【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
来たる!雄英高校試験当日……緑谷出久は自らの驕りを後悔した。迂闊であった、なんと嘆かわしい事だと。
筆記試験に抜かりはなかった、実技試験もこの個性があれば超えて行けると!
「弱ったなぁ……まぁ、生物が相手は流石に無いよね」
雄英高校の実技試験『模擬市街地演習』演習用仮想敵を、持ちうる個性で如何に倒して得点を得れるか!?その試験に用意された敵は……機械!ロボット!無機物!!
試験開始すぐ、皆が散った中で緑谷は歩きながら考えた。
緑谷出久の個性は『脊髄ぶっこ抜き』脊椎動物であるならば、どんな生物もその首根っこを引っ掴み、ぶっこ抜いて殺す事ができる『対生物最強』とも言える個性!しかし……これには弱点が幾つかある!
1つ!液体生物や流体物は掴めない(例外あり)
2つ!無機物には作用しない!つまり……機械の敵には全くもって無力!!
即ち、この様な機械を相手にした場合全くもって無力そのものでしかないのだ!改めて痛感する、自らの個性が『人を傷つけるしかできない』という事に。だが、だからと言って諦めるのはそれこそヒーローじゃあ無かろうよと、落ち着きながら歩いていると……喧しい崩落音が響き渡った。
試験の説明の際に『ボイスヒーロー』プレゼント・マイクが話していたし、誰かが質問して答えていたなと緑谷は思い出す、敵は攻略難度によって1〜3ポイントに別れているのと、0ポイントに別れたお邪魔キャラがいると。
「でっかぁ……確かに邪魔キャラだわ……」
これを避けつつポイントを手に入れなければならないなんて、しかし残り時間も僅か……どうしたものかと、邪魔キャラの巨大機械敵から逃げる他の受験生が、こちらに来ている中……緑谷は1人だけ逆に走った。
「!?き、キミ無謀だ!!なにをしてーー」
途中すれ違った誰かにそう声をかけられる。それを振り切り、緑谷は手を伸ばす!その先に居た、転んで今にも踏み潰されそうな受験生の女の子に!
ああしかし、届かない……高速の足も持っちゃいない、伸びる腕も持っちゃいない、踏み潰されない鋼鉄の肉体も持っちゃいない、まだまだ遠い女の子を前に自らの個性の役に立たなさに緑谷の顔が歪む。
「こっちに、来い!!」
それでも念じた!手を掴め!こっちに来いと!それが通じたのか緑谷の手は届いた、奇跡か、火事場の馬鹿力か間に合ったのだ!そして一気に引き寄せて、自分と入れ替えるようにして、そして緑谷の景色に幕が落ちた
「い、いやぁああああああああーーーー!?」
「な、なんて事だ……」
『しゅーーーーりょーーーー!!』
騒然とする試験会場に響き渡る悲鳴と、起きてしまった悲劇に驚く受験者たち。まさかまさかの、死傷者!敵に踏み潰されて試験中に死ぬなんて……皆が巨大敵の足に、女の子の代わりに踏み潰されただろう受験者が今も居るその足を見てしまっている。
「試験だというのに……彼は、あの子を救うために走ったというのか……」
「いやぁああ!はやく!はやく足を!助けてあげてえ!!」
「おい!?皆でなんとかどかすぞ!!試験官なんて待ってられねーよ!!」
皆がその様子で、何が起こったか理解して仮想敵の足を持ち上げようと走り出す、しかし電源が切れたか、試験官が動かしたかは分からないが、足は重苦しい音と共に動き出しーー。
「た、助かった……」
「あ……」
緑谷は形を保って、クレーターとなった地面に蹲ってそう呟く。立ち上がり、駆け寄った他の受験者達を見て、自嘲気味に笑った。
「だ、大丈夫?怪我はない!?」
「医務室に行くなら僕が抱えて走ってやる、大丈夫か?」
ブラウン髪の助けた女の子と、真面目そうなメガネの少年がいの一番に大丈夫かと、怪我はないかと尋ねて来て、緑谷は言った。
「大丈夫だよ……僕、結局得点取れなかったからさ……キミらは立派なヒーローになりなよ?」
そうとだけ伝えて、2人の間を通り緑谷出久は試験会場から出て行った。