【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
夜の保須市を翔ける、黒い影が月夜に照らされる。空を滑空しながらパルクールによって到着した、火災の広場を見下ろして、緑谷出久は惨状に歯軋りした。
空を飛ぶ脳無と……USJの筋肉ダルマの脳無……。それを数人のヒーローが相手取り苦戦している……。
今の自分は雄英生徒、ヒーローではない。しかし……じゃあこのまま見過ごしてなぞできない。何よりこの場所はクラスメイトの飯田天哉が職業体験をしている場所だ。心配しかない……彼を探すためにも、まずはあの脳無を倒す。
帽子を深く被り、口元を隠す……心を落ち着かせ、緑谷は渦中へ飛び込んだ。
「天哉くん!どこだ!天哉
くーん!!」
この保須市に事務所を構えるヒーロー、マニュアルは、消え去った職場体験の生徒飯田を探して声を上げる、忽然と姿を消した彼の心配をよそに、巨躯のヴィランと、翼を持ったヴィランの破壊活動は止まらない!
「くそ、なんて奴らだ……こんな時に!」
「マニュアル!消火だ!急げ!!」
自らの個性で、消火栓から噴き出る水を操り火災を消しにかかる!しかし、これだけ集まったヒーローが、尽く何もできずに苦戦するしかない。
天哉君が心配だ、早くなんとかしないと、1人が巨躯のヴィランに弾き飛ばされた刹那。マニュアルはふと、視線が空に移った。
「うぉわああ!?」
「だ、誰だ!!空飛ぶやつの背中にーー」
そして、見た。この世闇に紛れるような、黒の、まるで中世の時代の暗殺者か何かを思わせる服を着た男が、空を飛んだヴィランの背を踏み潰し……。
「ーーー!?」
首を、脊髄がついた首を持っていた事に!
「まずは1人ーー」
飛行型脳無の脊髄を投げ捨てる、そして歩きながら……巨躯の脳無に向かう。ゆっくり、ここにいるぞ、こっちに来いと見せつけるように。
ヒーロー達からしたら訳がわからないだろう、見知らぬヒーローかも分からぬ黒衣の男が、自分たちの苦戦したヴィランをいとも簡単に殺した事に。
脳無の目がようやくこちらを見る……オールマイトより少し小さいか、しかし……それに比べたら脅威にあらず。
「うおおおおーーおおおおーーー!」
吼える脳無が向かってくる、この対峙の刹那に、緑谷のパズルピースがまた一つハマった!
「どりゃああ!!」
向かって来た脳無に気合い一閃の、カウンターのアッパーがヒット!!感じ取った感触!!顎骨を砕いたのがまるで、レントゲンの様に想像できた!!身体が跳ね上がる様に伸びた脳無へ、緑谷が見つけた勝機はーー膝!!
「でえぃりゃああああ!!」
瞬時に放たれた二発の蹴り!一発目は右足で踏み潰すような蹴りが、脳無の左膝を逆に折り潰し、さらに追撃の左の下段回し蹴りで、体勢を崩す!
そして倒れて目の前に来た頭を引っ掴みーー思い切り脊髄をぶっこ抜いた。
「的確に相手の弱点、急所へ強く鋭い攻撃を放ち、打ち砕く……これが破壊のヒーローアーツ……レッキングスタイルと名付けようか」
この刹那に思いつくあたり、実践はやはり最高の練習場所かもしれない、脊髄を投げてヒーロー達に歩いていく中、マニュアルだけは見えた。
火災とはまた違う、赤色の何かが、黒衣の男から立ち昇っていたのを。