深夜の森の中で、俺達は移動を行っていた。
次の街へと向かう為に。
だけど、その道中だった。
周囲の森の影から、何かが迫っているのは分かる。
「えっと、ゼータ、これって」
「まぁ、そうだね、盗賊だろうね」
その言葉共にゼータは、ため息を吐きながら言う。
現代社会で生きている俺にとって、盗賊という存在は物語だけのものだった。
けど今、目の前にそれがいる。
それも、何体もだ。
その数はおよそ二十人程。
皆、剣や斧などの武器を手にしている。
それらは、俺達に迫っている事が理解出来ている。
「これって、ヤバいのか」
俺は、思わず呟くが。
「んっ、別にヤバくはないよ」
ゼータは、そう呟いた。
まるで、何事もないように。
「シノン、一応聞くけど、これって、危険なのか」
「まぁ、実際に盗賊は、夜襲が得意としている奴らばかりだからね。こうして、囲まれている状況は、確かに危険だよ」
シノンは、そう言って俺の隣に立つ。
「まぁ、けれど」
シノンがそう呟いた次の瞬間。
隣にいたはずのゼータの姿が消えた。
それと同時に、周囲に響き渡ったのは、悲鳴だった。
「けど、猫の獣人にとって、この夜は彼女のフィールドだから」
「あぁ」
そうしている間にも、盗賊達は次々と倒されていく。
ある者は、首を切り落とされて。
またある者は、胴体を貫かれて。
そしてまたある者は、体を細切れにされて。
「うわぁ」
この夜の森の中で、本来ならば視界がない状況は危険だろう。
だけど、周囲が見えない状況は、その死体が見えないので、精神的には楽な状況でもある。
しかし、それはあくまでも精神だけであって、実際には死体だらけの状況なのだが。
そんな事を考えながらも、俺は目の前に広がる光景を見る。
ゼータは、既に戦いを終えていて、周囲を警戒していた。
そしてシノンはと言うと、ゼータの戦いを見届けた後、俺の隣に来ている。
俺は、少し離れた所で、戦っているゼータを見ながら口を開く。
「そう言えば、主」
「どっどうしたんだ?」
「さっき、この盗賊達の品物を見つけたんだ。せっかくだから物色をしようと思うんだけど、いいかな」
「……わっ、分かった」
まるで、ショッピングするような言葉で、言われて、俺は圧倒されていく。
そうして、俺達が向かった先。
そこは盗賊達のテントの中だ。
そこには幾つかの宝箱があり、その中には様々な物が詰まっていた。
「へぇー、結構良い物があるねぇ」
「そうだな」
そう言っていると、ふと気になったのは、何かの牢屋だ。
その牢屋の中には。
「女の子に、鎖で巻かれている剣?」
次回作品の中心になる種族は?
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