【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「そうか……後悔は無いようにな!」
斬首刑の如く、トドメを刺しにかかるオールマイト。虚な目でその時を待つしかない爆豪だったがーー。
「Get over Here!!」
「がっ!?」
「むうっ!?」
爆豪の足首に鎖が巻きつき、肉体が引っ張られた!緑谷に引き寄せられ、宙を舞いそのまま爆豪は右肩に担がれる。
「Come Here!!」
さらに!左手を伸ばしオールマイトが初手に半壊させた瓦礫の一つを、体育祭で得た新たな進歩たる引き寄せの力で、引き寄せ叩きつけにかかる!
「ぬぅうう!」
瓦礫をぶつけられ、そしてオールマイトの前から2人は消えた。
「そうだった……物も引き寄せれるようになったんだ……しかし重いな、ゴホッ」
瓦礫を打ち付けられてなお、その肉体に傷一つ無し。しかして重りの煩わしさと、咳き込みで微かに手についた血を見て、オールマイトは辺りを見回す。
「さて、どこに行ったかなー?」
「てめ……離せやくそヴィラァアア!?」
路地裏奥にまで逃げた緑谷は、抱えた爆豪をそのままアイアンクローで鷲掴みにして壁に叩きつけた。
「今の台詞……何?」
「あががががが!?」
頭蓋をミシミシ軋ませる握力に呻く爆豪に、緑谷は冷たい語気を孕ませ尋ねた。
「負ける方がマシって何さ、え?ふざけないでよ……キミはそんな奴じゃないだろう」
緑谷は聞きたくなかったし信じたくなかった、彼からそんな言葉が出てきた事を。だから怒っていたのだ、ふざけるなと。
「周りが僕に屈する中キミだけだった、僕を殴り倒したのは……キミだけが心を粉々にしても、何度殺しても、膝をわなつかせても僕の前に立ってきた……それが何だ今さっきの言葉……魂まで砕けたか!ええ!?爆豪勝己!!」
緑谷にとって爆豪は、唯一自分の前に立ちはだかる『ヒーロー』であった。だから『クソヴィラン』呼びも喜んでいた。心砕けなお立ち上がり、自分を殴り倒したからこそ、その勇気にヒーローの様を見ていた。だから、先程の負けた方がマシなんて、絶対聞きたくなかったのだ。
「もういい、魂まで砕けたキミに用はない」
「や、やめーー」
「じゃあね、爆豪勝己」
平坦で無感情な声で、緑谷は有無を言わさず爆豪の脊髄をぶっこ抜く。叫びすら上げさせない無造作な、有象無象を処理するように。
壁に鮮血を散らし、倒れる肉体。そして緑谷は頭蓋をその場に離して落とした。
「さて……こうなったら一人でオールマイトと対峙してカフスをハメに行こう、まだ見せてない技があるからーー」
諦観からため息を吐き、爆豪の身体からカフスを取り出そうと屈んだ緑谷ーーしかし、ここで予想外の事態が起こった。
「てんめぇクソヴィラン!!またやりやがったな!?さっさと身体に戻せやぁ!!」
「は?」
爆豪の声が、脊髄ぶっこ抜いて殺した筈の爆豪の声がしたので、頭部に目線を向けて、その頭部がまだ生気ある肌色で、脊髄を蠢かせ睨みつけ、瞬きすらしている事に、緑谷は戦慄した。
「うわ!?なんで生きてるのかっちゃん!?気持ち悪っ!!」
貴様!何故脊髄だけで生きている!?そのセリフに脊髄をまるで蛇のように動かして爆豪は器用に直立して文句を言った。
「それが殺した人間のセリフかクソヴィラン!!さっさと元に戻しーー」
そんな言い合いをしていたら。
「爆豪少年!緑谷少年!みーつけた!!」
「「あ」」
声で見つかるわけで。
「え?それ、生きてんの?まーそれはさておいて!」
「まずい!!」
「試験再開だ!!お二人さん!!」
振りかぶるオールマイトに、緑谷は爆豪の脊髄を右手に引っ掴み、左手で足首を引きずる形で道路に飛び出した。