※この作品はR-18です。

僕の個性はデスアクメ!   作:ボブボブリー

4 / 15
USJ襲撃

 屋内戦闘訓練から二日がたち、その間に雄英内にマスコミが入るという事件が発生したが飯田がパニックになっていた生徒たちを落ち着かせた功績で飯田が学級委員長に決まった。 昼休みが終わり、午後の授業を告げるチャイムが鳴ると相澤が教室に入ってきた。

 

「今日のヒーロー基礎学だが…俺とオールマイト、それともう一人の3人体制で見ることになった」

「ハーイ!何するんですか!?」

「災害水難なんでもござれ。人命救助訓練だ!!」

 

 救助訓練という言葉を聞き教室内が色めき立つ。

 

「おい、まだ途中。」

 

 相澤が全員に睨みを利かす。

 

「今回コスチューム着用は各自の判断で構わない。中には活動を制限するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上準備開始」

 

 言い終わると同時にコスチュームケースが壁から出てくると、各々ケースを取り更衣室で着替えて出てくる。

 

「緑谷くん、コスチュームじゃなくて体操服なんだね」

「うん、前の戦闘訓練でボロボロになっちゃったから…」

「この前はごめんね…」

「ううん、僕が無理しちゃったから気にしないで」

「二人とも何をしている!着替えたら走らず速やかに外に出てバスに乗る準備をしよう!」

「飯田くんフルスロットル………!」

 

 飯田の指示によってバスに乗車し移動中、飯田は全力で後悔していた。

 

「こういうタイプだったくそう!!!」

 

 雄英で用意されたバスは、市営バスのタイプだった。

 それぞれ雑談をしている中、蛙吹が口を開いた。

 

「私思った事を何でも言っちゃうの緑谷ちゃん」

「あ!?ハイ!?蛙吹さん!!

「梅雨ちゃんと呼んで。あなたの個性オールマイトに似てる」

「それは俺も思った。すごいパワーだし」

「そそそそそうかな!?いやでも僕はそのえー」

「待てよ阿久津、梅雨ちゃん。オールマイトはケガしねえぞ、似て非なるアレだぜ。」

 

「プロなー!しかしプロも人気商売みてぇなとこあるぜ!?」

「僕のネビルレーザーは派手さも強さもプロ並み」

「でもおなか壊しちゃうのはヨクナイね!」

 

 事実を言う芦戸を青山は下唇を噛みながらジッと見ていた。

 その後、初日から口の悪かった爆轟がイジられ、イジられた爆轟がブチギレた姿をみんなが笑っているのを相澤によって窘められながら訓練場に到着した。

 

 

 バスを降り金属製の自動扉を潜るとそこには遊園地のアトラクションの如く、様々な施設があった。

「すっげーーー!!USJかよ!!?」

 そこには宇宙服のようなコスチュームを着たヒーローが眞司達を待っていた。

「水難事故、土砂災害、火事…etc。あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場ですその名もウソの(U)災害や(S)事故ルーム(J)」

(USJだった!!)

「スペースヒーロー『13号』だ!災害救助で目覚ましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」

「わーー私好きなの13号!」

 

 相澤が13号に近づき何か話し合っている最中、眞司は周りを見回していたがオールマイトは居らず、相澤と話し終わった13号が眞司達に向き直った。

 

「えー始める前にお小言を一つ二つ…三つ…四つ……皆さんご存じだとは思いますが僕の個性はブラックホール。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます。」

「その個性でどんな災害からも人を救い上げるんですよね」

 

 緑谷が言い、麗日が激しくうなずく。

 

「ええ…しかし簡単に人を殺せる力です。皆の中にもそういう個性がいるでしょう」

 

 13号の言葉を聞き、眞司は無意識に手を握りしめる。

 

「超人社会は個性の使用を資格制にし厳しく規制することで一見成り立っているようには見えます。しかし一歩間違えれば容易に人を殺せるいきすぎた個性を個々が持っていることを忘れないでください。相澤先生の体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り。オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。この授業では…心機一転!人命の為に個性をどう活用するか学んでいきましょう君たちの力は人を傷つける為にあるのではない。助ける為にあるのだと心得て帰って下さいな」

 

 眞司は体力テストでも対人戦闘でも個性を使う事は無かったが、それでも眞司の個性デスアクメの危険性と恐怖は眞司が誰より一番わかっていた。だから眞司は決して個性を使うことなくヒーローになる事を決意していた。

 

「以上!ご静聴ありがとうございました」

 

 13号の話を聞き、皆が歓声を送る中、相澤が視界の端に何かを見つけた。それを目で追うと中央広場に黒い霧が現れるのを見た。そして中から誰かが現れるのを

 

「一かたまりになって動くな!13号!!生徒を守れ!」

 

 相澤の言葉に緊張が走る。そして瞬く間に霧が広がり、大勢の人間が現れた。

 

「何だアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」

「動くなあれは敵だ!!!!」

 

 敵を連れてきた黒い霧が声を発する。

 

「13号に…イレイザーヘッドですか…先日頂いた教師側のカリキュラムではオールマイトがここにいるはずなのですが…」

「やはり先日のはクソ共の仕業だったか」

 

 全身に灰色の手を付けた男が掠れた声でイラついた様に言った。

 

「どこだよ…せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ…オールマイト…平和の象徴…いないなんて……子供を殺せば来るのかな?」

 

 本物の敵が現れ、背筋が凍るような気持だった。

 敵が霧の中から次々と現れ、こっちに向かってくる。

 轟が状況を観察し冷静に述べていく。

 

「現れたのはここだけか学校全体か…何にせよセンサーが反応しねぇなら向こうにそういうことできるヤツがいるってことだな。校舎と離れた隔離空間、そこにクラスが入る時間割…バカだがアホじゃねぇ。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」

「13号避難開始!学校に連絡試せ!電波系の個性が妨害してる可能性もある」

「先生は!?一人で戦うんですか!?数じゃいくら個性を消すって言っても!!イレイザーヘッドの戦闘スタイルは、敵の個性を消してからの捕縛だ…正面戦闘は……」

 

 戦闘準備をしながら相澤は言う。

 

「一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号!任せたぞ」

 

 そう言うなりイレイザーヘッドは敵前に飛び出して行った。

 様々な敵が攻撃しようとするもイレイザーヘッドの捕縛布に捕らえられ、頭を激突させ、無力化されていく。

 

「すごい…多対一こそ先生の得意分野だったんだ」

「緑谷くん早く避難しよう!」

「させませんよ」

 

 先程まで中央広場に居た(・・)霧が人の姿の形で13号の前に現れた。

 

「初めまして我々はヴィラン連合、せんえつながら…この度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは、平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして。本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ…ですが。何か変更があったのでしょうか?まぁそれとは関係なく…私の役目はこれ」

 

 霧の体が揺らぎ広がろうとした瞬間、切島と爆轟が同時に攻撃を仕掛けた。

 だが二人の攻撃を受けたにも関わらず、微かに霧が薄れるだけで怯んだ様子は無かった。

 

「危ない危ない……そう…生徒といえど優秀な金の卵」

「ダメだどきなさい二人とも!」 

 

 13号が攻撃を加えようとした瞬間、薄らいでいた霧が一層濃くなり眞司達覆った。

 

「散らして、嬲り、殺す」

 

 眞司の体が霧に覆われ、目を開けた次の瞬間には宙に浮き、眼下には水面が広がっていた。一瞬の浮遊感の後、水面に叩きつけられた。眞司は何とか目を開くと正面に数人の敵がいた。

 

「お!こっちにも来たぞ!」

「誰が先に殺すか競争だな」

 

 眞司の頭の中の冷静な部分が敵に向き直ろうと指示をするも、コスチュームを着たままでの水中活動にすぐに対応出来ず、更に足に装着していたプロテクターの影響で急速に沈み、半ばパニックに陥りかけていた。

 敵が眞司に襲い掛かろうとした瞬間、眞司の背面から何かが胴体に巻き付き、急速に敵から離れていった。

 眞司の意識は半ば朦朧としていていたが、船の甲板に降ろされた瞬間に意識がはっきりした。

 

「二人を先に助けていてちょっと遅れちゃったわ、ごめんなさい」

「大丈夫ありがとう……二人?」

 

 体を起こすと緑谷と峯田が居た。

 

「僕たちも蛙吹さんに助けられたんだ」

「梅雨ちゃんと呼んで」

「ありがとう、蛙吹さん…」

「梅雨ちゃんと呼んで」

 

 まずは四人で現在の状況を確認したところ。雄英の情報が洩れている事、次に敵にオールマイトを殺せる確信があるから無茶をしている事。そして敵は眞司達の個性がわかっていないという事。一先ずそれぞれの個性を説明しあうことにした。

 

「私は跳躍と壁に貼り付けるのと、舌を伸ばせるわ最長で20m程。あとは胃袋を外に出して洗ったり、毒性の粘液…といっても多少ピリッとする程度のを…分泌できる」

「分…泌…!!」

「おれは……手を触れた相手に性的な絶頂を与えることができる…けれど制御が出来ない。だから下限も上限もわからない…」

「性的な絶頂…!!」

「僕は、超パワーだけど…使った先からバッキバキになる…もろ刃の剣的な…アレです」

 

峰田は緑谷に対してあからさまにため息をついてから頭の玉をモギ壁に押し付けた。

 

「超くっつく。体調によっちゃ一日たってもくっついたまま。モギったそばから生えてくるけどモギりすぎると血が出る。オイラ自身にはくっつかずにプニプニ跳ねる」

 

 三人が真剣な表情で聞いていたが峯田は涙目になりキレた。

 

「だから言ってんだろ!おとなしく救けを待とうってよお!オイラの個性はバリバリ戦闘に不向きな~~~~~!!!!!」

「ちっ違うってばすごい個性だから活用法を考えて…」

 

 船が割れた。それを機にして敵が船に近づいてきた。

 

「あああ!死ぃねぇぇぇぇ!!!」

「緑谷くん!!」

 

 緑谷は船から飛び出し、敵そのものではなく水面を狙い、デラウェアスマッシュを放った。強い衝撃を与えられた水面は広がり、中央に収束するところを峰田がモギモギ投げ入れることで水難ゾーンに居た敵は一網打尽に行動不能となった。

 船から離れた四人が水辺に近づくとイレイザーヘッドが戦闘をしている様子が見えた。

 するとイレイザーヘッドが手を付けた男、死柄木のみぞおちに肘撃ちを入れたように見えたがその実、死柄木の手で受け止められていた。すると肘が崩れ、イレイザーヘッドは下がったがその背後に脳をむき出しにした敵、改人”脳無”が待ち構えていた。

 脳無はイレイザーヘッド抹消をものともせず、彼の腕を握っただけで折り、頭を何度も地面に叩きつけた。

 

「死柄木弔」

 

 死柄木の背後に黒い霧、黒霧が現れた。

 

「黒霧、13号はやったのか」

「行動不能には出来たものの、散らし損ねた生徒がおりまして…一名逃げられました」

「………は?」

 

 死柄木はため息をつき、首を腹立たしそうに掻きむしりながら言った。

 

「黒霧、おまえ…おまえがワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ…さすがに何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだあーあ…今回はゲームオーバーだ……帰ろっか」

 

 見ていた眞司達に困惑と微かな喜びが走る。

 

「けどもその前に、平和の象徴としての矜持を少しでも…」

 

 瞬間、死柄木が眞司達に一瞬で距離を詰め蛙吹の顔に手を伸ばそうとしていた。

 

「へし折って帰ろう」

 

 眞司達の脳裏に先ほどイレイザーヘッドの肘を崩壊させた光景がフラッシュバックした。

 

「……けろっ!」

 

 眞司は考えるよりも先に体が動き、蛙吹を押しのけて死柄木の手を握っていた。

 握った瞬間から手袋が風化したように崩れ去り互いの手を握りあった時、それは起こった(・・・・)。

 

「お゛ッ♥お゛ッ♥お゛ッ♥お゛ッ♥お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!!!♥♥♥♥♥♥」

 

 死柄木の体は絶頂による快感が全身に駆け巡った。握った手は弓なりに仰け反った瞬間に離された。嬌声かあるいは獣の雄叫びのような声を上げ、首をガクガクと震わせ、白目を剥き、髪を掻き乱し、服は瞬く間に汗が滴り落ちるほどに濡れ、死柄木の体内では毛細血管が破れ、体のあちこちに内出血の痕を残し、そして穴という穴から体液をまき散らし、地面にのたうち回った。

 黒霧がすぐさま駆け寄り抱えようとしたが、死柄木は狂ったように手足をバタつかせていたが黒霧は何とか彼を抱き抱えた。

 

「死柄木弔!ここは一旦撤退しましょう!」

「ふっざっけんなぁ!!!♥俺がっ♥ごんなッ♥ガギに♥や゛ら゛れ゛て゛♥おめ゛お゛め♥引き下がれ゛っで言うの…がぁッ!!♥♥」

「残念ですが、今は引きましょう。それにオールマイトを殺す機会はこの先いくらでも…」

「脳無!!!」

 死柄木は脳無を呼ぶと地面に押さえつけていた相澤の頭を離し、死柄木に向き直った。

「ごのガギぃ゛ィ♥をッ゙♥殺せ!!♥♥」

 

 脳無がイレイザーヘッドから手を放し、眞司に襲い掛かる。

 

「阿久津くん!!スマッシュ!!!」

 

 緑谷が放ったスマッシュは腕が折れることは無かったが、脳無が怯んだ様子は微塵も無かった。

 脳無が緑谷の腕を掴み拳を振り上げる。緑谷は身を縮ませた。眞司が助けようと手を伸ばし、蛙吹もまた舌を伸ばした。

 間に合わない、そう思った瞬間。

 訓練場の扉が轟音を立て吹き飛んでいった。

 

「もう大丈夫私が来た」

 

 オールマイトが来た。

 

「死柄木弔…申し訳ありませんが。ここは私の一存ですが、撤退します」

「待でッ♥ぶざけん……」

「SHIT…!」

 

 オールマイトは二人を捕えようとしたが一歩遅く、死柄木は黒霧に抱えられ霧の中へ消えていった。

 しかしオールマイトは通り掛けの敵はすべて気絶させ相澤を肩に担ぎ、また眞司達も腕に抱えて脳無から距離を取った。

 その後、オールマイトが脳無の動きを封じ、数百発の拳を叩き込み脳無を行動不能にさせたところで、他のプロヒーローが到着したことで、USJ襲撃が終わった。

 

 

 

「あ゛♥あ゛♥あ゛♥あ゛♥……」

 

 雑居ビルのバーに戻ってきた死柄木は絶頂の快感が未だ抜けきらず、快感に震わせていた。彼はカウンターの上にあるモニターに話しかけた。

 

「話が…違うぞ…先生……」

「どうしたのかな?弔」

「オールマイトは居なかった…それに何なんだあの子供は…」

「ほう…それはどういう事かな?」

「あのガキ…俺の手に触れた瞬間に…俺が……イカされた!!!」

「ほほぅ」

「笑ってるんじゃないよ…先生」

「まあまあ、ワシと先生の共作脳無は?回収していないのかい?」

 

 霧から出てきた黒霧が答える。

 

「回収しようとしましたが弔を逃がすことを優先しましたので…回収しようとしたころには元居た位置には居りませんでした」

「せっかくオールマイト並みのパワーにしたのに…まァ…仕方ないか…残念」

「そうだ…一人…オールマイト並みの速さを持つ子どもがいたな……」

「……へぇ」

 

 モニターから出る声には微かに笑いを孕んでいた。

 

「弔、今は休み英気を養うんだ。そして次こそ君という恐怖を世に知らしめろ!黒霧、弔を部屋に連れて行って上げなさい」

「はい」

 

 死柄木と黒霧が居なくなるのを見計らい彼、AFO(オール・フォー・ワン)は傍らにいるドクターに語りかけた。

 

「ねぇドクター、弔を絶頂させた彼の事調べておいてくれないか?」

「構わんが、その子供の個性も取るのかの?」

「いいや、弔は次の僕の第一候補だがその子の事も候補に入れてあげようと思ってね…」

「ほう」

「それにねドクター、僕は思うんだよ。原点(オリジン)が大事、大変な時は原点(オリジン)を思い出せって言うんだけど、僕には不思議でたまらないんだ。原点(オリジン)何てものは本人がそう思い込んでるだけで本当はいくらでも植え付け、書き換えが可能なものだと。だからねドクター…僕が彼に、彼に相応しい原点(オリジン)を与えてあげようとね。あとついでにやってくれれば嬉しいんだけど鳴羽田の時の資料もいくつか集めておいてくれないかな?」

「おう、No6のやつじゃな少し時間は掛かるが構わんか?」

「構わないよ…楽しみに待っておくよ」

 

 AFO(オール・フォー・ワン)は闇の中で歪に口を歪ませた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。