※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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93話 キミの個性は彼に似ている

「オールマイト!あんた生徒を殺す気かい!!映像を見たけど、まだ子どもにコンクリへ叩きつけるわ、何を年甲斐も無く新技叩き込んでんだい!!」

 

「すいませんでした……」

 

「うーわ……かっちゃんに見せられないやこりゃ」

 

 リカバリーガールに保健室で正座させられてペシペシ杖を叩き込まれているオールマイトを、ベッドに座って緑谷は見下ろしていた。

 

 あの後爆豪は気を失い、緑谷はギックリ腰を食らったような情けない叫びを上げて倒れた為即時搬送され、リカバリーガールの治療を受けたのである。隣のベッドにて爆豪はダメージで気を失っている、しばらくは眠りから醒めないようだ。

 

「あんたはあんたで、なんでピンピンしてるのさ?」

 

「ヒーローは死なないですから」

 

「もっかい言っとくけど、人は簡単に死ぬよ、全く……」

 

 その新技を食らった張本人緑谷が、明らかにダメージがある筈なのに、何でもう座って話せているのかと、ゾンビのようなタフネスに彼女は呆れ果てた。

 

「まぁいいさ、あんたはゆっくり歩くか親に送迎来てもらいな、無理すんじゃないよ」

 

「はーい……」

 

「緑谷くん、私が玄関まで送るよ、爆豪くんは親御さんに連絡して迎えに来てもらうから、心配しないでくれ」

 

 オールマイトが正座を解いて、背中を支えてくれた。そのまま保健室を出て、下駄箱まで並んで歩く事になった。

 

「すまなかったな……」

 

「何がですか?」

 

「爆豪くんもそうだが、キミの成長に嬉しくなってついあんな……」

 

 あの空中コンボか、マジで死にそうだったなぁと緑谷は苦笑したが、オールマイトに言う。

 

「いいですよ、何しろヴィランより先に新しい技を体験できたなんて、オールマイトファン冥利に尽きます、しかも……僕の研究した技から再現したなんて」

 

「えーっと……ファンってそんなものなのかい?強火ファンというやつか?」

 

「世の中には、ヒーローの技を受けたいなんて奇特なファンもいるんですよ」

 

「あー確かにアメリカで言われた事があったな私も……流石に諦めてもらったが……」

 

 あまりに少数だが強火ファンからすれば、新しい技を目撃どころか体験、しかもそれが自分の戦いから着想を得たなんて失禁モノで、それはもうファンサなのであると緑谷は受け取った。

 

「改めて、突破おめでとう緑谷少年……それで、そんな容態で申し訳ないが時間をいただけるかな?」

 

「いいですけど、何か?」

 

 祝福を受けたと同時に、時間が欲しいと言われた緑谷は、オールマイトを見上げて顔を見て、中々に真剣な話になるらしい険しい顔をこちらに向けていたのを目にしたのだった。

 

「キミの、今日新たに見せた個性に関してだ……」

 

 

 

 談話室に招かれて、対面するオールマイトは筋骨隆々の姿より萎んで鶏ガラ男になった、ここなら力を抜けるという訳だろうか。

 

「その……もう衰えが結構来てるんですか?」

 

「ああ、ワン・フォー・オールに私の体が耐えられなくなりつつある、君を助けた時には3時間はあったが……今はその半分、短期決戦で全力を出せば3分が限界だろう」

 

 ウル◯ラマンと同じだなんて言えない……自分の憧れはそこまで身体を蝕まれているのかと胸が苦しくなった。あれからも、教師になってからもオールマイトは呼ぶ声あれば駆けつけていたのだから。

 

「私のことを含め、きみに話さねばならないが……まず、君のお母様の個性は物を引き寄せる、お父様は火を吹くだったな」

 

「はい……」

 

「そうか……」

 

 あんな事態が起これば、個性の再確認はあろうなと、話の入りから不穏だった。それ程までに、試験で起こった事は異様極まりないと緑谷自身も気持ち悪さを抱いていたのだ。

 

「私の個性……ワン・フォー・オール……その力の内容はグラントリノ先生がキミに話したと聞いた……」

 

「はい……」

 

「この個性の成り立ちは特別なものでね……ある個性から派生した物なのだ……その個性の名は……オール・フォー・ワン。その個性の力は……他者から個性を奪い、己が物とし、そしてそれを他者に与えることのできる個性だ」

 

 それを聞いた瞬間……緑谷は目を見開いた。オールマイトはスーツを捲り上げ、その肉体を見せた。何かに抉り取られたような、大きく醜い傷跡を見て、さらに絶句が重なる。

 

「オール・フォー・ワンは、私が6年前にこの傷と引き換えに打ち倒した……多少ちがいこそあるが、オール・フォー・ワンとキミの個性は近似しているんだ」

 

 他者から個性を抜き取り、己が物として与える力……。

 

 そして、脊髄をぶっこ抜き、その個性を武器にする力……。

 

 悪を抱えて正義を成すと決めた少年の運命が……今動き始めた。

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