【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
職場体験が終われば期末試験が近づく、A組面々もそれに向けて勉強と訓練に励んでいた。
「ゲッオーバーヒアー!」
入り組んだ工業地帯を模した『運動場γ』で、瀬呂の声が響き渡り、配管にテープを巻きつけ空を舞い移動する。職場体験開けもあり、レクリエーションに近い訓練をオールマイトが担当していた。
救助対象のオールマイトが何処かに待機し、5人が散らばり、救助サインを出したオールマイトの元に誰が早く駆けつける事ができるか?という『救助レース』
最初の参加者は瀬呂、尾白、芦戸、飯田、そして緑谷だった。
「こんな感じだよな!真似したくなるよ本当に!」
各々がそれぞれの個性を使い、工業地帯を駆ける。この入り組んだ中で移動速度なら自分に分があると瀬呂が自信満々に飛び交うその真上に。
「お先に」
「え!?緑谷!!うわぁ!なんだよそれ!!」
瀬呂も、そして参加した者達も、モニター鑑賞組も驚いた。緑谷が空を飛ぶ、いや滑空して飛翔している事に。
「おいおい、ありかよそれ!?飛んでるぞ緑谷の奴!!」
上鳴は中継映像で空を滑空して距離と速度を補う緑谷に、それはありなのかと指差して言った。
「確かに、彼は移動に関しては走るのとパルクールでなんとかしてましたが……ついに空を飛びましたか」
「新しいヒーロースーツの機能みたいね……かっこいいわね」
八百万は、その移動力を補うフリーランやパルクールを緑谷が使って補ってきたのを見て来たが、その限界をガジェット、ヒーロースーツで底上げするというのは納得するしかなく、蛙吹はその滑空する様にかっこいいと溢した。
「俺のマントもあんなのにできねーかなー……うん?」
峰田が映像を見て同じのを出来ないかなと呟く中、いやに今日は静かだと、ふと爆豪が騒がしくないと気付いて、彼の姿を見た。黙りながら、真剣に画面を見ていた。異様だと感じながらまた画面に目を戻した瞬間ーー峰田はアクシデントをその目に刻む事になった。
「滑空翼も調子いいな、このまま着地ーー」
緑谷出久は、新しくヒーロースーツへ組み込んだ滑空翼に満足していた。慢心があった、というべきだろう。そして着地先を誤ったのが此度の悲劇の原因だった。
丸い配管につるりと、足を滑らせたのだ。
「ーーしまっ!?」
そして、その時は訪れた。滑った足がそのまま、パイプに跨る感じに着地をしてしまい、パイプが緑谷のナッツに直撃したのだ。
「おぼぉほ!?」
「あっーー」
追いつこうとした瀬呂が、背後からそれを目撃してしまい、声を溢す。そのまま脱力して、ずるりとパイプからずり落ちてーー。
「あぁーーーーーーー……」
「み、緑谷ぁああーーーー!!」
力無い悲鳴をあげて落下していくのを、瀬呂は悲痛な叫びを上げて見送ったのだった。
「いい奴だったな、緑谷……」
「お前のことは忘れない、ナッツパンチ継承者として」
「立派な最後だったわ……」
映像を見ていた障子と轟と耳郎は、敬礼しナッツパンチ同盟の戦友かつ被害者(障子くんと轟くん)として彼を見送った。
「死んでないから!?でも落下したけど大丈夫かあれ!!うわぁ…‥痛いよなぁ絶対」
敬礼する3人に殺すな殺すなと峰田が突っ込む、他にも男性陣は股を内股にする中、ふと峰田が、この珍事に爆豪のリアクションがない事に気付いた。
普段なら『ざまぁねぇなクソヴィラン!女になっちまったよ!!』くらい吐き散らす筈が……まさかのノーリアクションだった。
峰田は、どうしたんだ?と尋ねたかったが、こちらが噛みつかれそうなので黙り……自分も敬礼しておく事にしたのだった。