※この作品はR-18です。

ラブライブ! Another 一つ屋根の下で   作:伊崎ハヤテ

10 / 30
噫無情のキャラの台詞、「ずっと一緒だよ」と言う穂乃果ちゃんの台詞を聞いただけで、俺の中の何かが天元突破出来る気がする。
今回はサイドストーリーとも違う形のエピソードです。次回書くであろう本編の前日譚ということでどうか一つ。



Another Episode ある巫女の話

「なんか、ヒマやなぁ」

 神田明神の境内。彼女は一人箒を持って呟く。学校から神田明神に直行し、お世話になっている家で巫女服に着替えて現在に到る。

 部活仲間との練習も終わり、本番を明日に控えた今日。心臓からざわつきを感じる。自分もなんだかんだ緊張してるんだと彼女は笑う。そんな自分の緊張を解してくれる、面白い出来事はないかと思った矢先。

「あの、すいません」

 彼女に声をかける男が一人。彼女よりも半頭身程背は高く、こげ茶色の髪は短く切り揃えられている。

「どうしたん?」

 彼女は笑顔で客を迎える。男は恥ずかしそうに喋る。

「あの、お守りが欲しくて来たんですけど、売り場に誰もいなくて……」

「ああ、お守りが欲しいんやね」

「ええ、友人への贈り物に、ね」

 男は尚も恥ずかしがって彼女の跡についていく。売り場に入ると彼女は胸を張る。

「さて、あんさん。恋人にどんなお守り贈りたいん?」

 彼女の質問に男は顔を真っ赤にする。

「こ、恋人って俺は一言も言ってないですよ!」

「恥ずかしそうに贈り物を探している、これが恋人に対してのモノじゃなかったら何なん?」

 彼女の言葉に男は観念したように肩から力を抜く。

「恋人じゃないですけど、お守りを渡してやりたい女の子がいるんですよ」

「当たらずも、遠からずやね」

 ふと彼女の脳裏に一つの情景が浮かぶ。あれは二・三日前、今日と同じ位の時間の事だっただろうか。彼女がいつものように境内を掃除していると自分と同じ部活に所属している女の子と彼が並んで歩いているのを見たのだ。

 友人に声をかけようかと思ったが、その友人は顔を赤く染めながらちらちらと彼の顔を覗いては視線を逸らしていた。逸らす度に揺れるサイドポニーが可愛らしくて、それを微笑みながら見送ったのを覚えている。

「あんさんか、そうかそうか~」

 一人でにやりと笑う。

「あの、巫女さん?」

「よし、ほなそういうことならウチにまかしとき!」

 存在感のある胸を自分で叩く。ぼよんとした弾力が自分の身体中に木霊する。その様を男は苦笑いしながら見ていた。

 

「ほの――贈りたい子はどんな状況なん?」

 彼女の質問に男は視線を右上にして言葉を紡ぐ。

「えっと、明日アイツ、学校で大きな発表を控えているんですよ。その後、俺に伝えたいことがあるらしくて――」

 思い出したのか顔を赤らめながら苦笑いを向けてくる。

「アイツ、伝えたい事があるから見に来てって真剣な顔で言うんですよ」

「なんかそれ、死亡フラグみたいやな」

「死亡フラグって……、縁起でもないこと言わないで下さいよ……」

「ほな、あんさんはその死亡フラグ回避の為にお守りが欲しいんやな?」

「まあ、そんなとこですね。その発表が上手くいくように、無事にそれを終えて俺に伝えたいこと伝えてくれますように、と願いを籠めて贈りたいんです」

 真剣な眼差しでこちらを見てくる。その眼差しに、彼女は悟った。

――なんや、あの子も愛されてるなぁ。凛ちゃんと同じに――

「あの、俺の顔に何か着いてますか?」

 彼の質問にふと我に帰る。すかさず悩むふりをする。

「なるほどな~。するとな~、あんさんにぴったりなお守りは~」

 視線の先にあるお守りに眼が止まった。そこに書いてある四字熟語にいたずら心がむくむくと湧き上がる。

――これを渡された時のあの子の顔。見てみたいなぁ――

 それを掴み、神田明神の印が押された紙に包む。

「はいこれ、神田明神の由緒ある巫女さんが選んだお守りや。あんさんにも、その渡される子にも、いいことがありますように~!」

 ぱんぱんと手を叩き、念じる様に祈ってやる。

「はは。ありがとうございます」

 男は笑顔で五百円硬貨を渡す。それを受け取って彼女はくすくすと笑う。

「渡す時は、ロマンチックに渡すんやで~。あんさんならイチコロや!」

「からかわないで下さいよ」

 男は笑って会釈するとそのまま去っていった。彼女はその決意を決めたであろう男の背中をずっと見つめていた。

 

「希さん」

 再び彼女に声をかける男が一人。彼女と同じように神田明神の装束を身に纏っている。

「あ、光やん。どないしたん?」

 ぱぁっと彼女の顔が明るくなる。七瀬 光。彼女が意識している、二つ年下の男の子。光は眼鏡をくいと上げて笑う。

「いえ、希さん、今日はもう上がっていいですよ」

「光も上がりなん?」

「僕はもうちょっと、ですね」

「ほな、ウチももう少し一緒に仕事しよかな」

「そんな、悪いですよ」

「いいっていいって。おねーさんにまかしとき!」

 

 東條 希は再び存在感のある胸を叩いた。

 

 




 そう言えば主人公のビジュアルとかあんまり決めてなかった。どうしよう。あとのビジュアルは、読者の皆さんの想像にお任せします。
気付けばのんたんが恋に悩む若人を導く立場になっているような。アニメの彼女、何か悟った感じのキャラになっているせいかな?
 希編も少し考えてはいます。その為、その相手役である七瀬 光くんにも登場してもらいました。神田明神の跡取り息子って設定なんだけど、あの明神の規模ってどれ位なんだろう……。確かめたくても予算もないし……
 どなたか教えて下さると幸いです。

 これで種は蒔いた。あとはじっくり考えながらクライマックスを書くのみ。楽しみにしている方、もう少しお待ち下さい。
 ご意見ご感想お待ちしてます。
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