※この作品はR-18です。

ラブライブ! Another 一つ屋根の下で   作:伊崎ハヤテ

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俺「希先輩、艦これがしたいです……」
希「知らんがな」
今回は穂乃果を中心にした話です。ライブ前の彼女の心情などを神視点で書いてみました。それでは、どうぞ。




Another Side 信じるもの

 高坂 穂乃果は緊張した面立ちでステージ裏から観客を見つめていた。ざっと見て数十人はいる。自分達が今まで地道にやってきた活動の結果だと彼女は嬉しく思っていた。それと同時に不安が押し寄せていた。

 もしステップを踏み違えたらどうしよう、ファンになってくれるかもしれない人の前で転んだら、見向きもされなくなっちゃうかも――

「緊張しとる?」

 穂乃果の暗い考えを遮るように優しげな声が後ろから聞こえる。

「希ちゃん」

 声をかけてきたのは一つ年上の東條 希だった。彼女は微笑みながら穂乃果の横に並ぶ。

「おぉ、だいぶお客さん入っとるなぁ」

「今までPVとかでそこそこアピールしてきたもんね」

「今からあそこで踊るんやな」

「そうだね」

 ふぅ、と希は息を吐くと自分の肩を抱き寄せる。

「あかん、ウチ、ちょっとドキドキしてきた。穂乃果ちゃんは?」

 今まではPV撮影等で踊ってはいたが、大勢の観客の前で踊ることは初めてなのだ。緊張しないわけがない。

「まぁ、ちょっとは、ね。でも大丈夫!」

 心配させてはいけないと、笑顔を貼りつける。すると希は眼を細め穂乃果の顔を覗きこむ。

「ほんとうに~?」

「本当だってばー!」

 彼女に見つめられると自分が張った虚勢が見抜かれそうな気がして、ドキリとする。しかし希はあっさりと納得したように顔を離す。

「ま、それがあるから平気やな」

 ウィンクして右手を指さす。穂乃果の右手に握られているのは、紫色のお守り。

「それ、神田明神のお守りやん。穂乃果ちゃん買いに来たん?」

 口元を意味ありげに緩める希に穂乃果は笑顔で答える。

「ううん、貰ったの。これ、持ってけって」

 きゅっとお守りを握り締める。目蓋を閉じればこれを渡してくれた人物の顔が思い浮かぶ。わざわざ部屋に戻って息を切らしながら渡してくれた、彼。それだけ自分の為に必死になってくれる彼を意識するだけで頬に熱さが蘇る。

「その人のこと、好きなん?」

「……」

 穂乃果はその問いに何も答えられなかった。彼の事を考えるだけで胸が締め付けられる。

「あ、穂乃果ちゃんに希ちゃんニャ!」

 彼女の沈黙を消し飛ばす声が後ろから聞こえてくる。橙色のショートカットにレモン色の瞳。穂乃果の一つ年下の後輩、星空 凛だった。

「あ、凛ちゃん。どうしたの?」

 これ幸いと話を凛に振る。凛はえへへ~とふにゃっとした笑顔で集まっている観客を覗く。

「ちょっと覗きに来ただけだニャ~。え~っと……」

 凛は爪先立ちになったり眼を細めたりしてじっと客席を見ていた。

「あ!」

 小さな声で息を飲んだ。すると次の瞬間にはぱぁっと明るい笑顔をしていた。

「凛ちゃん、客席に誰かいたの?」

「えへへ~。なーいしょっ! よーし、ライブ頑張るニャ~!」

 るんるんとスキップしながら凛はその場を去っていった。その場に残っているのはまた穂乃果と希だけになった。

「嬉しそうな顔しとったね」

「そうだね」

「このライブを、見てもらいたい人でもおるんやろか」

 見てもらいたい人、その言葉に穂乃果の脳裏に再び彼の顔が浮かぶ。家に帰ればずっと話を聞いてくれた、そばで自分のアイドル活動を見守ってくれた、メンバーにも言えない事を理解してくれた彼、二城 悠。彼もあの客席に居てくれているのだろうか。

 彼を探す為に眼を細めて客席をじっと見る。しかし人が多く、見つける事が出来ない。

―それでも―

 穂乃果はここに彼がいると確信した。根拠はないが、そう思えた。

「よしっ」

 頬を少し強めに叩く。痛みから不安な気持ちを隅に追いやる。

「私、頑張る! 見に来てくれた人の為に、全力で!」

 やる気に満ちた穂乃果を見て希も頷く。

「うっし、その意気や!」

 二人で気合いを入れていると、凛々しい声が耳に届く。

「お待たせしました」

「海未ちゃん!」

 園田 海未の後ろには他のメンバーがいる。それを見て穂乃果はぱぁっと明るい笑顔を見せる。

「みんな!」

「ごめんなさい、準備に時間かかっちゃった」

 南 ことりは申し訳なさそうに謝ってくる。

「謝ることないやん。まだ時間には余裕あるし」

「そうそう、と言うか希と穂乃果が早いのよ」

 絢瀬 絵里はやれやれ、とため息を吐く。しかしすぐに表情を引き締め、他のメンバーの顔を見回した。

「皆、μ’sが9人になって初めてのライブだけど、頑張ってやっていきましょう!」

 その言葉に全員が頷く。そしてその後絵里は引き締めた表情を解いた。

「って一番の新参者である私が何を言ってるんだろうね」

「気にすることないニャ~!」

 凛がぴょんと跳ねる。

「凛は、このステージでた~くさん踊りたいニャ! それでたくさんの人に見てもらいたいニャ!」

「は、花陽も頑張ります!」

 凛の隣で大人しくしていた小泉 花陽も気合いを入れるように拳を握りしめる。

「花陽ちゃん、すっごいやる気! よーし、ニコも負けられないニコよ!」

 一年生二人の気合いの入り様に矢沢 にこも負けじと笑顔でポーズをとる。

「私だって! にこちゃんには負けないんだから!」

 西木野 真姫はそんなにこに対抗意識を向ける。

「よーし、楽しんでいこか!」

 希はくすくすと笑う。

「衣装もバッチリ! 皆でがんばろ♪」

 ことりはその場でくるりと回る。衣装がふわりと舞うのを見て海未は頷く。

「私も万全の状態で舞わせてもらいます」

 他のメンバーの様子を見て穂乃果は円になっていた中心に手を伸ばす。他のメンバーも次々と手を重ねていく。

「じゃあ、はりきって行くよー! μ’sミュージック――」

『スタート!』

 声を重ねて手を高く上げる。そして彼女達はステージへと走り出した。

 ステージに入った瞬間に響く、観客の声。その声援の中で彼女達は所定の位置に着く。

―見ててね、悠くん―

 穂乃果が彼の事を思っていると、曲が流れ始めた。

 

 




 主人公を語り部とした場合、主人公の心情などは良く書けるけど、それ以外を書きづらい。こういった表現って本当に難しい。穂乃果編では主人公に語らせたけど、三人称視点の方が皆さんは読みやすいでしょうか?

 未だに矢沢先輩のキャラの方向性が決まっていない。出来れば今回の様にSIDのにこちゃんを書きたいんだけどそれらしい台詞を考え辛いんだよなぁ。
それと同様に真姫ちゃんも台詞を作り辛いキャラの一人。下手なこと言わせると患者、もといファンの方にめちゃくちゃブーイングされそうで怖い。SIDも彼女のだけを買えてないからなんとかして入手せねば。

 今回のストーリーでより本編を面白く読んで頂けると幸いです。頑張って本編も書きあげたいと思っています。ファンの皆、オラに元気とやる気と勇気を分けてくれ!

 ご意見ご感想、元気をお待ちしてます。
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