※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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85話 どうぞご勝手に

「仲違いは続いてる?緑谷くん……」

 

「最初からそうさ?まぁ、うん、愛想尽かされたのかもね……」

 

 試験の様子を写すモニターを見る緑谷に、麗日が尋ねた。それに対して元気なく答えた緑谷、結構堪えてるようで声にいつもの自信や覇気も感じられなかった。

 

「いつも気になってたけど……爆豪くんとは仲悪い……の?」

 

 今更ながら彼女は尋ねてみた、あんなに悪態を吐かれて、脊髄を引き抜いての仲だから、仲は悪い筈なのではと。

 

「いいや、僕が一方的に戯れて甘えてるのさ、彼くらいだからね……幼稚園からずっと、まともに僕の相手をしてくれるのは……」

 

「そうなんだ……親友じゃなくて、悪友?」

 

「僕は親友と心で呼んでるけど、彼は言わないだろうし、ふざけるなと思ってるだろうね」

 

 その答えは、自分の親愛を一方的に押し付けて、甘えてただけであると、緑谷は溜息を吐いた。だから自分が悪いし、何よりいつかはこんな日が来ると覚悟しーー。

 

「寂しい……」

 

 てなかった、緑谷はしおしおと枯れた草のように萎びてしまっていた、これでは茶谷であった。

 

「また、元に戻るのは無理でも……なんとかなったらいいね、あ、砂藤くんと切島くん負けちゃった」

 

「真正面からセメントス先生はなー……僕でもこれ組んでた人によってはお手上げだよ」

 

 そんなふうに話していたら、セメントス先生の無限波状セメント攻撃に、砂藤と切島ペアは敗北してしまった。やはり雄英で教鞭を取るヒーロー……一筋縄ではいかない。

 

 そして、自分が対峙する試験官、オールマイトなど、幾つ考えがあろうと勝てないだろうと見えてしまう。

 

「まぁ……上手く利用させてもらおうかな、かっちゃん」

 

 仲違い中ならそれでやりようはあるさ、そうしなければ勝てないし、今はそうするしかないと、緑谷は呟いた。

 

 それから緑谷はずっと、自分の番が来るまでモニターから、クラスメイト達の試験を見続けた。皆、職場体験から成長してるなと実感する……ネームドヴィランを生死の境で倒したよりも、それは余程いい事じゃあないのかなと。

 

 ただ……

 

「怖いよ校長先生……もう呼ばれた時に顎こしょこしょできないよ……」

 

 上鳴、芦戸ペアを担当した根津校長の連鎖トラップ地獄だけはトラウマを刻まれてしまったのだった。

 

 そうして結局、緑谷は爆豪と作戦会議無しにぶっつけ本番で、試験に臨む事になった。雄英敷地内に建てられた、市街を模した演習場、その重々しい入場ゲート前で、ずっと立っていたらしい爆豪は、足音から緑谷に気付いて一瞥したが、すぐにゲートへ視線を戻した。

 

 互いに話す事は最早無い、爆豪はグローブを嵌めた手を握り込み、緑谷は帽子を深く被り直し、スカーフから新たに作り替えて貰った面頬を口元へ取り付ける。

 

 ゲートが開く、2人は仲違いしたくせに歩幅が一緒だった。

 

   <緑谷・爆豪チーム、演習試験、Ready Go>

 

 アナウンスで、試験開始が告げられる。そのまま2人して、しばらく同じ様に歩いたが。

 

「ねぇ、かっちゃん」

 

 緑谷から声を掛けた。しかし、無視して歩き続けた。

 

「おーい、かっちゃんやーい!」

 

 緑谷が立ち止まって呼び掛けた、しかし止まらず歩き続ける。

 

「おい、短◯包◯ヒヨコヘッド」

 

「ああ!?」

 

 ああ止まった、腕を組んだ緑谷は、とりあえず要件は短めに尋ねた。

 

「倒す?逃げる?」

 

「倒すに決まってんだろうが!!オールマイトを超えて完膚なきまでにこの試験を通過すんだよ!!」

 

「あっそ」

 

 そう聞いて、緑谷は自分の分のハンドカフスを爆豪に投げ渡し、それを爆豪はキャッチした。

 

「勝手にやればー?僕は逃げて勝つ算段だし、その思い上がりを叩きのめして貰って、そのままミンチになってしまえ」

 

 そう嫌味ったらしく言い、お先とばかりに走り出した。

 

「俺の前走るんじゃねえよ!!クソヴィーー」

 

 前を走る行為すら苛立ちを感じて走ろうとした刹那、その突風と衝撃波に、2人は一気に吹き飛ばされた。

 

「うぁあ!」

 

「ぐぅう!」

 

 メインロードの建物が喧しい音を立てて半壊する、まるでそれは核弾頭の衝撃波を思わせるような、無慈悲な破壊力。

 

 オールマイトに憧れた、だけどオールマイトみたいに自分はなれないと諦めている。それでも彼は、こんな自分を正統後継者だと言ってくれたのは嬉しかった。継ぐ気はなくとも、認めてくれたのだと緑谷は正直嬉しかった。

 

 あの人は、平和であり正義、そしてヒーローの『象徴』だ。『ICON』というやつだ。だからこそ……この一撃の意味は正しくこうだと緑谷は解釈した。

 

『自惚れるなよ、受精卵ども』と。

 

「街への被害などクソ喰らえだ」

 

 先生たちの前での組み手……その時の手加減はどれくらいだったのだろう1億分の1か?1兆分の1か!?たった一撃で、街の1通りを吹き飛ばす攻撃!

 

「試験だなどと考えていると、痛い目みるぞ」

 

 これが象徴!ICON!ヴィラン達に絶対の敗北を与え、二度と過ちを犯すなど許さない、そう思わせられる威圧感!!戦うことすら放棄させる、絶対的な力!!

 

「私はヴィランだ、ヒーローよ!真心込めて……かかってこい!!」

 

 そんな圧倒的力たる象徴が、最悪の仲違い中である2人の前に、強大な威圧感を纏って現れたのだ。

 

「退避だかっちゃん!分が悪い!こんな相手勝つのが無理だ!!」

 

「勝手に逃げとけやクソヴィラン!!」

 

 瞬間、緑谷は逃走、爆豪は戦闘のため正反対に走り出した。

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