【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「はあ……はあ……はあ……危なかった」
意識を失い倒れたステインを目の前に、手を膝につき息を切らして緑谷の緊張は切れた。本当に際も際だった、逆に自分の首が飛んでたかもしれない、それ程緊張感があったと呟いた。
そのまま、肩を貫かれたらしい飯田と、たしか彼はプロヒーローのネイティブだったか、そちらに向かう。
「2人とも大丈夫ですか、まずは表に出ないと」
「あ、ああ、何とか」
さっきまで立てなかったらしいが、ネイティブは普通に立ち上がった。なら飯田の方が先かとそちらに向かう。
「立てる?飯田くん?」
「ああ、すまない……緑谷くん……」
「血を止めないと、ああもう!医療キットも頼んどくべきだった!」
装備品にそっちもつけるべきであったと、何か止血できるものを探す緑谷、そこに声が掛かる。
「何かあったのかと来てみたら……もう終わってたのか、大丈夫か、2人とも」
「えーー」
確かに位置情報送ったが、まさかキミがと意外な人物の登場にびっくりした。
「轟くん!どうしてここに!?」
「クソ親……エンデヴァーにヒーロー活動でな、そうか……広場のあの化け物、お前だったか」
轟焦凍の登場は意外も意外だった、まさかの彼も遠征で来ていたらしいと、奥に倒れているステインを見つけて、緑谷に聞く。
「お前がやったのか?」
「いや、そちらのプロヒーロー、ネイティヴさんが死闘の末にね、僕が来た時には終わってた」
「え!?」
「緑谷くん!?」
唐突に、ネイティヴはステイン撃破の功績を押し付けられた。飯田も何故にとなるがーー合わせて合わせて、と緑谷は目配せした。
「そうか、それで2人の救助の為に位置情報を、1人じゃ担げないからーー」
「そう、ステインも警察に渡さなきゃだし……他のヒーローも来て貰わないとーー」
「って、引っかかるか、流石に」
流石に、彼もそこまで天然では無かったらしい。ステインを倒せるとしたら、お前しか居ないだろうこの場ではと笑った。
「とりあえず表に運ぼう、親父も呼ぶ」
こうして保須市で起きた、ヴィラン襲撃の騒動は、幕を下ろす事となった。
あの後……緑谷はグラントリノに絞られたし、脳無の件も知らんぷりは流石にできない為、緑谷はエンデヴァー、グラントリノ同伴で警察に事情聴取を受ける事になった。
何しろいくら化け物だろうが、脊髄を引き抜いて殺傷している。雄英高校まで連絡が行くわ、これ本当に脊髄戻して大丈夫なのかと、エンデヴァーとグラントリノ立ち会いの厳重な警備の下で、二体の脳無の脊髄を戻して回収に至ってようやく解放された。
あの脳無という化け物は、一度機能停止したら動かないのだろうか、謎は深まるばかりだった。
飯田は肩の傷によって入院……ステイン逮捕の件は……エンデヴァーが行った事にしてかたをつけた。プロヒーローで無い者が能力行使は御法度、しかしステインを倒した落とし所としては、それが一番だろう。
激動の職場体験を終え、新たな戦い方を手にした緑谷は、グラントリノに別れを告げ雄英に帰還したーー。
だが、緑谷はまだ知らない。
巨悪の種は、ばら撒かれた事に。
そして……自らの個性と似た個性を持つ巨悪と、いずれ対峙せざるを得なくなる宿命に。