【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「以上がまぁ……僕とステインの一瞬の勝負だった……という感じで」
「聞いた尾白くん?」
「聞いたよ耳郎さん?」
2人も聞いてしまった以上仕方無しと、事の顛末を話した緑谷に2人は息を吸って言った。
「「ヒーローじゃん、それもう」」
2人の感想は揃ってしまった。
「私も手伝いでヴィラン退治したけどさぁ?ステイン倒しちゃったよ、うちの最強」
「友達を救う為命をかけた勝負……よく帰ってきたね緑谷くん」
「ああ、彼のおかげで今僕はここに居れてるんだ」
本当にうちの緑谷は、いつも騒動を起こすけどこうしてケロッと帰ってくるのだ。職場体験でクラスメイトを助ける為にネームドヴィラン退治?しかも事が事だから秘密裏にされた?映画のヒーローがここに居ると2人は笑うしかなかった。
「い、いやそんな……頼むね、内緒だよ?」
「勿論言わないわよ」
「ああ勿論だ、秘密だな」
「は、はい!秘密ですね!」
「「「「「「うん?」」」」」」
今一つ、声が増えたような……。そしてよく見たら、浮き上がってる女子制服があった。つまり……。
「は、葉隠さん!?聞いてたの!?いつの間に!?」
「えっと……3人で登校して来た時から?」
葉隠透!まさかの最初から居た模様!
「ちょっと待て緑谷……あそこを見ろ!!」
さらに……廊下側の窓に見知った紫色の丸が!即座に立ち上がり、再び廊下に出た緑谷は、唖然とした。
「は、入れなかったんだよ!そんな話してたから!」
「すんません!脊髄抜きは勘弁してくれいずくっち!」
「峰田くん、上鳴くんまで……」
入るタイミングを失った峰田と上鳴も、聞いてしまったらしい。
「まずいぞ緑谷くん!このままだとキミがステインを倒した事実が広まって……」
「え!?あの事件、緑谷くんが解決したの!!」
「あらま……すごい濃密な職場体験だったのね緑谷ちゃん」
「はっ!?」
「い、い、だ、くーーん?」
キミ、今のワザとか?わざとなのか?そうなんだろう、丁度麗日さんと蛙吸さんまで来るなんてーー。兎に角止めなければと、緑谷は奮戦した。
それから数十分後、爆豪勝己は騒がしい教室に苛立ちながら、登校した。
「うるせぇなぁ朝からクソモブどもが……」
「おお!爆豪おはーーぶはははは!!」
「……な、なんだお前それ!!あはははは!!」
教室に入るや、爆豪は切島と瀬呂にまず笑われた。仕方ない、ヒーローベストジーニストの矯正を受けた爆豪の髪の毛は、爆発金髪ベッドから8:2サラリーマンにされていたのだから。
「笑うなぁ!癖ついちまって洗っても直らねぇんだ、ぶっ殺すぞ!!」
「そ、そりゃ大変だな!あは!あはは!!」
「あー本当、話題に事欠かねーなぁ!!このクラス!爆豪はそんな髪になるし、蛙吸は密航者を捉えるし、緑谷はステインをぶっ倒しちまうんだからよ!!」
「笑ってんじゃーーおい、今なんつったクソ髪?」
その笑い声とセリフの最中に、冗談にしては笑えない話が出てきて、怒る途中ながら質問に切り替わるくらいに、爆豪の心臓が締まった。
「ん?おお、エンデヴァーがステイン捕獲した裏側でな、実は倒したのが緑谷だったんだよ」
「なーー!?」
爆豪勝己は……こうも他人を貶したり口こそ悪いが、頭が悪いわけではない。そして何より、その話が冗談ではないと理解できるくらいには、緑谷と幼馴染をやってる時期は長い。
だから、冗談だろとか、嘘つけやとは出てこなかった。
席の周りで、クラスメイト達に詳細を聞かれ慌てふためく緑谷。守秘義務だから、これ以上はと困るその様に……爆豪は過去を思い出した。
個性が現れた頃、自分はそのかっこいい個性で憧れとリーダー格の地位を築き上げた。羨まれ、尊敬された、王様だった。自尊心が満たされて、誰もが自分を引き立てる脇役と思えた。
それをあいつが……緑谷は完膚なきまで破壊した。たった1回負けた、こっちは木の棒の勇者で、あっちは核ミサイルみたいな戦力差。
みんな恐怖した、先生すらご機嫌を取り、歩けば誰もが道を譲る……誰もが跪いた。
「ん、ああおはようかっちゃん、その髪イメチェンしたの?似合ってるねその感じも」
それが何だ、ヒーローにまだなってないのに、大活躍して、チヤホヤされて、そこには俺が居るはずだろうがと、爆豪はーー。
「ちっーー」
「えっーー」
舌打ち一つ、それだけで自分の席についた。