※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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536話 重低音 

 いいのかな本当に……敵陣のコンドミニアムから離れた場所で、レックスのリムジン内にて緑谷はモニターから、コンドミニアムの映像を眺めながら瓶のコーラを飲んでいた。

 

 レックス曰く『これが世界一美味しいコーラ』らしい、メキシコ産の瓶詰めコ◯コーラは、他のコカ◯ーラが甘味料に使っているのが『コーンシロップ』に対し、メキシコ産だけはサトウキビから作った純粋な砂糖が使われているから味が違うのだとか。

 

 それが原因かは知らないが……メキシコは糖尿病患者が多いらしい、水の代わりがコーラなんだとか。

 

「あ、確かに違う、日本のよりスッキリだ」

「だろ?さらに言うならコーラは必ず瓶がいい、炭酸も抜けないからね」

 

 一口飲んだ緑谷も、確かに違いがわかるくらいに美味しかった。そもそもの話、レックスなら『家にコーラ職人が居て最高級なクラフトコーラを作らせて飲んでいる』くらいの偏見が緑谷にはあったがそうでは無いらしい。

 

 しかし捜査中に、学生とは言え仮免ヒーローがリムジンの中に退避してぬくぬくプロの仕事を見るだけでいいのだろうかと、やはり身体がうずついてしまい、緑谷はモニターから目を離さない。

 

「アンドリュー、派遣されたプロヒーローって誰か分かるかい?」

「お待ちください、映像からお調べを……」

 

 レックスも、暇だと先程突入したプロヒーローを調べさせようと運転手のアンドリューに尋ねる。緑谷は、頼りっぱなしになるなと感じて、ペンダントに声をかけた。

 

「イーヴルマジン、今コンドミニアムに突入したヒーローは分かる?」

『はい、3人が突入しております』

 

 レックスの、暇で呆けていた雰囲気が一気に消し飛んだ。緑谷のペンダントの輝きと響いた男性の声に、目を細めそれを見つめる。

 

「イズク?それは何だい?」

「あ……えーっと……AIのイーヴルマジン、メリッサから貰ったバイクに搭載されたAIで、このペンダントからも話せる」

『どうも初めまして、レックス・G・ウィンドソー様、マスターがお世話になっています』

「ああこれはご丁寧に……」

 

 ひとしきり会話が終われば、改めてイーヴルマジンは、今現在突入したプロヒーローの名前を語り始めた。

 

『一人目はフロリダ出身の"ワイルド・バイツ"、ワニの個性のヒーローで、ビルボードチャートUS82位、その彼を先頭として……ナックルコップとシャドウエッジが突入されております』

「へぇ、まぁその3人なら我々の出番など無いのも頷けるね」

 

 ヒーロー名を聞いて、レックスは自分達に待機命令が出されたのも理解できると納得した。かく言う緑谷も、ヒーローオタクでありアメリカヒーローを知らない訳もなく……その3人のプロならギャングの一団程度簡単に制圧できるだろうなと思った。

 

 この時までは、だが。

 

 瓶コーラを飲み干した緑谷が、モニターに目を向け、数秒後……車内が微かに揺れたのだ。

 

 エンジンの揺れでは無い、確かに別の振動を感じた。

 

「レックス、今……地震起きた?」

「地震だって?まさか……エンジンの振動と勘違いを━━」

 

 ━━━ドンッ━━━

 

 今度は、二人の耳にもその『音』が聞こえ、車内のグラスやモニターが揺れた。

 

「……揺れたね」

「ああ、間違いじゃあないね」

 

 即座にレックスはドアを開けて飛び出して、緑谷も続き、離れたギャングの巣窟であるコンドミニアムの方を見る。

 

 そして━━!

 

    ━━━ドゴォオンっ!!━━

 

 重低音がさらに強く響いて、コンドミニアムどころか周囲の建物の窓ガラスを粉砕し、路駐や駐車場の車を揺らして防犯ブザーが鳴り響く!その音は、緑谷の癖毛も、同じく外に出ていたレックスのキューティクルな金髪が揺れるほどだった!

 

 市街地の真っ只中でライブでも始めたのか!?こうなれば待機だなんだとは言えないだろう、二人は同じ思考に行き着きその場を飛翔するや、コンドミニアムへ向かった!

 

「見ろイズク!どうやら我々の想像以上に、敵は強い様だ!!」

 

 飛翔して近づく最中、レックスが気付く。力無く落下していく人影三つ!突入したプロヒーロー3名、ワイルド・バイツにナックルコップ、シャドウエッジの全員が気絶して真っ逆さまに自由落下していた!

 

 言葉は無かった!ここは自分の領分だと、プロヒーロー達を緑谷は引き寄せて落下を阻止!そのまま近場の屋上にゆっくり着地してから、3人を下ろした。

 

「アメリカの、プロ上位がこれか……!レックス!!」

「既に救難シグナルは出しておいたさ!行くぞ!!」

 

 宙舞うレックスに、緑谷は声を上げた。その先の行動は既に終えていると、レックスの眼差しも強く、戦闘体勢に切り替わっていたのを見るや、緑谷も再度上昇しコンドミニアム最上階へ二人は降り立った。

 

 屋上庭園らしき最上階には、ステージが建てられていた。既にプロヒーロー達が戦闘を行い、倒れ伏したギャング達も居る中……たった一人ステージに立つ男に、緑谷とレックスは目を向けた。

 

「あ? なんだ、次はひよっこヒーローのガキ共かよ。仮免許ぶら下げて……英雄ごっこ(ライブ)の続きでもしに来たか?」

 

 コーンロウヘアに紫のパーカーを着て、首から下げる金のネックレスは『808』と型取っている。不遜な物言いをするこのラッパーが、此度の強化トリガーに関わるギャングの一人として挙げられた男。

 

 808 POUNDS(エイトオーエイトパウンズ)

 

 本名、トレイヴォン・ショックリーに、緑谷とレックスは相対したのであった。

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