【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「死ぬかと思った……」
「いやー、やはりダニエルの運転はスリリングでいいのぉ」
「僕はもういいです……」
新幹線の車内で、黄色のヒーローと黒いファンタジーのヴィランが話している。としか見えない様に、周囲はヒソヒソ声が多くなっていた。連行中か、コスプレか、実際はこの2人見えないが師弟である。
「にしてもお前さん、それ暑くないのか?ゴッテゴテで重そうじゃが」
グラントリノから、ここに来て緑谷のヒーロースーツにツッコミが入った。
「ああ、前の自作のと違って……こっちは被服控除で会社に作ってもらったからそこまで苦じゃ無いです」
「ほー…‥かっこいいがヴィランにしか見えんのぉ、もっとヒーローらしいデザインにしたらどうじゃ?」
「これはこれで、ある意味ヒーローですけどね」
まあ言われるなと、師匠からデザインを突っ込まれて緑谷はスマホを取り出してメッセージを確認した。
飯田に保須市を通ると連絡したが、既読無視になっていた。普段なら既読3分で返す律儀な友人がだ……。もうすぐ通過してしまう、胸騒ぎがする……。
「おい!あのビル爆発したぞ!」
そんな胸騒ぎが当たったかのように、反対側の列の座席の客が叫んだ。野次馬達が窓を覗き出す。
「どうしたんじゃ?」
グラントリノが気になり騒ぎに目を向けた瞬間だった。
『お客様、座席にお着きください』
そんなアナウンスと共に急ブレーキがかかった瞬間ーー。やかましい音と共に車体に穴が空いた。
「な、なんだあいつーーぐぁあ!?」
誰か分からない、しかしヒーローらしき青年が頭を鷲掴みにされ押さえつけられ、車内に入ってくるそれに、緑谷は思い出した。
「こいつは……USJの!!」
相澤先生に怪我を負わせ、自分が脊髄をぶっこ抜き殺した……異形の化け物!校長から写真付きで名前を知ったそれはーー!
「脳無!!」
「小僧座ってろ!!」
その言葉と共に、グラントリノが飛び出し、脳無にジェットの勢いを乗せた蹴りを放ち、そのまま脳無を道連れに車外に飛び出して行った!
「師匠ーーー!!」
命令無視で緑谷は、脳無が開けた穴に向かった。そして眼にする、保須市に灯る火災の灯……新幹線がブレーキで止まる。
「うぁあ……あ……」
足元で呻くヒーロー、誰かは知らないがまずはと彼を回復体位にして楽にさせる。血は流れているが酷くはない、骨折も無いかと確認してから、緑谷は穴の前に立った。
「座ってろと言われたけど、これを見てそのまま待機はできませんよ師匠!」
穴から飛び出して、新幹線の線路と街を遮る防音壁の縁を掴み、そこに登る。眼下に見える町へ向かい、緑谷は跳んだ!
「さぁ新しいスーツの機能、ちゃんと動いてくれよ!!」
コートを翻す、そのコートが空気を掴み落下速度を落としていき、ゆっくりとビルの上に緑谷は着地した。
自作スーツから、被服控除により生まれ変わった緑谷のヒーロースーツ!そのコートには、翻すと風を掴む滑空翼となり、ハンググライダーないしパラシュートの様に落下速度を下げるのだ。
「すっごい……このままビルを渡っていこう、無事でいてください、師匠!」
喜んでいる場合ではないが、やはり憧れと同じ事ができると嬉しくなる。緑谷は火災現場へ向かって、ビルとビルの間を跳んで向かっていった。