「待って!」
「「出発、進行!!」」
「いいゃあああああーーー!!」
甲府市の夕焼けに、生娘のような悲鳴が響き渡った。